110 / 135
第3章4部
伝染
しおりを挟む
惨状はひどいものだった。
襲来した未知の存在により、学園内は混乱の渦といえるだろう。
砂埃舞う先の建造物は見る影もないほどに崩壊していて、其処彼処《そこかしこ》にはケガ人が横たわっていた。
泣き喚く者、現状に放心する者、救援に声を張り上げる者たちの中を、セリカは一直線に駆け抜けていく。
「なんて強い気だ。これはオルジじゃなくても気配を察知できるレベルだな。」
禍々しい気配は近づくほどに濃くなっていく。
まるで誘《いざな》われているかのようにその中心であろう場所に辿り着いたセリカは、フワリと揺れる甘い匂いに気が付いた。
ガキィィン!と金属がぶつかる音が響く。それは刹那に形成した氷剣と、今まさにセリカの首を掻き切ろうとした鋭い爪とぶつかり合う音だった。
「さすがの反応。首をぶった切ってやろうと思ったのに。」
背後に向かって肘を打ち出したが、それは華麗に避けられセリカは距離を取る。
透けた黒のベールで身を包んでいる目の前の女に面識はない。艶っぽく施されたメイクは滲みよれていて、目の下にはハッキリとクマが浮いていた。
距離を取っているにも関わらず、まるで喉元に切っ先を突き付けられているほどに鋭い殺意がヒシヒシと伝わってくる。
「はじめまして、セリカ・アーツベルク。」
(はじめまして?)
セリカは違和感を覚えた。確かに面識はない。しかし目の前の女をセリカは知っているような気がしたからだ。
「誰だ。」
「私はシトリー・キィミラーよ。私たちは初対面だけど、あなたのことをよーく知っているわ。」
ペロリと舌なめずりするシトリーは妖しく笑う。しかし、その目の奥には激しい憎悪の感情をにじませていた。
「私に何の用だ?」
「大事なものを奪われたお礼ってとこかしら。」
「大事なもの?私とお前は初対面だぞ。」
「ええ。それでもあなたは奪った。私から、何もかも。」
シトリーの憎悪が膨れていく。警戒を強めたセリカの目の前でシトリーは忽然と姿を消した。
「!」
急いで周囲を見渡したが気配すら感じない。
傾きかけた陽がゆっくりと差した時、セリカの腕から突然血が噴き出した。
「っ・・・!!」
手に持った氷剣で反撃するもそれは空を切った。
身構えるセリカの目の前に、既にシトリーの姿は無かった。
「この気配はやっぱり・・・。」
セリカが確信を得た時、再び甘い匂いが鼻孔をくすぐった。
「そう、あなたが殺したイカゲの魔法よ。私はイカゲを使役していた咎人なの。」
目にもとまらぬ速さでシトリーは背後からセリカを羽交い絞めにする。そして鋭く尖った爪でセリカの頬を優しく撫でた。
「っ・・・!!」
「イカゲはね、柱石五妖魔《スキャプティレイト》といって、優秀で強力な霊魔を指すジェネラルの1人だったの。その柱石五妖魔《スキャプティレイト》を使役する咎人は、それ以上の称賛を与えられ崇高されるわ。」
優しい口調にも関わらずセリカを締め上げる力は徐々に強まっていく。
「私は虚空界《ボイド》で確立した地位を得ていた。私に陶酔していたイカゲは私の手足同然。それを、お前が消したのよ。」
(くっ・・・こいつ、びくともしない・・・!!)
