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3章 群雄割拠
仲の建国
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袁術が皇帝を僭称する少し前。曹操が献帝の身柄を抑え、三公の地位である司空についたことに名門としての誇りを傷つけられた袁術は、玉璽を用いて自身が皇帝に即位することを決める。反対を表立って行えば殺されると考えた者たちとして、祖郎と魯粛は、孫堅の元に逃亡し、張範は、鄭泰と鄭泰の弟である鄭渾を連れ、曹操の元に逃亡した。今の袁術軍には頭が切れる者が居ない賊の集まりと化していた。この状況を憂う1人の猛将がいる。三尖刀の使い手として世に知られる紀霊である。
紀霊「(殿は変わってしまわれた。確かに前までも野心の高さはあった。だが漢王朝が健在であるにもかかわらず皇帝を名乗るなど昔の殿ならしなかっただろう。玉璽とは、こうも人を狂わす物なのか。だが仕えた以上最後まで供をする。それが我が心情。願わくば好敵手と相見えんことを願おう)」
紀霊は、勝ち目のない戦いへとその身を投じることとなる。間も無く袁術が皇帝を僭称したことが諸侯に伝わる。袁術は多くが自分に平伏すると考えていた。この国の最高位である皇帝になったのだから、だがもたらされた情報は、袁術包囲網の形成であった。
袁術「なんじゃと!?それは真なのか?何故じゃ。朕は皇帝じゃぞ。ふざけやがって。攻めてくる奴らを打ち滅ぼしたら思い思いの褒美を取らせてやる励むのじゃ。袁渙はどこじゃ?」
袁渙は馬を飛ばして、劉備のいる小沛へと向かっていた。
袁渙「今こそかつて劉備様より茂才として、推薦された恩を返すとき。この事をお知らせして軍備を整えてもらわねば」
そう袁術は最早同族にまで見放されていたのだ。袁渙は、袁術軍の内部情報を持ち出し、劉備の元へと逃亡したのである。
張闓「まぁ袁術様よ。安心しなって、要は皆殺しにすればいいだけなんだからよ。陶謙や孫堅、それに劉備、全員皆殺しによ」
薛礼「全くその通りですな」
笮融「暴れられんなら何でも構わねぇぜ」
袁術「おお。頼りにしているぞ。ではお前たちには陶謙軍の迎撃を任せよう。紀霊、お前は、雷薄・閻象・陳蘭・張勲・楊弘・韓胤を連れ、劉備軍を迎撃するのだ。橋蕤、お前は舒邵・陳紀・梁綱・李豊と共に孫堅軍を迎撃せよ」
紀霊「心得ました」
橋蕤「お任せくだされ」
紀霊大将軍率いる10万の兵。張闓・薛礼・笮融の率いる独立友軍10万。橋蕤大将軍の率いる10万の合計30万の兵を動員した。残った20万の兵が守る本拠地寿春城。合計50万の兵が袁術が持っている全軍であった。この包囲網に劉表が加わらなかったのは袁紹より密書が届いていたからである。
劉表「全く袁紹様にも困った者じゃ」
蒯越「戦を長引かせよとは」
蒯良「幽州を手中にするために劉備軍が邪魔なのでしょう」
蔡瑁「いっそのこと。袁術に援軍を送るってのはどうだ」
劉表「確かに、皇帝を僭称した時点で、袁術は詰んでいるであろうな。長引かせるためにはやむおえぬか。黄祖に命じて、孫堅の背後を狙わせよ」
蔡瑁「まだ制圧した事を公表していない長沙の韓玄・桂陽の趙範・武陵の金旋・零陵の劉度に命じて、劉備軍を攻撃させるってのも良いんじゃねぇか」
劉表「劉備殿を攻撃するのは気が進まぬが戦を長引かせるためにはやむおえぬか」
