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3章 群雄割拠

徐州牧に就任

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 張繍たちの話が終わる。
 劉備「張繍よ。辛い思いをしたようだな」
 張繍「曹操と戦う時は、どうかこの張繍に先鋒をお任せください。必ずや打ち破ってみせます」
 劉備「そんなに気負う必要はない。私には、仕えてくれる臣下の命の方が大事なのだからな」
 張繍「なんと、まさか新参者に、そのような言葉をかけてくださるとは、どうか叔母上を側室に貰って頂けませんか?」
 鄒豊麗「張繍、何を言ってるのです。そのような」
 劉備「そうである。鄒豊麗殿も困惑しているであろう」
 義賢「有難い申し出なのですが鄒豊麗殿の気持ち次第と言ったところでしょう」
 鄒豊麗「このような未亡人で良ければ、どうか劉備様の側女の1人にお加えください」
 劉備「何を申すのだ。そのようなことをせずとも私は、お前たちを追い出したりなどはせぬ」
 鄒豊麗「曹操は、私のことを狙っていました。狙っていた私が今は、敵対している劉備様の側女になったと知りましたらどう思うでしょう?」
 荀彧「曹操は、停戦期間の終了と同時にこの徐州に攻め寄せるでしょうね」
 鄒豊麗「えぇ、劉備様がそこで力を見せつけれれば、劉備様の名声が広く轟きましょう」
 義賢「成程、まだ見ぬ埋もれた人材が兄上に仕官するかも知れません」
 鄒豊麗「そのための策の一旦となれるのでしたら私はこの身を劉備様に差し出しましょう」
 劉備「私は、自己犠牲が大嫌いだ。鄒豊麗よ。私の側室となるのなら私は、其方を全身で愛する。我が妻たちとくれぐれもケンカしてくれるでないぞ」
 鄒豊麗「はい」
 徐州牧陶謙からの使者が入ってきた。
 ???「徐州牧陶謙様に仕える陳珪が嫡男、陳登元龍チントウゲンリュウと申します。劉備様に拝謁したく参りました」
 劉備「陶謙殿は、私の主君も同然だ。そのような私に陶謙殿の直属の側近が様など不要である。して、如何した?」
 陳登「徐州牧、陶謙様。危篤にございます。父上から至急劉備様を呼ぶようにと参りました」
 劉備「そんな、陶謙様が!わかりました。徐州に向かいます」
 陳登「おぉ。それでは、一足先に戻って、お伝えして参ります」
 陳登が立ち去る。
 劉備「雲長・翼徳、この期に反乱分子が暴れるかもしれん。城を守るのだ。陳到、護衛として供を致せ。義賢・荀彧、私の補佐として、共に下邳城へ。他の者は、制圧したばかりの寿春城へと向かい政務と治安回復に努めよ」
 関羽「兄者。どうかお気をつけ下され」
 張飛「大兄者、こっちのことは任せてくれ」
 義賢「わかりました。兄上の供を致します」
 荀彧「殿の補佐を務めましょう」
 各々が返事をし、劉備たちも徐州へと向かう。徐州では、陶謙が老衰によりこの世を去ろうとしていた。
 陶謙「おぉ。劉備殿、よくきてくださいました」
 劉備「陶謙様、何を言ってるのです。当然でございましょう。陳珪殿、御子息を使ってよく知らせてくださいました。感謝致します」
 陳珪「ワシのようなものにまで、気を遣ってくださるとは、劉備殿は、変わらないようで安心しましたぞ」
 糜竺「劉備殿、我々が小沛を訪れた時以来ですな。陶謙殿の願いを聞き、駆けつけてくださり感謝致します」
 劉備「糜竺殿、何をいうのです。陶謙様には、寄る地のない我々を迎え入れてくださった多大な御恩があるのです。どこであろうと駆けつけます」
 陶謙「劉備殿を見込んで、頼みたいことがあるのじゃ。どうか、徐州牧となり、この徐州の民に安寧をもたらしてくれませぬか?」
