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3章 群雄割拠
各国の反応
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曹操による反劉備連合の発足は、各群雄に激震が走った。揚州の群雄である劉繇・王朗・厳白虎・許貢・劉勲は、江東制覇を目論む、孫堅に対抗するため曹操と結び孫堅と争う。益州では、劉璋が、反劉備連合に加わり、異民族の南蛮と手を結び後顧の憂いをなくした上で、張魯公祺の治める漢中へと出兵。涼州では、韓遂が旧知の中である曹操の反劉備連合に与するが馬騰は、劉備に付くと決め、涼州内乱へと発展する。公孫瓚を易京一都市に追い込んだ袁紹は、先の戦いで煮湯を飲まされた劉備への意趣返しとして、反劉備連合へと参加。曹操領の瑯琊・東海を通り下邳へと攻めるため北海にて兵を集める。
【涼州】
馬騰「反劉備連合に参加しろか」
馬超「父上、どうなさるおつもりですか?」
馬騰「勿論断る。お前から聞いた劉備殿であれば、献帝を簒奪しようと考えているなどあり得ないであろう。曹操に利するだけだ」
???「馬騰様、韓遂様が曹操の反劉備連合に与したとのこと、それに伴い西涼の軍閥と手を結んだとのことです。逆賊劉備に与した馬騰様を討つと兵を進めているようです」
馬騰「馬鹿な!姜冏よ。よく知らせてくれた。すぐに隴西・天水・武都・安定の軍を集結し韓遂を討つ」
姜冏とは、三国志後期に有名な天水の麒麟児の父である。この時、天水郡の功曹を務めていて、馬騰に仕えていた。韓遂は、金城・北地・張掖・酒泉・敦煌の軍閥を動員すると馬騰と相対した。その話は、ここでは、まだ語らない。
【揚州】
孫堅「何々、逆賊劉備を討つため反劉備連合に参加せよか。この機に劉備殿を叩き、中原を制覇したいということが丸見えだぞ曹操よ。全く劉備殿は、災難の尽きんやつだ」
孫策「親父、なんだか嬉しそうじゃねぇか。また援軍に行くか」
孫堅「いや此度は、曹操に与しないだけで十分な援護となろう。反劉備連合に加わった揚州の軍閥どもを討滅し、江東をいただくとしよう」
孫権「父上や兄上に負けぬ働きを致します」
孫堅は、江東制覇に乗り出すこととなる。これも今は、まだ語らない。
【益州】
劉璋「逆賊劉備を討つため反劉備連合に参加せよですか。あんな遠いところの戦に我々が与してなんの意味があるのでしょう」
???「ここは、張魯を討つ好機と捉え曹操に与しておくのが良いかと」
劉璋「成程、張魯は目の上のたんこぶだ。目障りで仕方ない。法正孝直よ。そちの案を受け入れよう。張松子喬よ。急ぎ南蛮に貢物を持って行き後顧の憂いを断つのだ」
張松「かしこまりました」
劉焉が制覇した益州を引き継いだ劉璋は、気弱な男であった。そこを付け狙い漢中の張魯が五斗米道を広めるべく益州各地で信者を募っていた。そして、度々信者に反乱を起こさせていたのである。
【漢中】
張魯「反劉備連合ですか。母上、どう思われますか?」
???「そうねぇ。私の可愛い兄をブチ殺しといて、どの口がって話よね。まぁ曹操からしたら普段は、盧蘭と名乗っている私が実は、張済の妹の張姜子だなんて思わないものね。ここは、劉備殿にお味方しましょう」
張魯「心得ました母上」
