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番外編
番外編 ノーマとアンバーの逢瀬2
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※性的表現あり
——————
「ちょ、ちょっとアンバー様。俺まだ食べてるんですよ」
「ゆっくり食べていればいい」
まだ口の中のものをもぐもぐとしているノーマの背後から、アンバーが耳朶を噛みうなじに舌を這わせ、手は神官服の上から体を弄っている。
食べることに集中したいのに、アンバーの舌がぬるりと這うたびに、ノーマの背筋になんともいえぬ震えが走る。
「ん……」
腰のあたりに硬いものが当たっているのが分かり、ノーマは顔がカッと熱くなった。
自分はただ杏を食べているだけなのに……。
「アンバー様、あの…………」
「ん? なんだ」
ノーマの戸惑いなど無視し、音を立てて首の筋に吸い付いてくる。そして手を神官服の下から滑り込ませ、中の薄い肌着越しに体を弄り始めた。
「ここ……外…………」
「ああ。知ってる」
「……もう勃ってますね」
「……それも知ってる」
「…………」
ノーマは後ろ手でアンバーの股間をそっと触り、その大きさを確かめる。ノーマの手が這わされた瞬間、首筋にアンバーの熱い吐息がかかり、ノーマの体を弄る手にも力がこもった。
「……アンバー様」
「…ん? なんだ」
布越しとはいえ自身の逸物をぺたぺたと触られ、耐えるようにノーマを抱きしめる。
「……これは大きすぎて、今ここでは無理です。それに外では……」
「……………………ぐっ」
ガクリとノーマの背後で項垂れると、そのまま「はははっ」と笑いだした。
「相変わらずつれないな」
「……わ」
アンバーはノーマの体を抱きしめたまま、背の低い柔らかな草が敷き詰められた地面へゴロリと寝転んだ。耳のそばではチリチリという虫の声も聞こえる。
「……お前はいい匂いがして心地よい」
鼻先を髪に埋め匂いを嗅ぐアンバーに対し、ノーマもまた彼の胸元に顔を押し付けて、久方ぶりの匂いと体温を堪能する。
それにしても、腰のあたりではアンバーの逸物が硬いまま存在感を示しているのが、ノーマにはやはり気になってしまう。
「……アンバー様」
「ん、どうした」
「あ、あの……ここ…………」
「ああ……。当たっているか。じっとしておけばじきに収まる」
アンバーは腰の位置をずらしながら上半身を起き上がらせ、ノーマのこめかみあたりに唇を寄せ口づけを落とした。
「アンバー様」
胸の下からノーマが何か言いたそうにアンバーを見上げた。珍しく大きく見開いた上目遣いの愛らしい表情に、アンバーは目を細めた。そして滑らかな頬を親指でスリスリと撫でつつ、「どうした?」と問いかけた。
「あ、あの……」
「ん?」
「え、と……その、口で…………」
何やらもごもご言っていて、はっきりしない。
「どうした?」
「あ、あの、俺……俺がく、口で…………口でやります……」
そこまで口にすると、ノーマの顔は真っ赤に染まり、アンバーは目を見開いた。
「…………口でしてくれるのか?」
「……は、い…………」
自分で言っておいて恥ずかしくなったノーマが、隠れるように地面に顔を伏せた。
「……ノーマは、そういうことは苦手だっただろう。無理はしなくていい」
「ま、前まではそうでしたけど、アンバー様のなら、俺、平気です…………たぶん」
ノーマは地面に伏せたまま答えるが、耳は熱を帯びて真っ赤だ。
そんなノーマの言葉に、アンバーは耳を疑った。今まではどちらかといえば消極的で完全受け身だったノーマが、まさか口でやると言い出すとは……!
