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107 僕はどうなるの
しおりを挟む「だ、そうだがどうなんだ」
「どうって、まだそこまでは考えてもいなかったので」
返答に詰まる。
チョコちゃんパパはあからさまな呆れ顔になった。
「あのな、他人様の娘と婚約したいと抜かしておきながらまだそこまでは考えていないだとぉ。ふざけるなよ。中学三年生ならもう女の子が気になって気になって仕方ないはずだ。そうだろう」
「そうです。でも」
「でも何だ」
「チョコ……音理さんだけです。気になるのは」
「嘘じゃないだろうな。で、エッチしたいのか」
「いえ、だからそこまでは」
「嘘をつくな」
「嘘では……」
「お父さん、お父さんってばよ。自分が中学生の時にそうだったからって波流君まで一緒と思うわけ」
「じゃあ何なんだ、お前らの婚約は。音理は女の子とエッチしたいと言いながら波流君と婚約すると言い張って。波流君も音理と婚約したいと言いながらエッチまでは考えていないと言うし、何なんだ、お前らは」
「お父さんはエッチエッチって、私たちはまだエッチの仕方もわからないのに」
チョコちゃんパパが僕を睨み付ける。すごい眼力。
「はい。わかりません。未経験です。僕は中学二年に上がると同時くらいから一年間間引きこもりで、そういう情報には疎くて……と言うかとわざと避けていたので……同じ年頃の男子よりも遅れているかもしれません」
「そうか。そうだな。情報って……違う。騙されないぞ。今の子供はスマホで何でも入手できるからな」
敵も去るもの引っ掻くもの。
しかし、本当だから、信じてもらうしかない。
「お父さん、僕を信じてください」
「お父さんだって……俺は、私は君にお父さん呼ばわりされる覚えはないぞ」
「お父さん。音理さんとはエッチしません。約束は守ります。だから音理さんとの付き合いを認めてください」
「ふん、認めろって。あのな、な、音理。音理はレズビアンだよな」
「うん。レズビアンだよ」
「ぼ、僕はどうなるの」
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