 劉備「待ってください。陶謙様には、2人のご子息がいらっしゃいます。2人を押し退けて、私が徐州牧になどなれません」
 陶商「私は、曹操が徐州へと攻め込んだ時に思い知りました。私では、この徐州の民を導くことはできません。応と共に商人となるつもりです。ですから、我々のことは気になさらずどうか父の頼みを聞き徐州牧に就任してください」
 陶応「兄には、商売の才覚はあっても武芸の才覚はからっきしです。弟である俺が護衛となります。どうか父と兄の言葉を聞いて、徐州牧に就任してください」
 陳珪「ワシからも頼みます。この地は、曹操の大虐殺から立ち直れていません。民を案じて導いてくださる方が必要なのじゃ。それは、劉備様にしかできぬこと」
 糜竺「劉備殿、いえ劉備様、どうかこの地の民をお守りくだされ」
 劉備「しかし」
 そこまで聞いていた荀彧が劉備を諭す。
 荀彧「殿、陶謙殿だけでなく。こんなにも多くの方が殿の徐州牧就任を後押ししているのです。それを断るなど、民の声を無視することと同じことです」
 劉備「うーむ。そこまで言われては仕方ない。私なんかに務まる大役とは思えませんが精一杯務めさせていただきます」
 陶謙「おぉ。これで、もう安心じゃ。皆、劉備殿のことをくれぐれも、、、頼んだぞ、、、」
 陶謙は、最後にそう言葉を残すと息を吐き切り、この世を去った。享年62歳。194年の出来事であった。この話は、帝を庇護している曹操の元へいち早く伝わった。
 曹操「劉備め。寿春だけでなく徐州まで簒奪するとは、許せん」
 夏侯惇「孟徳、もうすぐ停戦も終わる。攻め込もうぞ」
 戯志才「お待ちください。大義名分がございません。曹操様の父君が殺された時とは違うのです」
 賈詡「なら作れば良いかと。こちらには帝がいるのですから」
 程昱「成程、良き策かと」
 郭嘉「良いかと」
 曹操「郭嘉がそういうのであれば、賈詡の策を用いて、献帝に圧力をかける。許褚・典韋・元譲・妙才・子考・子廉、検定の元へ向かうぞ」
 献帝の元へと来た曹操らが献帝に逆賊劉備討伐の追討を願い出る。
 曹操「劉備は、偽帝袁術から玉璽を奪い。徐州も簒奪しました。いずれ第二の袁術となりましょう。そうなる前に、どうか、逆賊劉備の追討令を発布してくださいませ」
 献帝「待て、公叔は、朕にとって、叔父のような御方なのだ。そのようなこと認めるわけには」
 夏侯惇「何を言っているのです。献帝様のその甘さが劉備を助長させているのです」
 許褚「悪い奴は討伐するんだなぁ」
 典韋「どうか追討令を」
 夏侯淵「、、、」
 曹仁「このままほっておけば、劉備は何れ献帝様を廃しますぞ」
 曹洪「どうか御決断を」
 献帝「わかった。曹操よ。徐州へと赴き逆賊劉備を討つのだ(公叔よ。頼りない朕をどうか許してくれ。曹操の圧力に屈した朕をどうか)」
 曹操「この曹孟徳。献帝様に仇為す逆賊劉備めを必ずや征討致します」
 曹操は、戻るとすぐに朝廷からの詔として、反劉備連合を結成する。しかし、劉表は、様子見。孫堅は、断った。参加したのは、韓遂・劉璋・袁紹であった。馬騰は、この暴挙に対し、韓遂と袂を分ち、涼州内乱へと発展する。劉璋が参加したのは、この機に目障りな張魯を殲滅するため進軍を開始するであった。そして、袁紹は、公孫瓚の包囲を進めつつ北海にも兵を集め、界橋の戦いの再戦とばかり劉備に闘志を燃やしていた。曹操は、東安に兵を集め、小沛へと進軍を開始する。徐州の命運を決める戦いの火蓋が切って落とされるのである。
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