壁穴屋

うしお

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ティロドミアの街

ティロドミアの街 26

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「……たか?」

「んー、まだダメそー」

遠くから、誰かの声が聞こえた気がした。
その声はすごく遠いところで響いているような気もするし、すぐ近くから聞こえているようにも聞こえる。
だが、薄布にくるまれているみたいに、どこかぼんやりしている俺にはわからない。

「さっさと起こせよ。のんきに寝かしておけるような時間はないぞ」

「んー、じゃあ、どうせだからコレで起こしてあげよっかなー」

「それを使うんですか?」

「うん、一回きれいにしたいからね」

「ああ、それがいいだろう」

ぼんやりとした意識の端で、男たちが何かを話しているのを聞いている。
頭も体も、すべてがふわふわとしているからなのか、言葉の意味がわからない。
ちゃんと耳から音は入ってきているのだが、それを聞いた頭が意味を理解できるまで回復していないようだった。

「それじゃあ、固定しててくれるかなー? 逃がさないようにしっかりだよ」

「いいぞ。さっさとやれ」

「はいっ、ばっちり押さえてますね!」

左右の足首と膝に力強い男たちの手を感じ、俺の股がぱかりと開かれたところで、ようやく何かがおかしいことに気が付いた。
ケツ穴に、何も入っていない。
闇の中に沈んでいた意識が、ゆっくりと浮上していく。

「……ぁ、ぇ……?」

「あっ、ヤバい! 起きちゃう! えいっ!」

「ん゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛ッッ」

ここは、どこだっただろうか。
そう思った瞬間、ケツ穴を一気に貫かれてイく。
ケツ穴の入口から奥の穴まで、スライム粘液でぬるぬるになったブラシが、容赦なく擦り抜けていった。
洗浄器だ。
あの洗浄器を、ブラシ状態のままで突っ込まれている。
それが理解できた瞬間に、ここがティロドミアの壁穴屋であることを思い出した。
ケツ穴にブラシを突っ込んだ男は、エルフ犬の青年と同じか、それ以上に容赦がなかった。
声を聞く限り、これは南国男の仕業だろう。
言動は軽い調子だが、恐らく、ひどいことをしてくる種類の男だ。
どこまでも暴力的な存在感のあるカシラとは、また違う方向に存在感があった。
見た目からは成人しているように見えたが、やけに子どもっぽいところがあるのだ。
無邪気というのか、捕まえた虫の羽をむしるような、そういう残酷さが。
そもそも、ここにくるような連中に、優しくしてもらおうと思うことが、間違いなのだろうけれど。
あまりにも激しい絶頂で、浮き上がろうとした腰が押さえつけられ、震える肉襞からあふれ出る快感をどこにも逃せない。
逃げられない快感にびくびくと痙攣しながら、いきなり捩じ込まれたブラシをちんぽと同じように締め付け、ケツの中だけでイき続ける。
ただ突っ込まれているだけで、擦られているわけでもないのに、イくのが止まらない。
ちくちくとするブラシの毛、一本一本にイかされている。

「ぁ゛、ひッッ、ひぃッッ、なんっ、なんれ……ッッ」

「ふーっ、よかった、間に合ったよー。やっぱり花瓶ちゃんのことは、コレで起こしてあげたかったからさー。勝手に起きる前に突っ込めてよかったー」

「うわっ、なんだか足が、すごいばたばたしてますよ。ちょっと獲れたての魚みたいですね」

戸惑う俺の声なんて聞こえないみたいに、男たちは会話を続ける。
そうしている間にも、俺のケツはバカみたいに震えて、ブラシをぎゅうぎゅう締めながらイきまくっているというのに、こいつらには俺の恥態が見えないのだろうか。
ひぃひぃ喘ぎながらイき続ける俺の腹を、大きな手がいきなり真上から押さえつけた。
腰を僅かに浮かせることさえ許さない、と言わんばかりの加減の無さだ。
しかも、その手の真下には、ケツ穴に突っ込まれたブラシがある。
それはつまり、と考えるより早く答えが出た。

「ぅ゛お゛ん゛ん゛ッッ」

上から強く押し込まれた腹の内側に、容赦なくブラシが突き刺さった。
ただでさえ、気持ちよくてたまらなかったブラシの毛先が、肉襞に思いきり突き刺さっている。
内側に抱え込んだものがある状態で、上から力をかけられればそうなるのは当然だ。
ブラシの毛先は、あまり長くはないのだが、やわらかな肉襞を狂わせるのには充分な長さを持っている。
ブラシが蕩けた肉襞に突き刺さる甘い痛みよりも、はるかに強くて快感が俺を絶頂まで打ち上げた。
足も腰も押さえられてしまった俺は、暴れて快感を逃がすことなどできず、すべての快感を真っ正面から受け止めることしか許されない。
苦しいくらいに気持ちよくて、狂ったようにイき続ける。
気絶する前よりも、俺のケツ穴は敏感になっているようだ。
意識がない間に、一体、何があったのだろうか。

「それなら、練習に丁度いいだろう。しっかり押さえる練習をしておけ。ここから、かなり暴れるはずだぞ」

「え? そうなんですか?」

「そりゃそうでしょ。だーって、これから花瓶ちゃんの淫乱マンコをごしごしするお掃除タイムのはじまりなんだよー? ど淫乱の雑魚マゾマンコな花瓶ちゃんが、平気でいられるわけがないよね? そうでしょ、花瓶ちゃん? 雑魚マンコにこーんなことされちゃったらさー、がまんなんてできないよねー?」

「ん゛ほぉお゛お゛ぉお゛お゛ぉお゛ん゛ッッ」

一気に引き抜かれたブラシが、ざりゅりゅりゅっと肉襞を逆撫でた。
それだけでも充分すぎるほど気持ちいいのに、抜かれたブラシはそのままケツ穴の奥の奥まで戻ってくる。
そして、そのまま動きはじめたブラシは止まらない。

「ほら、いいの? ちゃんと答えないと、雑魚マンコをぴかぴかにするまで止まらないよー」

俺のケツ穴をブラシで磨きはじめた南国男が、楽しそうに笑って言った。
わかってる。
これは、もう止まらないやつだ。
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