その華奢な細い腕からは想像もできない力で、シトリーは確実にセリカの首を絞めていく。
「イカゲを失った私は虚空界《ボイド》で居場所を失った。でもね、それでもよかったの。私が本当に欲しい居場所はあの人の隣だったから。」
「は、な・・・せ・・・!」
「放っておいても男が付いてくる人生の中で、縋ったのは彼が初めてだった。それほどにいい男だった。」
男を思い出しウットリとするシトリーは、しかし力を緩めることはない。
「彼さえいればよかったの。なのに、なのに・・・」
「なに、を・・・言っている・・・!?」
「居なくなった・・・あんなに愛し合ったのに・・・何度も何度も私の中で果てたのに・・・」
シトリーは勢いよく体勢を変えセリカを真正面に捉える。今にも密着しそうなほどに顔を近づければ、激しくセリカを揺すぶった。
「ねぇ・・・お前は口づけを交わしたの?」
「え・・・?」
「いつゼロと知り合った?ゼロとどんな話をした?ゼロと何度寝た!?」
「な、にを・・・、言って、いることが・・・」
「何度ゼロとキスをしたっ・・・!!!?」
片手でセリカを持ち上げたシトリーはもう片方の手で石をつぶす。粉々になった石は微細な光をいくつも放ち手の中で震えはじめた。
「貫いてやるわ。体も顔も。」
血走った眼にもがく自分が映る。シトリーの拳が身体を貫こうとする瞬間、セリカはありったけの声を張り上げた。
「来いっ!焔鴉《カウ》ッ!!」
シトリーの背後に鋭利な炎が発現されると、それは凄まじいスピードで飛び出した。
「フンッ・・・!!」
セリカを離したシトリーは再び姿を消す。束の間に得られた酸素をセリカは貪るように吸い込んだ。
「知っているわよ。あなた、水精霊《ウンディーネ》と火精霊《サラマンダー》を扱えるのよね。すべてイカゲから教えてもらったわ。」
「く・・・どこだ・・・!」
「すべて分かるわ。あなたの動きもクセもすべてお見通しよ。」
肩から血が噴き出す。背後から切り付けられた攻撃にセリカは狼狽えながらも反撃に転じる。しかし、それは完全に見切られていた。
僅かな空気の揺れに咄嗟に身構える。しかし、セリカは思いきり蹴りつけられ隅の瓦礫に叩きつけられた。
「ご、ほっ・・・!!な、んで・・・」
「不思議でしょう。どうして動きがすべて読まれているか。」
「く・・・っ・・・!」
「それはね、イカゲが私に還ってきたからよ。」
「か、えった・・・?」
「ええ。咎人に使役されていた霊魔が殺されるとね、それはすべて記憶として咎人に還ってくるの。イカゲの時間がすべて私に蓄積される。だからあなたと戦ったイカゲの記憶はすべてここにあるってこと。」
ゆっくりと姿を現したシトリーは、そう言って頭から首へと身体をなぞった。
「さらにこんなこともできるのよ。」
シトリーは手のひらに握っていた粉々の石をフゥ―っと吹いて見せる。それはたちまち周囲に広がり怪しく渦巻き始めた。
「痛いわよね。怖いわよね。どうしてケガをしているの?どうして人が倒れているの?どうしてこんな目に遭っているの?
それはね、このセリカ・アーツベルクのせいなの。彼女があなたたちの平穏を壊したのよ。」
渦巻いた煙の先から複数の人影がゆっくりと近づいてくる。それはセリカがここに来る途中に居た生徒や一般市民だった。誰もが虚ろな目をしてセリカを見ている。
「なっ・・・!??」
「あぁ、彼らたちの恐怖や悲哀の感情がヒシヒシと伝わってくる。さぁ、その感情をぶつけましょう。私が手を貸してあげる。さぁ、コイツを殺しましょう。」
シトリーが指を弾く。それを合図に人々は一斉にセリカに襲い掛かった。
「お前っ・・・、何をしたっ・・・!?」
次々と襲い来る攻撃に手も足も出せないセリカはひたすら避け続けることしかできない。しかし、その間にも苦悶に満ちた人々はどんどんと増加していった。
「負の感情を利用しただけよ。魔術師《ウィザード》でも無い奴らを操るなんて造作でもないわ。」
「この人たちは関係ないはずだ!元に戻せっ!」
「そいつらを救いたいなら、あなたが犠牲になればいいのよ。」
「犠牲を生むことで救われる感情なんて本当の救済なんて言えない!」
「あら、そんなことないわよ。現にそいつらの原動力は苦しみから解放されたいという一方的な感情からきているのだから。」
「何だと・・・!?」
「人ってね、「嬉しい」や「楽しい」の感情よりも「怖い」、「悲しい」、「妬ましい」、「苦しい」という不快な感情に反応しやすいの。だから楽しい夢より怖い夢の方が覚えているでしょ?恐ろしい体験を2度起こさないように自衛するでしょう?恐ろしい現実が自分に向かないよう、目を逸らすでしょう?