蒯越「良き案かと」
蒯良「私は反対です。劉備殿と敵対するべきではないでしょう」
蒯越「だからこそ勢いを削ぐ必要があるかと。いずれ劉表様を頼るほどに」
劉表「全く蒯越には敵わぬな。良かろう。蔡瑁よ、韓玄・趙範・金旋・劉度に劉備を攻めさせよ」
蔡瑁「了解だぜ」
袁紹の思惑により劉備は危機へと陥るのである。劉表は実質荊州を制覇していたのだが長沙・桂陽・零陵・武陵の4都市を独立勢力としたのである。この4都市の兵約20万が劉備軍を攻撃する事となり。劉備軍は7万で30万の大軍を相手にすることとなる。一方の孫堅軍も率いた10万で橋蕤率いる10万と黄祖率いる10万の合わせて20万と相対する展開となった。
そして、ここにこの戦に怒りを燃やす1人の男がいた。曹操の父を殺し、袁術軍に寝返った張闓・薛礼・笮融の3人に対して、徐州に要らぬ戦火をもたらした復讐の機会である。陶謙は老衰という病を推して、この戦で命の灯火を燃やし尽くしても3人を討つ事を決める。
陶謙「徐州で虐殺を行った曹操の命で袁術を攻めるのは癪であるが。ゴホゴホ。徐州を戦火に巻き込んだ大元は元はと言えば長闓・薛礼・笮融じゃ。ゴホゴホ。奴らを討つために劉備殿に協力をすることに致した。ゴホゴホ。皆、我らは曹操に従うのではない。そのことは肝に銘じよ。ゴホゴホ」
糜竺「陶謙様、そのような身体で出陣など。おやめくだされ」
陶謙「止めてくれるな糜竺よ。ゴホゴホ。あの3人を自ら討たねば、あの世に行って、たまに合わせる顔が無いのだ。ゴホゴホ」
陳珪「こうなったら殿をお止めするのは不可能だな。臧覇・曹豹、殿をくれぐれも頼むぞ」
臧覇「あぁ、わかってるよ」
曹豹「全く困りましたなぁ」
陶謙「2人とも頼りにしているぞ。ゴホゴホ」
陶謙の身体は穏やかに死に向かっていた。その矢先に袁術の皇帝の僭称。徐州に大乱を呼び込んだ張闓らの討伐という宿願が転がり込んできたのだ。寝たきりとなっていた身体を揺り起こし、出陣するその姿は、人格者と呼ばれた陶謙の最後の勇姿であった。
紀霊「(殿は変わってしまわれた。確かに前までも野心の高さはあった。だが漢王朝が健在であるにもかかわらず皇帝を名乗るなど昔の殿ならしなかっただろう。玉璽とは、こうも人を狂わす物なのか。だが仕えた以上最後まで供をする。それが我が心情。願わくば好敵手と相見えんことを願おう)」
紀霊は、勝ち目のない戦いへとその身を投じることとなる。間も無く袁術が皇帝を僭称したことが諸侯に伝わる。袁術は多くが自分に平伏すると考えていた。この国の最高位である皇帝になったのだから、だがもたらされた情報は、袁術包囲網の形成であった。
袁術「なんじゃと!?それは真なのか?何故じゃ。朕は皇帝じゃぞ。ふざけやがって。攻めてくる奴らを打ち滅ぼしたら思い思いの褒美を取らせてやる励むのじゃ。袁渙はどこじゃ?」
袁渙は馬を飛ばして、劉備のいる小沛へと向かっていた。
袁渙「今こそかつて劉備様より茂才として、推薦された恩を返すとき。この事をお知らせして軍備を整えてもらわねば」
そう袁術は最早同族にまで見放されていたのだ。袁渙は、袁術軍の内部情報を持ち出し、劉備の元へと逃亡したのである。
張闓「まぁ袁術様よ。安心しなって、要は皆殺しにすればいいだけなんだからよ。陶謙や孫堅、それに劉備、全員皆殺しによ」
薛礼「全くその通りですな」
笮融「暴れられんなら何でも構わねぇぜ」
