『修正中』イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。

文字の大きさ
3 / 68

家出。

しおりを挟む
行為が終わると、翔太は「ふー……」と息を吐き、満足そうに食事の続きを始めた。
私は脱がされた服を慌ただしく身にまといながら、もう一度話を切り出そうとしたが彼の声がそれを遮る。

「俺さ、アパートの金、払えなくなって出たんだよ」
「……え?」

予想もしていなかった言葉に、思考が一瞬止まった。

「だからここに住むから。明日から鍵かけずに仕事行ってこいよ」
「な……翔太、仕事は……?」

喉が詰まるような声で問いかける。
心の奥では、聞きたくない答えがもう浮かんでいた。

「お前が働いてるんだし。俺は家にいるわ」

その一言で、何かがぷつりと切れた。

「……っ!」

気がつけば、私は靴も上着も持たずに部屋を飛び出していた。

(無理……私は母親じゃない。家政婦でも大黒柱でもない!)

夜の街を涙で滲ませながら、ただ必死に歩き続ける。

(どこで……間違えたんだろう)

頬を伝う涙を腕で拭っても、止まる気配はない。
考えても答えは出なかった。
ただ一つ確かなのは、私の想いはとっくに翔太から離れていたということ。

「これから……どうしよう」

家に戻れば、また同じ日々に縛られる。
働き、家事をし、夜の相手までさせられる。
そんな未来を想像するだけで、胸の奥が押し潰されそうだった。

「もう……やだよ……」

何も持たず飛び出したせいで、友達を頼ることもできない。
ホテルに泊まろうにも、財布もないのだ。

「朝になれば……お店で店長に相談できる……」

行く当てもなく、朝まで時間を潰すため、私は歩き続けることにしたのだった。


―――――


一方そのころ―――

店の常連客『神楽 慶』が仕事を終え、自宅へ帰る途中で車の後部座席からかえでを捉えていた。

(あれは……水瀬さん?)

いつも行くコーヒー屋の店員が、夜道を一人で歩いている。
この状況が気になった彼は、運転手に声をかけた。

「止めてくれ」

車が静かに路肩に止まると、彼はドアを開けて下りた。

「ちょ、水瀬さん? こんな夜に一人でどうしたの?」

彼女は俯きながら歩いていた。
足元を見ると靴も履いておらず、薄着のまま。
声をかけられたことに気がついたのか、彼女は泣き腫らした目で見上げたのだ。

「あ……いつも店に来てくださる……」
「『神楽』だけど……」
「神楽さん……」

弱々しい声で話す彼女に、慶は困惑した。
いつもの明るい接客の顔とはまるで別人だったのだ。

「どうしたの? 靴も履かずに……」

慶は上着を脱ぎ、かえでの肩にかけた。
すると、細い体がびくりと震えたのだ。
足元を覗けば、皮膚が擦り切れて血がにじんで見える。

「大丈夫です……失礼します……」

そう言って上着を外し、よろめきながら歩き出そうとするかえで。
その姿に胸が締めつけられ、慶は思わず彼女を抱き上げた。

「!? な、なにを――」
「足、痛いんだろ? 送ってく」

驚く彼女をそのまま車に乗せ、後部座席へ座らせた慶は足の傷をみるためにそっとかえでに触れた。
足裏の傷は―――想像以上にひどい。

(こんな傷で歩いていたのか? というか、なぜ靴を履いていない?)

石で切ったのか血がにじんでいる箇所がいくつもあり、どんな状況なのかと思うもののほかに外傷がないことから、『ただ靴を履いていないだけ』ということは安易に想像ができた。
そして―――

「……血が出てるから、ちょっとごめんね」

座席に膝をつき、応急処置のためにハンカチで足を包んでいく。
消毒薬もないことから血を抑えるくらいしかできないけど、何もしないよりはマシだろうとの判断だった。

「すみません……あの、車が汚れちゃうので…下ります」
「こんな状態で下ろせるわけないだろう。落ち着くまでここにいて」

慶の言葉に彼女は再び俯き、唇を噛んで黙り込んだ。

「……住所、教えてくれない? 送るから」

そう聞くものの、返事はない。

「言えない? じゃあ車を走らせるから、近くなったら教えて?」

その言葉に呼応するように車が動き出し、時間だけが過ぎていく。
そして一言も話さないまま二十分ほど経った頃、彼女が小さく声を発した。

「……ここで…お願いします」

窓の外を一度も見ずに言うその姿に、ここが本当に帰る場所ではないことは明らかだった。

(帰りたくない……のか。言う通りにすべきか悩むな)

そう直感した瞬間、彼女の目から再び涙があふれた。

「す、すみません……ごめんなさい……っ」

両手で必死に拭っても、次から次へとこぼれ落ちる。
たまらず彼女の肩を抱き寄せ、そっと背中を撫でた。

「落ち着くまで……泣いていい」

小さくしゃくりあげる声が耳に届く。
その声を抱きしめるように、運転手へ静かに指示を出した。

「……家に」
「かしこまりました」

車は進路を変え、目的地のない夜道から彼の自宅へと向かい始めたのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

溺愛彼氏は消防士!?

すずなり。
恋愛
彼氏から突然言われた言葉。 「別れよう。」 その言葉はちゃんと受け取ったけど、飲み込むことができない私は友達を呼び出してやけ酒を飲んだ。 飲み過ぎた帰り、イケメン消防士さんに助けられて・・・新しい恋が始まっていく。 「男ならキスの先をは期待させないとな。」 「俺とこの先・・・してみない?」 「もっと・・・甘い声を聞かせて・・?」 私の身は持つの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界と何ら関係はありません。 ※コメントや乾燥を受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…? この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

処理中です...