負の感情を得た人間はそれをどうにか逃がそうとあらゆる行動をとる。今回もそれ。そいつらは自分が助かれば他の犠牲なんて関係ないと思っている。だから咎人に付け込まれ、こうやって簡単に操られてしまうの。」
セリカへの攻撃は止まない。さらにぶつかり合う憎悪が徐々に広がりはじめた時、ひしめき合う人々は互いを攻撃対象へと変えはじめていった。
そこに大人も子どもも老人も関係ない。手にした武器で、時には己の拳で、我を忘れた人々は互いを傷つけ暴走していく。
「や、やめ・・・ろっ・・・!!目を覚ませっ!」
「フフフ・・・醜い、醜いわ!さぁ、殺せ、殺し合えっ!!」
「やめろ、やめさせてくれっ!」
「アハハハハハッ!!さぁ、我が半身を殺した報いを受けなさい、セリカ・アーツベルクッ!!」
ニッコリと嗤うシトリーはさらに石を砕き、それを頭上へ投げ飛ばした。
襲来した未知の存在により、学園内は混乱の渦といえるだろう。
砂埃舞う先の建造物は見る影もないほどに崩壊していて、其処彼処《そこかしこ》にはケガ人が横たわっていた。
泣き喚く者、現状に放心する者、救援に声を張り上げる者たちの中を、セリカは一直線に駆け抜けていく。
「なんて強い気だ。これはオルジじゃなくても気配を察知できるレベルだな。」
禍々しい気配は近づくほどに濃くなっていく。
まるで誘《いざな》われているかのようにその中心であろう場所に辿り着いたセリカは、フワリと揺れる甘い匂いに気が付いた。
ガキィィン!と金属がぶつかる音が響く。それは刹那に形成した氷剣と、今まさにセリカの首を掻き切ろうとした鋭い爪とぶつかり合う音だった。
「さすがの反応。首をぶった切ってやろうと思ったのに。」
背後に向かって肘を打ち出したが、それは華麗に避けられセリカは距離を取る。
透けた黒のベールで身を包んでいる目の前の女に面識はない。艶っぽく施されたメイクは滲みよれていて、目の下にはハッキリとクマが浮いていた。
距離を取っているにも関わらず、まるで喉元に切っ先を突き付けられているほどに鋭い殺意がヒシヒシと伝わってくる。
「はじめまして、セリカ・アーツベルク。」
(はじめまして?)
セリカは違和感を覚えた。確かに面識はない。しかし目の前の女をセリカは知っているような気がしたからだ。
「誰だ。」
「私はシトリー・キィミラーよ。私たちは初対面だけど、あなたのことをよーく知っているわ。」
ペロリと舌なめずりするシトリーは妖しく笑う。しかし、その目の奥には激しい憎悪の感情をにじませていた。
「私に何の用だ?」
「大事なものを奪われたお礼ってとこかしら。」
「大事なもの?私とお前は初対面だぞ。」
「ええ。それでもあなたは奪った。私から、何もかも。」
シトリーの憎悪が膨れていく。警戒を強めたセリカの目の前でシトリーは忽然と姿を消した。
「!」
急いで周囲を見渡したが気配すら感じない。
傾きかけた陽がゆっくりと差した時、セリカの腕から突然血が噴き出した。
「っ・・・!!」
手に持った氷剣で反撃するもそれは空を切った。
身構えるセリカの目の前に、既にシトリーの姿は無かった。
「この気配はやっぱり・・・。」
セリカが確信を得た時、再び甘い匂いが鼻孔をくすぐった。
「そう、あなたが殺したイカゲの魔法よ。私はイカゲを使役していた咎人なの。」
目にもとまらぬ速さでシトリーは背後からセリカを羽交い絞めにする。そして鋭く尖った爪でセリカの頬を優しく撫でた。
「っ・・・!!」
「イカゲはね、柱石五妖魔《スキャプティレイト》といって、優秀で強力な霊魔を指すジェネラルの1人だったの。その柱石五妖魔《スキャプティレイト》を使役する咎人は、それ以上の称賛を与えられ崇高されるわ。」
優しい口調にも関わらずセリカを締め上げる力は徐々に強まっていく。
「私は虚空界《ボイド》で確立した地位を得ていた。私に陶酔していたイカゲは私の手足同然。それを、お前が消したのよ。」
(くっ・・・こいつ、びくともしない・・・!!)
