捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

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それぞれ思い流し…

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アレックはまだ湯に浸かり何度も頭を浸けていた。
「……俺は今まで妻の…ソフィアの何を見てきたんだ?…結婚してお互いすれ違い…俺は妻を泣かせそして…」
アレックは生まれ変わって皇女となったかっての妻ソフィアから聞かされ自分を責めていた…責めずにはいられなかった…
「…妻が亡くなり…別の人へと姿を変えて俺の目の前に現れるまで、俺は妻ソフィアの事を何も知らなかった…何週間何ヵ月と妻と向き合う時間があったが顔を見ると何も話せなかった…本当に結婚した当時は仕事に明け暮れる毎日で疚しい事などなかったのに…もう一度君に会って話していれば……」
ザバッと頭まで湯に浸かったアレックは、エミリーと関係を持つ前に戻る事が出来れば…妻のソフィアは自ら命をたつ事はなかったのではと…思いつめていた。
同じ頃、ソフィアも湯に浸かり夫のアレックが何故避けて来たのか初めて知った。
「…私がいつ旦那様に嫌だと言ったの?何もかも旦那様の思い込みで私は旦那様から避け続けられて来たの?…私は…私の人生は…お父様…お母様…挫けそうな私に声をかけて欲しかった…ソフィア・ルモアの時に手紙ではなく会いに行けばよかった…」
姿が違っても会いに行く事が出来たが、皇女として生まれ変わった為簡単には外出は出来なかった。
アレックとソフィアは、別々の入浴だがお互いの辛い思いを湯で洗い流し部屋を出た。
アレックは側にいたメイド三人に後を任せて声をかけた。
「私で最後だ。後は使用人に入るように言ってくれ」
「はい」
屋敷の入浴場は男女と部屋が別れ主に上の者が先に入り、使用人とメイド達は最後に入るようになっていた。
「……あ…」
後ろから声が聞こえアレックが振り向くと寝服姿にタオルを首にかけて、半分乾いた銀色の髪の毛の今は皇女となったソフィアが歩く足を止めてアレックの後ろに立っていた。
「……っ」
少女となったソフィアの今の姿は、癖のあった長い銀色の髪の毛が真っ直ぐに伸ばされ、前髪から時々雫が一滴流れ落ちる姿を見てどこか妖しさを見せる姿に、アレックは戸惑い顔が真っ赤になっていた。
ソフィアの今の姿を見ていたメイド三人も頬を染め同じ異性でも見惚れる程、湯上がりのソフィアは妖しく美しかった。
(…旦那様に会うなんて…早く部屋を出たつもりだったのに…でも、何故顔が真っ赤になっているの?長湯のせいかしら…?)
「…あの…だ…アレック様、お湯を頂き有り難う御座います」
「え、ああ…」
(…ま、まともに顔が見れない…陛下にも見え皇后にも見え…いや、親子だから見えて当然だ…)
「あ、お部屋をご用意して貰ったのですが…兄が心配して一緒に寝ることに…」
「!な…なんだと!?」
「え…」
険しい顔で睨むアレックを見てソフィアは驚いていた。




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