「……い、いいのか?」
ノーマが地面に伏せたままこくりと頷いた。
「……では、頼んだ……」
アンバーが驚愕した表情のまま体を起こすと、ノーマも恥ずかしそうに顔を俯かせたまま起き上がった。
胡座をかき前を寛げると、すでにガチガチに勃ち上がったものが目の前に現れ、ノーマは手を触れる前に一瞬怯んだ。
「ノーマ、口でやったことは?」
「……以前無理矢理なら……」
ノーマの喉がアンバーの筋の浮き立つ逸物を前にゴクリと鳴った。
「嫌な思いをしたのなら、無理はしなくていい」
やはりやめようとアンバーが下衣に手をかけると、それを制するようにさっと先端に口をつけた。
「……ノーマ!?」
ツルリとした先端に口づけると、竿がビクリと震え、アンバーから吐息が漏れる。
サリトールにいた頃、ノーマは一度だけ口淫を強要されたことがあった。その時はただ辛く気持ちが悪いだけで、終わったあと吐いてしまったが、アンバーのものにそんな嫌悪は全くない。
むしろ両思いとわかった今は、彼に奉仕をしたい、体にもっと触りたいとさえ思うようになった。
ちゅっと先端を口に含み、舌を這わす。鈴口に舌を差し込むと、アンバーがはぁーっと熱い息を漏らし、ノーマの頭を優しく撫でた。
「ノーマ、ここを」
先端ばかりをくちゅくちゅと舐めるノーマの手を、自身のどっしりとした陰嚢と太い竿に導く。
「……ん、そうだ。そうして擦ってくれ」
ちらちらとノーマがアンバーの顔を見ながら口と手を動かすのを、アンバーは熱のこもった瞳で見つめる。
あのノーマが口でなど、そう考えるだけでこうくるものがあり、単調でおぼつかない手技のもどかしさも、それがまた好い。
思わず喉の奥に突き込みたい欲望にかられるが、それをすればノーマは怯えて二度としてくれなくなるだろう。アンバーはなんとか気を落ち着けて、ゆるゆると腰を動かすだけに留める。
「……ん、アンバー、様、気持ちいいです?」
「……はぁ…………ああ、ノーマ、良い感じだ……」
アンバーのかすかな喘ぎの混じった吐息に、ノーマの腹の奥がぎゅんと疼く。夢中になって喉の奥に届くところまでアンバーの逸物を咥え込むが、あまりに大きすぎて口に入りきらず、一番太いあたりまでしか入らない。
「ん、む………ふぅ…………」
ノーマがきゅっと吸い込みながら頭を上下させると、頭を撫でるアンバーの手に力が入り、たまに強引にぎゅっと喉奥へ押しこみそうになるのを、理性でもってこらえていた。
「ノーマ……ノーマ…………」
「ん、んん…………」
そろそろ我慢できぬとアンバーはくちゅくちゅと一生懸命に舐めあげるノーマの手の上に自身の手を重ね、勢いよくしごきあげると、少し荒く腰を揺らし吐精に導く。
「んっ……! んん…………っ」
「……ノーマ……! もう口を離せ、……出すぞ」
アンバーの腹がビクビクと震え、もう少しで吐精かというとき、引き離そうとしたアンバーに逆らい、ノーマはその怒張を喉奥までぐぼっと突っ込んだ。
「………ぐっ………………!」
喉奥がぎゅっと締まり、止めることもできずそのままアンバーは精を放ち、おかげでノーマは盛大にむせることになった。
「……うっ、……ゲホッゲホッ」
「ノーマ! 大丈夫か!? だから離せと……ああ口の周りがべとべとだな……。湖で口元を洗おう」
ゲホゲホとむせるノーマの背中をさすりながら、抱いて湖に連れて行くと、手で水をすくい口元へ運ぶ。
「ほら、ノーマ。口を。だから離せと言ったのに」
「ゲホッ、す、すみません……アンバー様のものを吐き出してしまいました…………」
「……謝る必要はない。無理はしなくていいと言っただろう」