張済の妹である張姜子は、とてつもない巫力の持ち主であった。それは、見た目の美しさだけでなく内面の歳を一切感じさせない程であった。漢中に勝って気ままに旅行した際に張魯の父である張衡の一目惚れを受け、婚姻。16才の時に嫡男の張魯を産み。17才の時には、次男の張衛を産み。18才の時に三男の張傀を産み。19才の時に四男の張徴を産み。20才の時に長女の張玉蘭を産む。そしてこの時、張魯の父である張衡が亡くなった。死因は、腹上死だというのは、もっぱらの噂である。4才にして家督を継いだ張魯の後見役がこの張姜子である。それゆえ張魯は、母に対して頭が上がらなかったのである。そして現在194年、張魯21才。相変わらず母には、頭が上がらないのであった。
【并州・冀州】
袁紹「孟徳からだと。何だ。ほほぅ。反劉備連合とは、面白いことを考えるではないか。劉備には、界橋の戦いの折、煮湯を飲まされた。そのせいで河北制覇に遅れが生じたのだ。乗ってやろうではないか。孔融から貰った北海にて、兵を集結。曹操領の瑯琊・東海を通り、下邳へと進軍する。総大将は、文醜、副将に顔良じゃ」
文醜「腕がなるぜ」
顔良「俺が副将かよ。まぁ良いか。どっしりと構えてるよりも突撃したいんでな」
文醜「ずるいぞ。殿、顔良を総大将に」
袁紹「良いではないか万が一にも顔良が負ける相手であれば文醜よ。お前が出ることになるのだからな」
文醜「成程、それは楽しそうだ」
呂布を使い張燕を討伐したことにより并州の統一も成し、冀州全土も手に入れた袁紹は、河北制覇の残る最後の城、公孫瓚が籠る幽州の易京城を包囲していた。そして、届いた反劉備連合への誘い。袁紹は、劉備への意趣返しに燃え、これを承諾。袁紹軍の両雄文醜と顔良を大将に大規模な軍を編成。北海へと集結を開始する。
【幽州】
公孫瓚「反劉備連合か。参加すれば、袁紹の攻撃から一旦、劉備を倒す同盟として、生き残れよう。だが劉備は、ワシの危機に自ら一軍を率いて援軍に来た。その恩を自らの命の灯火が少し伸びるだけのことに加担するのは、止めじゃ」
公孫範「従兄上」
公孫瓚「範よ。そのような悲しい顔をするでない。まだ終わったわけではない。袁紹が反劉備連合に参加するというのであれば、こちらへの攻勢は少し止むであろう。今この時をおいて、姚と続、それに5才になった娘、凛風を逃す好機だ。范方を呼べ」
范方「お呼びでしょうか殿」
公孫瓚「我が軍で騎兵の扱いが一番長けているのはお前だ。そんなお前に頼みたいことがある。妻の姚。息子の続。娘の凛風を連れ、劉備の元へと逃れるのだ」
范方「殿、何故です!俺も共にここで命尽きるまで戦いましょう」
公孫瓚「お前は凡庸ではない優秀だ。少しの騎兵を任せただけであったのに、それを見事な調練で白馬儀従へと育て上げた。そんなお前だからこそ。この先も必要だと思ったのだ。ワシにではない劉備にな。それに妻や子のことを任せられるのもお前を置いて他にはおらん。やってくれるな」
范方「殿、どうか御無事で。必ずや劉備殿と共に救出に参ります」
公孫瓚「良い。その気持ちだけで十分だ。劉備にも決して援軍にくるな。こんな馬鹿な兄弟子は捨ておけと伝えよ」
范方「約束はできかねます」
公孫瓚「そうか、お前らしいな。では、今の間に行け」
范方「はっ」