その華奢な細い腕からは想像もできない力で、シトリーは確実にセリカの首を絞めていく。
「イカゲを失った私は虚空界《ボイド》で居場所を失った。でもね、それでもよかったの。私が本当に欲しい居場所はあの人の隣だったから。」
「は、な・・・せ・・・!」
「放っておいても男が付いてくる人生の中で、縋ったのは彼が初めてだった。それほどにいい男だった。」
男を思い出しウットリとするシトリーは、しかし力を緩めることはない。
「彼さえいればよかったの。なのに、なのに・・・」
「なに、を・・・言っている・・・!?」
「居なくなった・・・あんなに愛し合ったのに・・・何度も何度も私の中で果てたのに・・・」
シトリーは勢いよく体勢を変えセリカを真正面に捉える。今にも密着しそうなほどに顔を近づければ、激しくセリカを揺すぶった。
「ねぇ・・・お前は口づけを交わしたの?」
「え・・・?」
「いつゼロと知り合った?ゼロとどんな話をした?ゼロと何度寝た!?」
「な、にを・・・、言って、いることが・・・」
「何度ゼロとキスをしたっ・・・!!!?」
片手でセリカを持ち上げたシトリーはもう片方の手で石をつぶす。粉々になった石は微細な光をいくつも放ち手の中で震えはじめた。
「貫いてやるわ。体も顔も。」
血走った眼にもがく自分が映る。シトリーの拳が身体を貫こうとする瞬間、セリカはありったけの声を張り上げた。
「来いっ!焔鴉《カウ》ッ!!」
シトリーの背後に鋭利な炎が発現されると、それは凄まじいスピードで飛び出した。
「フンッ・・・!!」
セリカを離したシトリーは再び姿を消す。束の間に得られた酸素をセリカは貪るように吸い込んだ。
「知っているわよ。あなた、水精霊《ウンディーネ》と火精霊《サラマンダー》を扱えるのよね。すべてイカゲから教えてもらったわ。」
「く・・・どこだ・・・!」
「すべて分かるわ。あなたの動きもクセもすべてお見通しよ。」
肩から血が噴き出す。背後から切り付けられた攻撃にセリカは狼狽えながらも反撃に転じる。しかし、それは完全に見切られていた。
僅かな空気の揺れに咄嗟に身構える。しかし、セリカは思いきり蹴りつけられ隅の瓦礫に叩きつけられた。
「ご、ほっ・・・!!な、んで・・・」
「不思議でしょう。どうして動きがすべて読まれているか。」
「く・・・っ・・・!」
「それはね、イカゲが私に還ってきたからよ。」
「か、えった・・・?」
「ええ。咎人に使役されていた霊魔が殺されるとね、それはすべて記憶として咎人に還ってくるの。イカゲの時間がすべて私に蓄積される。だからあなたと戦ったイカゲの記憶はすべてここにあるってこと。」
ゆっくりと姿を現したシトリーは、そう言って頭から首へと身体をなぞった。
「さらにこんなこともできるのよ。」
シトリーは手のひらに握っていた粉々の石をフゥ―っと吹いて見せる。それはたちまち周囲に広がり怪しく渦巻き始めた。
「痛いわよね。怖いわよね。どうしてケガをしているの?どうして人が倒れているの?どうしてこんな目に遭っているの?