ノーマの口をゆすぐと、顔の周りや吐いたものが垂れた喉元なども持っていた手巾を濡らして、きれいに拭き取ってやる。
「ん、んんん」
「頑張ったな、ノーマ」
気遣いながらも頑張ったノーマを労り、しっかりと抱きしめると、ノーマも嬉しそうに微笑んだ。
「ちゃんとできて良かったです」
「ああ。気持ちがよかった。……ノーマ、お前は抜かなくて大丈夫か」
アンバーは抱きしめた手をノーマの下半身に伸ばすと、慌ててその手を押さえた。
「あ! お、俺は大丈夫です!」
「どうしてだ? 少し勃っているだろう」
「~~~~!」
ノーマの貞操観念は固い。本来外でそういう行為をするのには抵抗がある。
サリトールであんな奉仕をしていながらと思われるかもしれないが、あれは仕事と割り切っていたからこそできたわけで、今はそうではない。
口づけや少しくらいのふれあいなら大丈夫だが、やはり陰部を外で露出したりするのは恥ずかしい。
さっきの口淫だって、もちろんアンバーのモノを触りたいという欲望が勝ったというのもあるが、辛そうなアンバーのために精一杯の勇気を出したのだ。
(アンバー様もサーシャ様も、結構このへんゆるいよなぁ)
さっきだって躊躇いなく下衣を寛げてみせたアンバーに対し、ノーマは口淫するという行為を口にしただけで恥ずかしくて俯いてしまったというのに。
「ア、アンバー様……俺、やっぱり外では……ちょっと……」
ただ恥ずかしいというだけのノーマの態度は、アンバーから見れば、その恥じらう表情が愛らしく映り、思わず抱きしめたくなるものに変わる。
「……そうか。おまえが嫌ならそれでいい」
外で無理というノーマに、街の連れ込み宿が頭をよぎるが、さすがに自分の容姿は目立ちすぎる。
かと言って皇子宮に連れて行くのも、いろいろと見咎められ面倒だ。ノーマが神官になり正式に迎え入れるまでは、下手なことはしないほうがいい。
「ノーマ、次の昇格試験はいつだ」
「あ………、半年後です」
これまでも見習いの神官昇格試験はあったのだが、ノーマにはまだ受験資格がなかった。
最近になってようやく治癒の力をコントロールできるようになり、やっとその資格を得たばかりだ。
これにはノーマのために尽力してきたダイジュも安堵していたことだろう。
「そうか、半年後、我が皇子宮に迎え入れられる準備を整えよう」
「……! アンバー様!」
「それまでは、これを」
半年後の約束に少し緊張した面持ちのノーマに、アンバーは懐から細い銀の腕輪を取り出し、ノーマの腕にはめた。
「アンバー様、これ……」
花紋があしらわれたきれいな銀細工の腕輪に、ノーマは目を見開いて月明かりにかざす。
「この花紋は、皇子アンブリーテスの紋だ。急ぎ作らせた。サーシャもスルトに同じようなものを渡していると聞いてな。まあ所有印のようなものか」
「しょ、所有印、ですか……」
それを聞いてまたノーマは顔が熱くなるのを感じた。
「この紋と名がセットになっているものには、意味があってな。紋と名の両方がついたものは、本人以外持つことはできぬ。だから売ることもできぬし、許可なく持つ者には厳罰がくだる」
名に紋が与えられるのは貴人のみ。盗んだり勝手に売ることは重罪。もしもこれを落としても、必ず持ち主に戻ってくる仕組みだ。
「ここに、俺とノーマの名を彫っている。これで俺とお前の関係性が分かるから、もし何かあればこれを見せろ」
アンバーはそう何気ない、当たり前のような顔で言う。
だがノーマからしてみればとんでもないことで、そんな大変なものを貰ってしまい、内心銀細工の重みに皇子の伴侶になる重圧を感じつつ、しばらくその自身の名が刻まれた美しい腕輪を眺めていた。