公孫瓚は、最後の最後で、昔劉備と共に盧植の元で学んでいた優しい兄弟子に戻った。そして、死期を少し伸ばすだけの反劉備連合には参加せず。袁紹と命尽きるまで争うことを決める。そして、これに参加することを決めた袁紹の包囲が緩んだ一瞬の隙を見逃さず妻と子を頼れる騎兵隊長の范方に託したのである。そして公孫瓚は、息を吐き呟く『劉備よ。妻と子を託すことを許せ。いざ滅亡を考えた時に託せる奴がお前しか思い浮かばなかったのだ。哀れな兄弟子を許せ。お前と共に歩んで居れば、少しは違ったのかもしれんな。だがそれは、最早叶わぬ夢となった。劉備よ。このような横暴に負けるでないぞ。少しばかり援護は、してやるのでな』と。その話も今はまだ語らない。
【涼州】
馬騰「反劉備連合に参加しろか」
馬超「父上、どうなさるおつもりですか?」
馬騰「勿論断る。お前から聞いた劉備殿であれば、献帝を簒奪しようと考えているなどあり得ないであろう。曹操に利するだけだ」
???「馬騰様、韓遂様が曹操の反劉備連合に与したとのこと、それに伴い西涼の軍閥と手を結んだとのことです。逆賊劉備に与した馬騰様を討つと兵を進めているようです」
馬騰「馬鹿な!姜冏よ。よく知らせてくれた。すぐに隴西・天水・武都・安定の軍を集結し韓遂を討つ」
姜冏とは、三国志後期に有名な天水の麒麟児の父である。この時、天水郡の功曹を務めていて、馬騰に仕えていた。韓遂は、金城・北地・張掖・酒泉・敦煌の軍閥を動員すると馬騰と相対した。その話は、ここでは、まだ語らない。
【揚州】
孫堅「何々、逆賊劉備を討つため反劉備連合に参加せよか。この機に劉備殿を叩き、中原を制覇したいということが丸見えだぞ曹操よ。全く劉備殿は、災難の尽きんやつだ」
孫策「親父、なんだか嬉しそうじゃねぇか。また援軍に行くか」
孫堅「いや此度は、曹操に与しないだけで十分な援護となろう。反劉備連合に加わった揚州の軍閥どもを討滅し、江東をいただくとしよう」
孫権「父上や兄上に負けぬ働きを致します」
孫堅は、江東制覇に乗り出すこととなる。これも今は、まだ語らない。
【益州】
劉璋「逆賊劉備を討つため反劉備連合に参加せよですか。あんな遠いところの戦に我々が与してなんの意味があるのでしょう」
???「ここは、張魯を討つ好機と捉え曹操に与しておくのが良いかと」
劉璋「成程、張魯は目の上のたんこぶだ。目障りで仕方ない。法正孝直よ。そちの案を受け入れよう。張松子喬よ。急ぎ南蛮に貢物を持って行き後顧の憂いを断つのだ」
張松「かしこまりました」
劉焉が制覇した益州を引き継いだ劉璋は、気弱な男であった。そこを付け狙い漢中の張魯が五斗米道を広めるべく益州各地で信者を募っていた。そして、度々信者に反乱を起こさせていたのである。
【漢中】
張魯「反劉備連合ですか。母上、どう思われますか?」
???「そうねぇ。私の可愛い兄をブチ殺しといて、どの口がって話よね。まぁ曹操からしたら普段は、盧蘭と名乗っている私が実は、張済の妹の張姜子だなんて思わないものね。ここは、劉備殿にお味方しましょう」
張魯「心得ました母上」
張済の妹である張姜子は、とてつもない巫力の持ち主であった。それは、見た目の美しさだけでなく内面の歳を一切感じさせない程であった。漢中に勝って気ままに旅行した際に張魯の父である張衡の一目惚れを受け、婚姻。16才の時に嫡男の張魯を産み。17才の時には、次男の張衛を産み。18才の時に三男の張傀を産み。19才の時に四男の張徴を産み。20才の時に長女の張玉蘭を産む。そしてこの時、張魯の父である張衡が亡くなった。死因は、腹上死だというのは、もっぱらの噂である。4才にして家督を継いだ張魯の後見役がこの張姜子である。それゆえ張魯は、母に対して頭が上がらなかったのである。そして現在194年、張魯21才。相変わらず母には、頭が上がらないのであった。
