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シェル王子の部屋

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「豪華な綺麗な廊下ですね…」
俺はダーガンさんから抱き抱えて貰い、高いところから見る周りはキラキラ輝いて、まるでワックスでも塗ったように周りが輝いて見えていた。
「この先は王子達の部屋へと繋がっている」
「へえ~…だからこんなに豪華な廊下なんですね」
暫く歩くと、見馴れた騎士達が居るのが見え向こうも俺達が来た事に気が付いたようで、何故か驚いた顔をしていた。
(あの人達はシェル王子の騎士だよな?ロベールさんだっけ…あの人の顔を見て分かったけど、後の二人は初めて…ん?見たことがある人が…確かウィルの部屋で泥棒と間違えそうになった人だよな…)
ダーガンさんと俺を見た三人は、顔を見上げ口が空いたまま俺達を見ていた。
「…こ、近衛騎士が何故ウィル王子を…」
「シェル王子の護衛騎士だな、シェル王子に通してくれ」
「え、あ、はい、暫くお待ちください」
ロベールさんが慌てたように声を出していた。
「…で、でかいっすね…ねえ、シモンさん。シモンさん?どうしたっすか?」
「えっ、ああ…ディオン聞いても言いか?」
「なんすか?」
「近衛騎士が抱えている男の子は…」
「ああっ、俺も初めて見たっすけどさっきロベールさんが言っていたウィル王子じゃないっすか!?」
「え!?ウ、ウィル王子?!」
「そんなに驚くシモンさんも珍しいっすね、たしかにデカイ近衛騎士に抱き抱えていたら誰でも驚くっすね」
「……ウィル王子に弟がいる話しは聞いたことは…」
「ないっすよ、王様の側室はまだ産まれていないっしょ?」
「……」
じっと見る視線に気付いた俺は泥棒さんに笑顔を向けた。
「こんばんわ」
「!?こ、声が出るのか?」
「え?」
俺は首をかしげ何故『声が出るのか?』と言われたのが分からなかった。
「そこの護衛騎士と知り合いなのか?」
「えっ、はい、僕の部屋に来た騎士様です」
「は?シモンさん、ウィル王子と知り合いだったんすか?」
「…えっ、あ、ああ…知り合いと言うか…なんて言えば…はぁ」
顔を手で隠す泥棒…じゃなく、シモンさんは、肩を落としたような姿を見ているとロベールさんが俺達の近くに寄って声をかけた
「部屋の中へお入り下さい」
「ああっ、分かった。」
「シモンさん、今夜はシェル兄様の護衛をするのですか?」
「え!?…あ、ああ…」
「帰りにまた会えますね」
シモンさんに手を振る俺を見て、困ったような笑顔で手を振ってくれて、俺とダーガンさんはシェル王子の部屋の中へ入った。
「…シモン、お前ウィル王子と知り合いだったのか?」
「…知り合いと言うか…話せば長くなりますが…」
(まさか…あの男の子がシェル様の弟だったとは…あの部屋を見てもしかしてと思う所もあった…声が出せなかったのは夜遅くに窓から入れば怖くて声が出ないはずだ!…はぁ…俺は王子を怖がらせていたんだな…シェル様になんて言えば…)
「おいシモン、大丈夫か?顔が真っ青だぞ」
「はぁ…」
シモンさんが真っ青な顔になっているとは知らない俺は、初めてシェル王子の部屋に来た。
部屋の中では、ウィルの部屋には比べ物にもならない程広くて豪華で綺麗な部屋で、沢山の本が並んでいる本棚にワインかな?ワインが沢山ある棚を見付け、シェル王子がワイン好きなんだと分かるほどだった。




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