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「ちょ、ちょっとアンバー様。俺まだ食べてるんですよ」
「ゆっくり食べていればいい」
まだ口の中のものをもぐもぐとしているノーマの背後から、アンバーが耳朶を噛みうなじに舌を這わせ、手は神官服の上から体を弄っている。
食べることに集中したいのに、アンバーの舌がぬるりと這うたびに、ノーマの背筋になんともいえぬ震えが走る。
「ん……」
腰のあたりに硬いものが当たっているのが分かり、ノーマは顔がカッと熱くなった。
自分はただ杏を食べているだけなのに……。
「アンバー様、あの…………」
「ん? なんだ」
ノーマの戸惑いなど無視し、音を立てて首の筋に吸い付いてくる。そして手を神官服の下から滑り込ませ、中の薄い肌着越しに体を弄り始めた。
「ここ……外…………」
「ああ。知ってる」
「……もう勃ってますね」
「……それも知ってる」
「…………」
ノーマは後ろ手でアンバーの股間をそっと触り、その大きさを確かめる。ノーマの手が這わされた瞬間、首筋にアンバーの熱い吐息がかかり、ノーマの体を弄る手にも力がこもった。
「……アンバー様」
「…ん? なんだ」
布越しとはいえ自身の逸物をぺたぺたと触られ、耐えるようにノーマを抱きしめる。
「……これは大きすぎて、今ここでは無理です。それに外では……」
「……………………ぐっ」
ガクリとノーマの背後で項垂れると、そのまま「はははっ」と笑いだした。
「相変わらずつれないな」
「……わ」
アンバーはノーマの体を抱きしめたまま、背の低い柔らかな草が敷き詰められた地面へゴロリと寝転んだ。耳のそばではチリチリという虫の声も聞こえる。
「……お前はいい匂いがして心地よい」
鼻先を髪に埋め匂いを嗅ぐアンバーに対し、ノーマもまた彼の胸元に顔を押し付けて、久方ぶりの匂いと体温を堪能する。
それにしても、腰のあたりではアンバーの逸物が硬いまま存在感を示しているのが、ノーマにはやはり気になってしまう。
「……アンバー様」
「ん、どうした」
「あ、あの……ここ…………」
「ああ……。当たっているか。じっとしておけばじきに収まる」
アンバーは腰の位置をずらしながら上半身を起き上がらせ、ノーマのこめかみあたりに唇を寄せ口づけを落とした。
「アンバー様」
胸の下からノーマが何か言いたそうにアンバーを見上げた。珍しく大きく見開いた上目遣いの愛らしい表情に、アンバーは目を細めた。そして滑らかな頬を親指でスリスリと撫でつつ、「どうした?」と問いかけた。
「あ、あの……」
「ん?」
「え、と……その、口で…………」
何やらもごもご言っていて、はっきりしない。
「どうした?」
「あ、あの、俺……俺がく、口で…………口でやります……」
そこまで口にすると、ノーマの顔は真っ赤に染まり、アンバーは目を見開いた。
「…………口でしてくれるのか?」
「……は、い…………」
自分で言っておいて恥ずかしくなったノーマが、隠れるように地面に顔を伏せた。
「……ノーマは、そういうことは苦手だっただろう。無理はしなくていい」
「ま、前まではそうでしたけど、アンバー様のなら、俺、平気です…………たぶん」
ノーマは地面に伏せたまま答えるが、耳は熱を帯びて真っ赤だ。
そんなノーマの言葉に、アンバーは耳を疑った。今まではどちらかといえば消極的で完全受け身だったノーマが、まさか口でやると言い出すとは……!