それはね、このセリカ・アーツベルクのせいなの。彼女があなたたちの平穏を壊したのよ。」
渦巻いた煙の先から複数の人影がゆっくりと近づいてくる。それはセリカがここに来る途中に居た生徒や一般市民だった。誰もが虚ろな目をしてセリカを見ている。
「なっ・・・!??」
「あぁ、彼らたちの恐怖や悲哀の感情がヒシヒシと伝わってくる。さぁ、その感情をぶつけましょう。私が手を貸してあげる。さぁ、コイツを殺しましょう。」
シトリーが指を弾く。それを合図に人々は一斉にセリカに襲い掛かった。
「お前っ・・・、何をしたっ・・・!?」
次々と襲い来る攻撃に手も足も出せないセリカはひたすら避け続けることしかできない。しかし、その間にも苦悶に満ちた人々はどんどんと増加していった。
「負の感情を利用しただけよ。魔術師《ウィザード》でも無い奴らを操るなんて造作でもないわ。」
「この人たちは関係ないはずだ!元に戻せっ!」
「そいつらを救いたいなら、あなたが犠牲になればいいのよ。」
「犠牲を生むことで救われる感情なんて本当の救済なんて言えない!」
「あら、そんなことないわよ。現にそいつらの原動力は苦しみから解放されたいという一方的な感情からきているのだから。」
「何だと・・・!?」
「人ってね、「嬉しい」や「楽しい」の感情よりも「怖い」、「悲しい」、「妬ましい」、「苦しい」という不快な感情に反応しやすいの。だから楽しい夢より怖い夢の方が覚えているでしょ?恐ろしい体験を2度起こさないように自衛するでしょう?恐ろしい現実が自分に向かないよう、目を逸らすでしょう?
負の感情を得た人間はそれをどうにか逃がそうとあらゆる行動をとる。今回もそれ。そいつらは自分が助かれば他の犠牲なんて関係ないと思っている。だから咎人に付け込まれ、こうやって簡単に操られてしまうの。」
セリカへの攻撃は止まない。さらにぶつかり合う憎悪が徐々に広がりはじめた時、ひしめき合う人々は互いを攻撃対象へと変えはじめていった。
そこに大人も子どもも老人も関係ない。手にした武器で、時には己の拳で、我を忘れた人々は互いを傷つけ暴走していく。
「や、やめ・・・ろっ・・・!!目を覚ませっ!」
「フフフ・・・醜い、醜いわ!さぁ、殺せ、殺し合えっ!!」
「やめろ、やめさせてくれっ!」
「アハハハハハッ!!さぁ、我が半身を殺した報いを受けなさい、セリカ・アーツベルクッ!!」
ニッコリと嗤うシトリーはさらに石を砕き、それを頭上へ投げ飛ばした。
0
あなたにおすすめの小説
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。
彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。
彼女は思った。
(今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。
今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
【第一章改稿中】転生したヒロインと、人と魔の物語 ~召喚された勇者は前世の夫と息子でした~
田尾風香
ファンタジー
ある日、リィカの住む村が大量の魔物に襲われた。恐怖から魔力を暴走させそうになったとき前世の記憶が蘇り、奇跡的に暴走を制御する。その後、国立の学園へと入学。王族や貴族と遭遇しつつも無事に一年が過ぎたとき、魔王が誕生した。そして、召喚された勇者が、前世の夫と息子であったことに驚くことになる。
【改稿】2026/01/01、第一章の36話までを大幅改稿しました。
これまで一人称だった第一章を三人称へと改稿。その後の話も徐々に三人称へ改稿していきます。話の展開など色々変わっていますが、大きな話の流れは変更ありません。
・都合により、リィカの前世「凪沙」を「渚沙」へ変更していきます(徐々に変更予定)。
・12から16話までにあったレーナニアの過去編は、第十六章(第二部)へ移動となりました。
転生皇女はフライパンで生き延びる
渡里あずま
恋愛
平民の母から生まれた皇女・クララベル。
使用人として生きてきた彼女だったが、蛮族との戦に勝利した辺境伯・ウィラードに下賜されることになった。
……だが、クララベルは五歳の時に思い出していた。
自分は家族に恵まれずに死んだ日本人で、ここはウィラードを主人公にした小説の世界だと。
そして自分は、父である皇帝の差し金でウィラードの弱みを握る為に殺され、小説冒頭で死体として登場するのだと。
「大丈夫。何回も、シミュレーションしてきたわ……絶対に、生き残る。そして本当に、辺境伯に嫁ぐわよ!」
※※※
死にかけて、辛い前世と殺されることを思い出した主人公が、生き延びて幸せになろうとする話。
※重複投稿作品※
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる