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2章 オダ郡を一つにまとめる
132話 マーガレットの心変わり
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反サブロー連合は、アヅチ城にこそ残存兵力を置いていたが中継地としていたゼンショウジ砦には兵を置いていなかった。
そのためサブロー・ハインリッヒは、難なくこれも取り返し、マーズ・グランが居たショバタ城をも取り返すことに成功した。
どうして反サブロー連合がここまでずさんだったのか?
公爵家である1つのハルト家のモンテロ・ハルト、連合盟主を務める公爵家のガロリング家のレーニン・ガロリングの相次ぐ討死により、追い込まれていたからである。
だからショバタ城を追われたサブロー・ハインリッヒが籠ったと噂された急造で備えが薄いと考えたワシヅ砦へと攻めた。
反乱貴族を束ねるポマド・ステイシーがワシヅ砦へと駆けつけた時、戦局は劣勢。
傷だらけのルルーニ・カイロが倒れていた。
「カイロ卿!ご無事か」
「ハハハ。ステイシー卿、遅いですよ。見ての通りです。我が部隊は敗北しました。亡き、マーガレット様のために一矢報いたかったのですが。後は、ステイシー卿にお任せしますよ」
「カイロ卿!カイロ卿!そんな馬鹿な!?栄華を誇った三つの公爵家がこうもあっさりとあのクソガキに滅ぼされたというのか。なんたることだ。それにマーガレット様が亡くなっていたとは。では、スエモリキャッスルを取り返したというのは、デマであったか」
ルルーニ・カイロは、勿論死んでいない。
そして、マーガレット・ハインリッヒも勿論死んでいない。
ここに反乱貴族を集めることに成功した時点で2人の役目は終わっている。
ゆえに、マリーが調合した仮死薬を飲み、死んだように装っているだけである。
ここで話は少し戻り、ルルーニ・カイロとマーガレット・ハインリッヒが最後に会話した日、サブロー・ハインリッヒがスエモリ城へと向かったことを報告した夜のことである。
「マーガレット様、外は冷えますゆえ」
「えぇ、ルルーニ。わかっているわ」
私がスエモリキャッスルのお父様を討つことで、追い詰められた反乱貴族が行動を起こしてくれれば私がピエロを演じるのも終わり。
クスクス。
サブローは、本当に良い息子に成長したわ。
あの子なら問題なくオダの地を治められるでしょう。
私は生きているだけで、利用されるもの。
ここらで、お父様を殺した親不孝娘として、退場させてもらうわ。
「マーガレット様、好きです」
「へっ?」
ルルーニったら、突然何を言い出すのかしら?
私の心には1人しかいないのロルフしかね。
「マーガレット様、死ぬ気ですよね?思い留まってください。サブロー様にも貴方様のお力が必要な時が必ず来るはずです。貴方の中にロルフ様が居ても構いません。それも含めて、マーガレット様なのですから。僕がまとめて愛します。僕と結婚してください」
「・・・」
突然告白したかと思ったら今度はプロポーズされてる?
本当にルルーニったらどうしたのよ。
私が死ぬことも承知で協力してくれてたじゃない。
「困惑するのはわかります。マーガレット様、サブロー様は全てご承知でした。承知で母の想いを汲むと言われました。お互いが想い合っているのにどうして、死で分かとうとするのです!そんなの残されるサブロー様があんまりじゃないですか」
ルルーニの言いたいことはわかる。
でも、仕方がないことなの。
この内乱の責任者は、お父様なのだから。
娘である私も責任を取らないと国民に対して示しがつかない。
「む」
「無理じゃない!どうして、生きる道を探さないんです!サブロー様は、僕とマーガレット様のためにこんなものまで用意してくれたというのに!」
ルルーニが取り出した2つのカプセル錠を私に見せる。
サブローが私とルルーニのために?
「仮死薬だそうです。一時的に死んだことにする薬、これで母を表面上亡くなったことにすると。それだけではなく。マーガレット様がこれ以上政治利用されることがないように陛下にも殺したと報告すると。サブロー様は、全てを背負い込むおつもりです。いや、サブロー様はおそらくこのアイランド公国を取られるおつもりです」
サブローがアイランド公国を取る?
それって、オダの地だけじゃなく、この国を統べるということ?
クスクス。
あの子が王になる姿。
それは、見てみたいわね。
「貴方が誰のことを想っていても僕は構わない!永遠の2番手でも良い!マーガレット様と共に歩めるのなら、僕と一緒にこれからの世を生きてください!サブロー様の行く先を見守ってあげてください!貴方は、母親として責任を果たすべきだ!」
ルルーニって、こんなに熱い男だったのね。
でも、いつぶりかしらこんなに情熱的な好意を向けられたのは。
やっぱり貴方はロルフに良く似ているわ。
そうね。
それも悪くないかもしれない。
「わかったわ。ルルーニ、お互い無事にピエロを演じ切られて生きていたら結婚してあげる。貴方と一緒にサブローの行く末を見守ってあげる」
「マーガレット様!本当ですか!その言葉に嘘は」
「ないわ」
サブローもルルーニのことを気に入ってるってことでしょ。
それにしてもこんなものまで作るだなんて、そのうち死んだフリする人間が増えないか心配ね。
さぁ、早く寝て明日ここを発ちスエモリキャッスルを目指すとしましょう。
ということがあって、現在。
ルルーニ・カイロは仮死薬を使った。
ポマド・ステイシーは、怒りのままワシヅ砦へと攻撃を開始したのである。
そのためサブロー・ハインリッヒは、難なくこれも取り返し、マーズ・グランが居たショバタ城をも取り返すことに成功した。
どうして反サブロー連合がここまでずさんだったのか?
公爵家である1つのハルト家のモンテロ・ハルト、連合盟主を務める公爵家のガロリング家のレーニン・ガロリングの相次ぐ討死により、追い込まれていたからである。
だからショバタ城を追われたサブロー・ハインリッヒが籠ったと噂された急造で備えが薄いと考えたワシヅ砦へと攻めた。
反乱貴族を束ねるポマド・ステイシーがワシヅ砦へと駆けつけた時、戦局は劣勢。
傷だらけのルルーニ・カイロが倒れていた。
「カイロ卿!ご無事か」
「ハハハ。ステイシー卿、遅いですよ。見ての通りです。我が部隊は敗北しました。亡き、マーガレット様のために一矢報いたかったのですが。後は、ステイシー卿にお任せしますよ」
「カイロ卿!カイロ卿!そんな馬鹿な!?栄華を誇った三つの公爵家がこうもあっさりとあのクソガキに滅ぼされたというのか。なんたることだ。それにマーガレット様が亡くなっていたとは。では、スエモリキャッスルを取り返したというのは、デマであったか」
ルルーニ・カイロは、勿論死んでいない。
そして、マーガレット・ハインリッヒも勿論死んでいない。
ここに反乱貴族を集めることに成功した時点で2人の役目は終わっている。
ゆえに、マリーが調合した仮死薬を飲み、死んだように装っているだけである。
ここで話は少し戻り、ルルーニ・カイロとマーガレット・ハインリッヒが最後に会話した日、サブロー・ハインリッヒがスエモリ城へと向かったことを報告した夜のことである。
「マーガレット様、外は冷えますゆえ」
「えぇ、ルルーニ。わかっているわ」
私がスエモリキャッスルのお父様を討つことで、追い詰められた反乱貴族が行動を起こしてくれれば私がピエロを演じるのも終わり。
クスクス。
サブローは、本当に良い息子に成長したわ。
あの子なら問題なくオダの地を治められるでしょう。
私は生きているだけで、利用されるもの。
ここらで、お父様を殺した親不孝娘として、退場させてもらうわ。
「マーガレット様、好きです」
「へっ?」
ルルーニったら、突然何を言い出すのかしら?
私の心には1人しかいないのロルフしかね。
「マーガレット様、死ぬ気ですよね?思い留まってください。サブロー様にも貴方様のお力が必要な時が必ず来るはずです。貴方の中にロルフ様が居ても構いません。それも含めて、マーガレット様なのですから。僕がまとめて愛します。僕と結婚してください」
「・・・」
突然告白したかと思ったら今度はプロポーズされてる?
本当にルルーニったらどうしたのよ。
私が死ぬことも承知で協力してくれてたじゃない。
「困惑するのはわかります。マーガレット様、サブロー様は全てご承知でした。承知で母の想いを汲むと言われました。お互いが想い合っているのにどうして、死で分かとうとするのです!そんなの残されるサブロー様があんまりじゃないですか」
ルルーニの言いたいことはわかる。
でも、仕方がないことなの。
この内乱の責任者は、お父様なのだから。
娘である私も責任を取らないと国民に対して示しがつかない。
「む」
「無理じゃない!どうして、生きる道を探さないんです!サブロー様は、僕とマーガレット様のためにこんなものまで用意してくれたというのに!」
ルルーニが取り出した2つのカプセル錠を私に見せる。
サブローが私とルルーニのために?
「仮死薬だそうです。一時的に死んだことにする薬、これで母を表面上亡くなったことにすると。それだけではなく。マーガレット様がこれ以上政治利用されることがないように陛下にも殺したと報告すると。サブロー様は、全てを背負い込むおつもりです。いや、サブロー様はおそらくこのアイランド公国を取られるおつもりです」
サブローがアイランド公国を取る?
それって、オダの地だけじゃなく、この国を統べるということ?
クスクス。
あの子が王になる姿。
それは、見てみたいわね。
「貴方が誰のことを想っていても僕は構わない!永遠の2番手でも良い!マーガレット様と共に歩めるのなら、僕と一緒にこれからの世を生きてください!サブロー様の行く先を見守ってあげてください!貴方は、母親として責任を果たすべきだ!」
ルルーニって、こんなに熱い男だったのね。
でも、いつぶりかしらこんなに情熱的な好意を向けられたのは。
やっぱり貴方はロルフに良く似ているわ。
そうね。
それも悪くないかもしれない。
「わかったわ。ルルーニ、お互い無事にピエロを演じ切られて生きていたら結婚してあげる。貴方と一緒にサブローの行く末を見守ってあげる」
「マーガレット様!本当ですか!その言葉に嘘は」
「ないわ」
サブローもルルーニのことを気に入ってるってことでしょ。
それにしてもこんなものまで作るだなんて、そのうち死んだフリする人間が増えないか心配ね。
さぁ、早く寝て明日ここを発ちスエモリキャッスルを目指すとしましょう。
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ルルーニ・カイロは仮死薬を使った。
ポマド・ステイシーは、怒りのままワシヅ砦へと攻撃を開始したのである。
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