【并州・冀州】
袁紹「孟徳からだと。何だ。ほほぅ。反劉備連合とは、面白いことを考えるではないか。劉備には、界橋の戦いの折、煮湯を飲まされた。そのせいで河北制覇に遅れが生じたのだ。乗ってやろうではないか。孔融から貰った北海にて、兵を集結。曹操領の瑯琊・東海を通り、下邳へと進軍する。総大将は、文醜、副将に顔良じゃ」
文醜「腕がなるぜ」
顔良「俺が副将かよ。まぁ良いか。どっしりと構えてるよりも突撃したいんでな」
文醜「ずるいぞ。殿、顔良を総大将に」
袁紹「良いではないか万が一にも顔良が負ける相手であれば文醜よ。お前が出ることになるのだからな」
文醜「成程、それは楽しそうだ」
呂布を使い張燕を討伐したことにより并州の統一も成し、冀州全土も手に入れた袁紹は、河北制覇の残る最後の城、公孫瓚が籠る幽州の易京城を包囲していた。そして、届いた反劉備連合への誘い。袁紹は、劉備への意趣返しに燃え、これを承諾。袁紹軍の両雄文醜と顔良を大将に大規模な軍を編成。北海へと集結を開始する。
【幽州】
公孫瓚「反劉備連合か。参加すれば、袁紹の攻撃から一旦、劉備を倒す同盟として、生き残れよう。だが劉備は、ワシの危機に自ら一軍を率いて援軍に来た。その恩を自らの命の灯火が少し伸びるだけのことに加担するのは、止めじゃ」
公孫範「従兄上」
公孫瓚「範よ。そのような悲しい顔をするでない。まだ終わったわけではない。袁紹が反劉備連合に参加するというのであれば、こちらへの攻勢は少し止むであろう。今この時をおいて、姚と続、それに5才になった娘、凛風を逃す好機だ。范方を呼べ」
范方「お呼びでしょうか殿」
公孫瓚「我が軍で騎兵の扱いが一番長けているのはお前だ。そんなお前に頼みたいことがある。妻の姚。息子の続。娘の凛風を連れ、劉備の元へと逃れるのだ」
范方「殿、何故です!俺も共にここで命尽きるまで戦いましょう」
公孫瓚「お前は凡庸ではない優秀だ。少しの騎兵を任せただけであったのに、それを見事な調練で白馬儀従へと育て上げた。そんなお前だからこそ。この先も必要だと思ったのだ。ワシにではない劉備にな。それに妻や子のことを任せられるのもお前を置いて他にはおらん。やってくれるな」
范方「殿、どうか御無事で。必ずや劉備殿と共に救出に参ります」
公孫瓚「良い。その気持ちだけで十分だ。劉備にも決して援軍にくるな。こんな馬鹿な兄弟子は捨ておけと伝えよ」
范方「約束はできかねます」
公孫瓚「そうか、お前らしいな。では、今の間に行け」
范方「はっ」
公孫瓚は、最後の最後で、昔劉備と共に盧植の元で学んでいた優しい兄弟子に戻った。そして、死期を少し伸ばすだけの反劉備連合には参加せず。袁紹と命尽きるまで争うことを決める。そして、これに参加することを決めた袁紹の包囲が緩んだ一瞬の隙を見逃さず妻と子を頼れる騎兵隊長の范方に託したのである。そして公孫瓚は、息を吐き呟く『劉備よ。妻と子を託すことを許せ。いざ滅亡を考えた時に託せる奴がお前しか思い浮かばなかったのだ。哀れな兄弟子を許せ。お前と共に歩んで居れば、少しは違ったのかもしれんな。だがそれは、最早叶わぬ夢となった。劉備よ。このような横暴に負けるでないぞ。少しばかり援護は、してやるのでな』と。その話も今はまだ語らない。
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