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予想外な言葉。
しおりを挟むかえで「すみません、よろしくお願いします・・・。」
乗せてもらった車は、おそらく昨日も乗せてもらった車。
かえで「広い・・・。」
L字型にある座席。
まるでソファーのようだ。
ミニテーブルまであって、小さい冷蔵庫もある。
昨日は車内を見る余裕がなかったけど、私はこういう車をテレビで見たことがあった。
かえで「高級リムジン・・・。」
慶「好きなとこ座って?」
かえで「は・・はい・・。」
どこに座ったらいいのか分からないくらい広い車内。
後ろから神楽さんが乗ってくることを考えると・・・
かえで(一番奥に行くべき・・?)
私は車の中を歩き、運転席の後ろにあたる席に腰かけた。
進行方向に向かって座ることが一般的なのに、この車は進行方向に対して横向きに座るようになってる。
違和感だらけを感じながら座ってると、神楽さんが私の真横に腰かけた。
かえで(近い・・・?)
乗せてもらってる手前、文句なんて言えない。
微妙な距離感にどうしていいかわからないでいると、神楽さんが口を開いた。
慶「足は痛くない?」
かえで「大丈夫ですー。」
まだズキズキと痛むけど、これ以上迷惑をかけるわけにいかない。
我慢ができる範囲だし、自然と治ることを祈ることにした。
慶「ならいいけど。・・・昨日、あんな夜遅くに裸足で歩いてた訳・・・聞いていい?」
かえで「昨日は・・・・・」
彼氏とケンカした・・・わけじゃない。
私が勝手に出てきただけ。
家を飛び出した理由は・・・勝手な同棲が嫌なのと、私が養わなくちゃいけないこと。
あと・・・毎夜営みが続くかもしれないと思ったからだ。
かえで「・・・すみません。言えない・・です・・。」
慶「無理に聞く気はないから安心して?まだ帰りたくないなら今日も泊ってくれていいし・・・。」
かえで「やっ・・そんなわけにはいかないですっ。今日は・・店長にお願いしますので・・。」
慶「・・・わかった。でも、困ったときは迷うことなく俺を頼って?常連さんのよしみで。」
かえで「・・・ありがとうございます。」
単なる店員の私によくしてくださる神楽さん。
正直、昨日のことは助かった。
何かお礼・・・とも思うけど、持ち合わせが何もない。
かえで「あの・・・。」
慶「うん?」
かえで「いつか・・今日のお礼をしますので・・少し待ってもらえますか?」
高級な車に乗ってる神楽さん。
私のために用意してくれた服も高級だったし、きっと私ができるお礼なんてたかが知れてる。
それでも何かお礼をしたいと思った。
慶「・・・そのお礼って・・・リクエストもあり?」
かえで「そ・・それは・・・・」
慶「だめ?」
かえで「・・・私のできる範囲なら・・。」
超高級なものを言われたらどうしよう・・。
手に入らないものを言われたらどうしよう・・・。
そんなことを考えながら神楽さんの返事を待った。
でも神楽さんは・・・とんでもないことを私に言った。
慶「俺と・・・結婚してくれない?」
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