「……い、いいのか?」
ノーマが地面に伏せたままこくりと頷いた。
「……では、頼んだ……」
アンバーが驚愕した表情のまま体を起こすと、ノーマも恥ずかしそうに顔を俯かせたまま起き上がった。
胡座をかき前を寛げると、すでにガチガチに勃ち上がったものが目の前に現れ、ノーマは手を触れる前に一瞬怯んだ。
「ノーマ、口でやったことは?」
「……以前無理矢理なら……」
ノーマの喉がアンバーの筋の浮き立つ逸物を前にゴクリと鳴った。
「嫌な思いをしたのなら、無理はしなくていい」
やはりやめようとアンバーが下衣に手をかけると、それを制するようにさっと先端に口をつけた。
「……ノーマ!?」
ツルリとした先端に口づけると、竿がビクリと震え、アンバーから吐息が漏れる。
サリトールにいた頃、ノーマは一度だけ口淫を強要されたことがあった。その時はただ辛く気持ちが悪いだけで、終わったあと吐いてしまったが、アンバーのものにそんな嫌悪は全くない。
むしろ両思いとわかった今は、彼に奉仕をしたい、体にもっと触りたいとさえ思うようになった。
ちゅっと先端を口に含み、舌を這わす。鈴口に舌を差し込むと、アンバーがはぁーっと熱い息を漏らし、ノーマの頭を優しく撫でた。
「ノーマ、ここを」
先端ばかりをくちゅくちゅと舐めるノーマの手を、自身のどっしりとした陰嚢と太い竿に導く。
「……ん、そうだ。そうして擦ってくれ」
ちらちらとノーマがアンバーの顔を見ながら口と手を動かすのを、アンバーは熱のこもった瞳で見つめる。
あのノーマが口でなど、そう考えるだけでこうくるものがあり、単調でおぼつかない手技のもどかしさも、それがまた好い。
思わず喉の奥に突き込みたい欲望にかられるが、それをすればノーマは怯えて二度としてくれなくなるだろう。アンバーはなんとか気を落ち着けて、ゆるゆると腰を動かすだけに留める。
「……ん、アンバー、様、気持ちいいです?」
「……はぁ…………ああ、ノーマ、良い感じだ……」
アンバーのかすかな喘ぎの混じった吐息に、ノーマの腹の奥がぎゅんと疼く。夢中になって喉の奥に届くところまでアンバーの逸物を咥え込むが、あまりに大きすぎて口に入りきらず、一番太いあたりまでしか入らない。
「ん、む………ふぅ…………」
ノーマがきゅっと吸い込みながら頭を上下させると、頭を撫でるアンバーの手に力が入り、たまに強引にぎゅっと喉奥へ押しこみそうになるのを、理性でもってこらえていた。
「ノーマ……ノーマ…………」
「ん、んん…………」
そろそろ我慢できぬとアンバーはくちゅくちゅと一生懸命に舐めあげるノーマの手の上に自身の手を重ね、勢いよくしごきあげると、少し荒く腰を揺らし吐精に導く。
「んっ……! んん…………っ」
「……ノーマ……! もう口を離せ、……出すぞ」
アンバーの腹がビクビクと震え、もう少しで吐精かというとき、引き離そうとしたアンバーに逆らい、ノーマはその怒張を喉奥までぐぼっと突っ込んだ。
「………ぐっ………………!」
喉奥がぎゅっと締まり、止めることもできずそのままアンバーは精を放ち、おかげでノーマは盛大にむせることになった。
「……うっ、……ゲホッゲホッ」
「ノーマ! 大丈夫か!? だから離せと……ああ口の周りがべとべとだな……。湖で口元を洗おう」
ゲホゲホとむせるノーマの背中をさすりながら、抱いて湖に連れて行くと、手で水をすくい口元へ運ぶ。
「ほら、ノーマ。口を。だから離せと言ったのに」
「ゲホッ、す、すみません……アンバー様のものを吐き出してしまいました…………」
「……謝る必要はない。無理はしなくていいと言っただろう」
ノーマの口をゆすぐと、顔の周りや吐いたものが垂れた喉元なども持っていた手巾を濡らして、きれいに拭き取ってやる。