袁術「おお。頼りにしているぞ。ではお前たちには陶謙軍の迎撃を任せよう。紀霊、お前は、雷薄・閻象・陳蘭・張勲・楊弘・韓胤を連れ、劉備軍を迎撃するのだ。橋蕤、お前は舒邵・陳紀・梁綱・李豊と共に孫堅軍を迎撃せよ」
紀霊「心得ました」
橋蕤「お任せくだされ」
紀霊大将軍率いる10万の兵。張闓・薛礼・笮融の率いる独立友軍10万。橋蕤大将軍の率いる10万の合計30万の兵を動員した。残った20万の兵が守る本拠地寿春城。合計50万の兵が袁術が持っている全軍であった。この包囲網に劉表が加わらなかったのは袁紹より密書が届いていたからである。
劉表「全く袁紹様にも困った者じゃ」
蒯越「戦を長引かせよとは」
蒯良「幽州を手中にするために劉備軍が邪魔なのでしょう」
蔡瑁「いっそのこと。袁術に援軍を送るってのはどうだ」
劉表「確かに、皇帝を僭称した時点で、袁術は詰んでいるであろうな。長引かせるためにはやむおえぬか。黄祖に命じて、孫堅の背後を狙わせよ」
蔡瑁「まだ制圧した事を公表していない長沙の韓玄・桂陽の趙範・武陵の金旋・零陵の劉度に命じて、劉備軍を攻撃させるってのも良いんじゃねぇか」
劉表「劉備殿を攻撃するのは気が進まぬが戦を長引かせるためにはやむおえぬか」
蒯越「良き案かと」
蒯良「私は反対です。劉備殿と敵対するべきではないでしょう」
蒯越「だからこそ勢いを削ぐ必要があるかと。いずれ劉表様を頼るほどに」
劉表「全く蒯越には敵わぬな。良かろう。蔡瑁よ、韓玄・趙範・金旋・劉度に劉備を攻めさせよ」
蔡瑁「了解だぜ」
袁紹の思惑により劉備は危機へと陥るのである。劉表は実質荊州を制覇していたのだが長沙・桂陽・零陵・武陵の4都市を独立勢力としたのである。この4都市の兵約20万が劉備軍を攻撃する事となり。劉備軍は7万で30万の大軍を相手にすることとなる。一方の孫堅軍も率いた10万で橋蕤率いる10万と黄祖率いる10万の合わせて20万と相対する展開となった。
そして、ここにこの戦に怒りを燃やす1人の男がいた。曹操の父を殺し、袁術軍に寝返った張闓・薛礼・笮融の3人に対して、徐州に要らぬ戦火をもたらした復讐の機会である。陶謙は老衰という病を推して、この戦で命の灯火を燃やし尽くしても3人を討つ事を決める。
陶謙「徐州で虐殺を行った曹操の命で袁術を攻めるのは癪であるが。ゴホゴホ。徐州を戦火に巻き込んだ大元は元はと言えば長闓・薛礼・笮融じゃ。ゴホゴホ。奴らを討つために劉備殿に協力をすることに致した。ゴホゴホ。皆、我らは曹操に従うのではない。そのことは肝に銘じよ。ゴホゴホ」
糜竺「陶謙様、そのような身体で出陣など。おやめくだされ」
陶謙「止めてくれるな糜竺よ。ゴホゴホ。あの3人を自ら討たねば、あの世に行って、たまに合わせる顔が無いのだ。ゴホゴホ」
陳珪「こうなったら殿をお止めするのは不可能だな。臧覇・曹豹、殿をくれぐれも頼むぞ」
臧覇「あぁ、わかってるよ」
曹豹「全く困りましたなぁ」
陶謙「2人とも頼りにしているぞ。ゴホゴホ」
陶謙の身体は穏やかに死に向かっていた。その矢先に袁術の皇帝の僭称。徐州に大乱を呼び込んだ張闓らの討伐という宿願が転がり込んできたのだ。寝たきりとなっていた身体を揺り起こし、出陣するその姿は、人格者と呼ばれた陶謙の最後の勇姿であった。
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