兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ

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久しぶりの入浴時間⑧

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俺は近衛騎士のダーガンさんと一緒にシェル王子の部屋へ向かっている。
(背が高いから、騎士とかメイド達が驚いて慌てて頭を下げているのを何回見たかな…それに目立つからすっごく恥ずかしいと言うか…)
「ウィル王子、食事は取っているのか?」
「えっ、はい」
「それにしては軽いな、女を抱えるより軽いぞ」
「…お、これでも食べています。以前は余り食べることも出来なかったんです」
「そうだったな、病に伏せていたそうだな…王が心配して良く王子の事を尋ねていたな」
「父様が!?」
「ああっ、時々ではあったが夜に様子を見に行っていたのを覚えている」
「…そうですか」
俺は王様がウィルに会いに来てくれたことが嬉しくて、ついにゃけて…じゃなく笑顔になった。
「今の姿を見ると体調は良いみたいだな」
「はい、良いです」
「ははは、そうか」
ダーガンさんと俺は渡り廊下を歩き、城の建物から見える夕日を見てウィルにも見せたいほど綺麗な夕日だった。
ウィル王子が近衛騎士のダーガン騎士と一緒にシェル王子の部屋へ向かう頃、久しぶりにシェル王子の入浴の仕事が出来た三人のメイド達は後片付けを終えていた。
「ねえ、マッサージ出来るかしら?」
「シェル様は仕事で疲れているから私達がマッサージの話しをすれば良いのよ」
「ワインも勧めたらどうかしら?」
「ふふっ、良いわね」
「あ~っ、でもメイド長が居たわ」
「マッサージだけでも解してさしあげたいわ~」
三人のメイド達は、浴室の片付けを終わらせ笑顔で部屋に入りシェル王子に声をかけようとした。
「シェル様、マッサージを…え?!」
「どうしたの?…え?誰!?」
「なんでメイドがシェル様に!?」
三人のメイドは「え?」「誰?」「なんで?」と、それぞれ声を出し、シェル王子の髪の毛をタオルで拭くメイドのマリアに驚いていた。
「何をボーッとしているのです。報告をしなさい」
「「「は、はい」」」
メイド長に言われた三人のメイド達は、ソファーに座るシェル王子とその後ろで髪を拭くメイドのマリアの側へ歩き、メイドのマリアは三人に軽く頭を下げた。
「あの…シェル様浴室の掃除が終わりました…」
「ご苦労様です。今日は久しぶりに楽しい入浴が出来ました」
「…わ、わたくし達もシェル様のお世話が出来まして光栄です…」
「あ…あの、明日もわたくし達にお任せ頂けますでしょうか…」
三人のメイド達は、シェル王子の後ろにいるメイドが気になりチラチラとシェル王子とメイドのマリアを見ては、シェル王子に声をかけていた。
「……明日の事ですが後程メイド長にお伝えします」
シェル王子は困ったような笑顔を三人のメイド達に向けていた。
「シェル様、拭き取りは終わりましたが、髪の毛を束ねますのは暫くお待ちに成りました方が宜しいですわ~」
「有り難う御座います。もう良いですよ」
「はい、では私はこれで失礼致します」
「ええ、お願いします」
メイドのマリアはシェル王子に頭を下げ、メイド長とエリック騎士に頭を下げると部屋を後にした。
シェル王子は、メイドのマリアが部屋を出た後を見終えると小さく息を吐き、その様子を見ていたメイド長がクスクスと笑っていた。
「…メイド長笑わないで下さい…」
「ふふふ、失礼しました。シェル様がわたくし以外にメイドに困りますお顔をお見せ致しますとは思いませんでしたわ」
「はぁ…」
メイド長がクスクスと笑い、シェル王子がため息を吐く姿を見た三人のメイド達はヒソヒソと声を出していた。
「…ねぇ、さっきのメイドは誰か知ってる?」
「知らないわ、私達上級メイドでないのは確かね」
「じゃあ、下級メイド?それとも見習いのメイド?」
「知らないわ…やけにシェル様に馴れ馴れしいと思わない?」
「もしかして…王様のメイド付き?」
「まさか、あんな平凡な顔をしたメイドを王様のメイド付きにしないわよ」
ヒソヒソと話しをする三人のメイドは帰る気配も無くメイド長が声を上げた。
「いつまで残っているのです、早く帰りなさい」
三人のメイドの一人がメイド長にお願いをしていた。
「あ、あの、メイド長わたくし達シェル様のマッサージをしてさしあげたいのですが、宜しいでしょうか…」
「マッサージ?何を言い出すのですか、シェル様にマッサージなどはしましたことはありませんよ」
「…いえ、何度かシェル様にマッサージを致しました」
「は?」
メイド長が驚きの声を上げ目を逸らしているシェル王子に顔を向けた。
「シェル様、彼女達からマッサージを受けました事があるのですか?」
「…あ…初めて私の所へ来ました時に『仕事はありませんか?』と聞かれましたので仕事を与えたのです…」
「…それが何故マッサージなのですか?専属のマッサージがいるではありませんか」
「その日は疲れが溜まっていましたので彼女達にお願いをしたのです…」
シェル王子は苦笑いをメイド長に向け、困った顔でメイド長に謝る姿を見ていたメイド達は、マッサージは話してはいけなかったのかと、お互い顔を見ていた。
「ねぇ、マッサージの事メイド長に話しては駄目だったの?」
「マッサージも私達がしても良いと思ったもの…」
「次からは、シェル様にマッサージが出来ないの?」
メイド長から注意を受けるシェル王子と三人のメイド達は、ウィル王子が来るまで叱りを受け、その様子をエリック騎士は見守るだけだった






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