「ん、んんん」
「頑張ったな、ノーマ」
気遣いながらも頑張ったノーマを労り、しっかりと抱きしめると、ノーマも嬉しそうに微笑んだ。
「ちゃんとできて良かったです」
「ああ。気持ちがよかった。……ノーマ、お前は抜かなくて大丈夫か」
アンバーは抱きしめた手をノーマの下半身に伸ばすと、慌ててその手を押さえた。
「あ! お、俺は大丈夫です!」
「どうしてだ? 少し勃っているだろう」
「~~~~!」
ノーマの貞操観念は固い。本来外でそういう行為をするのには抵抗がある。
サリトールであんな奉仕をしていながらと思われるかもしれないが、あれは仕事と割り切っていたからこそできたわけで、今はそうではない。
口づけや少しくらいのふれあいなら大丈夫だが、やはり陰部を外で露出したりするのは恥ずかしい。
さっきの口淫だって、もちろんアンバーのモノを触りたいという欲望が勝ったというのもあるが、辛そうなアンバーのために精一杯の勇気を出したのだ。
(アンバー様もサーシャ様も、結構このへんゆるいよなぁ)
さっきだって躊躇いなく下衣を寛げてみせたアンバーに対し、ノーマは口淫するという行為を口にしただけで恥ずかしくて俯いてしまったというのに。
「ア、アンバー様……俺、やっぱり外では……ちょっと……」
ただ恥ずかしいというだけのノーマの態度は、アンバーから見れば、その恥じらう表情が愛らしく映り、思わず抱きしめたくなるものに変わる。
「……そうか。おまえが嫌ならそれでいい」
外で無理というノーマに、街の連れ込み宿が頭をよぎるが、さすがに自分の容姿は目立ちすぎる。
かと言って皇子宮に連れて行くのも、いろいろと見咎められ面倒だ。ノーマが神官になり正式に迎え入れるまでは、下手なことはしないほうがいい。
「ノーマ、次の昇格試験はいつだ」
「あ………、半年後です」
これまでも見習いの神官昇格試験はあったのだが、ノーマにはまだ受験資格がなかった。
最近になってようやく治癒の力をコントロールできるようになり、やっとその資格を得たばかりだ。
これにはノーマのために尽力してきたダイジュも安堵していたことだろう。
「そうか、半年後、我が皇子宮に迎え入れられる準備を整えよう」
「……! アンバー様!」
「それまでは、これを」
半年後の約束に少し緊張した面持ちのノーマに、アンバーは懐から細い銀の腕輪を取り出し、ノーマの腕にはめた。
「アンバー様、これ……」
花紋があしらわれたきれいな銀細工の腕輪に、ノーマは目を見開いて月明かりにかざす。
「この花紋は、皇子アンブリーテスの紋だ。急ぎ作らせた。サーシャもスルトに同じようなものを渡していると聞いてな。まあ所有印のようなものか」
「しょ、所有印、ですか……」
それを聞いてまたノーマは顔が熱くなるのを感じた。
「この紋と名がセットになっているものには、意味があってな。紋と名の両方がついたものは、本人以外持つことはできぬ。だから売ることもできぬし、許可なく持つ者には厳罰がくだる」
名に紋が与えられるのは貴人のみ。盗んだり勝手に売ることは重罪。もしもこれを落としても、必ず持ち主に戻ってくる仕組みだ。
「ここに、俺とノーマの名を彫っている。これで俺とお前の関係性が分かるから、もし何かあればこれを見せろ」
アンバーはそう何気ない、当たり前のような顔で言う。
だがノーマからしてみればとんでもないことで、そんな大変なものを貰ってしまい、内心銀細工の重みに皇子の伴侶になる重圧を感じつつ、しばらくその自身の名が刻まれた美しい腕輪を眺めていた。
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