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同じ時刻に…

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フランシスのシャロンとの浮気がばれてしまったランベール家では、昔からの親友ローラン家のフォスティヌの婚約解消をどう切り出せばいいのか…この先、友好関係が出来るのか悩むフランシスの父親は悩み続けていた。
その同じ時刻、フォスティヌは屋敷へ帰ってくると自分の部屋でフランシスからプレゼントしてもらったピンク色の花の形をしたブローチを袋から取り出し手に取って眺めていた。
「……今日は、色んな事があったけれど楽しかった…先輩の名前も分かったし、今度会う時は名前を言わないといけないのかな…
ブラッド様?ブラッドさん?ブラッド先輩?…う~ん、先輩を付けた方が呼びやすいかな?ふふっ、今日は先輩ばかり気にしてる…そう言えば、あの夫婦と先輩どうなったんだろう?凄く不機嫌そうな顔をして、いつ話しかけようか悩んだもの…ふふふ」
フォスティヌはフランシスから貰ったブローチを見てブラッドの事を考えていた。
その同じ時刻、シャロン・ルーベンス家では、湯上がりからあがったばかりのシャロンは、自分の部屋で濡れた髪をタオルで拭き取り化粧台に置かれた長いケースを取り出し笑みを見せていた。
「ふふふ、どんな顔をしてこれを買ったのかしら?ふふふ…」
シャロンは化粧台の椅子に座り目の前の鏡を見て首筋にある赤い痕を指で触っていた。
「……あんなに、わたくしを求めてくれるなんて…婚約者の彼女とは本当に何も無いのね……」
クスッ、と笑みを見せるシャロンはフランシスから愛されているのが嬉しく、鏡を眺めていた。
コンコン!
「お嬢様、旦那様と奥様がお帰りになりました」
「わかったわ。今、行くわ……今日は、ゆっくりしていたのね」
シャロンは、寝服姿で階段を降り玄関前に夫婦はコートをメイド達に渡していた。
「お帰りなさい、お父様、お母様。」
「ああ、ただいま。もう、寝服に着替えたのか?」
「ええ…少し汗を流していたから」
シャロンは馬車の中でフランシスとの時間を過ごしその時の汗だった。
「まだ寒いからガウンを着て来なさい」
「え?どうして?」
「お前に話がある。食卓へ来なさい」
「……はい…」
両親はニコニコとした笑顔をシャロンに見せ、ガウンを着たシャロンは食事部屋へと入った。
カチャカチャと遅い夕食を取る両親は、シャロンに椅子に座るように声をかけていた。
「あれから、街にずっといたの?」
「ああ、そうだよ」
「久しぶりに出店の品物を見ていたわ」
「色んな出店があって楽しいでしょ?」
「ああ、沢山有りすぎて迷子になりかけたよ」
「本当に」
笑う両親にシャロンも思わず笑顔になっていた。
「出店を見ていた時に偶然、彼に会ったんだよ」
「彼?」
「ほらっ、旅先でバックを取り返してくれた彼よ!」
「えっ!?」
シャロンは驚き目を見開いて笑顔を見せる両親を見ていた。





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