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3章 群雄割拠

曹操からの密書

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 家族との再会を打ち壊したのは、曹操からの使者であった。
 ???「曹操様の使者を務めております。楊彪ヨウヒョウと申します。此度は、献帝様からの密書を持って参りました。確認して返事をお聞かせ願いたい」
 劉備「小沛城の城主。劉玄徳だ。わざわざ御苦労様です。目を通してすぐに返事いたす。袁術討伐の任、お受けいたす」
 楊彪「これは感謝致しますぞ。帝は献帝様お1人、皇帝を僭称する袁術など許せませんからなぁ」
 劉備「全くです。準備諸々が済み次第すぐに向かいます」
 楊彪「断られたらどうしようかと思っておりましたぞ。これで肩の荷が降りたわい。では劉備殿頼みましたぞ」
 楊彪を見送る劉備。主要な者たちを集めて、軍議を行う。
 劉備「丁、あれで良かったのだな」
 義賢「はい。完璧でした。では、これより軍議を行います。今回から軍団長と軍師だけ集まってもらっています。小沛城の守りとして、趙雲殿と張郃殿そして華雄殿に李儒殿」
 趙雲「城を守るのも大事な役目、この趙子龍にお任せください」
 張郃「必ずやこの張儁乂がこの城をお守りしましょう」
 華雄「うむ任されよ」
 李儒「守りにも知者を残す。その任、お任せくだされ」
 義賢「皆様、よろしくお願いいたします。俺と張飛殿と関羽殿、それに鮮于輔殿、軍師として田豊殿、副軍師として沮授殿で袁術討伐に向かいます」
 張飛「おぅ。皇帝を僭称する袁術なんざ。叩きのめしてやらぁ」
 関羽「うむ。我ら義兄弟の力見せつけてやろうぞ」
 鮮于輔「よりにもよって皇帝を名乗るとはな。放置できねぇ」
 田豊「義賢殿が軍師では無いのは不思議ですが了解致しました。その任、お受けしましょう」
 沮授「田豊殿と共に策を講じましょうぞ」
 ここで各軍団のメンバーを紹介しよう。張飛軍2万(張飛を大将に龔都・何儀・何曼・黄邵・劉辟)。関羽軍2万(関羽を大将に周倉・廖化・裴元紹・徐盛)。義賢軍1万(劉義賢を大将に田豫・太史慈)。劉備の親衛隊長に陳到率いる1万の精鋭歩兵。鮮于輔軍1万(鮮于輔を大将に田籌)。張郃軍1万(張郃を大将に麴義・潘鳳)。趙雲が大将の趙雲軍1万。華雄軍1万(華雄を大将に徐栄・李儒)。流浪からここまで増えた兵数は10万。そのうちの7万による袁術追討軍であった。
 その頃劉備が承諾をしたことを満足した顔で聞いている曹操。
 楊彪「劉備は袁術追討を承諾しましたぞ」
 曹操「楊彪、良くやった。我らも動く。来年以降に徐州を手に入れるため。兗州の統一を急がねばならん。宛に籠る張済たちを討つぞ」
 戯志才「良い考えかと」
 郭嘉「美味しい美酒と曹操様のために頑張るとしようか」
 孫堅軍は揚州の制覇の途中にこのことを知る。
 孫堅「ほぅ。劉備殿が動いたか。策・権、揚州はお前たちに任せる。俺はかつて煮湯を飲まされた袁術の討伐に向かう。黄蓋・程普・韓当・祖茂ついて来い。孫静、お前は策の補佐を頼むぞ」
 孫静「兄上、了解しました」
 孫策「親父、任せてくれ。権と親父が戻る頃には揚州を制覇しといてやるぜ」
 孫権「父上、どうかお気をつけて」
 孫堅「任せたぞ我が子らよ」
 黄蓋「大殿、行きましょうぞ」
 程普「大殿、やっと袁術に返しができるのですな」
 韓当「大殿、目立ちますぞ」
 祖茂「大殿の御身はこの祖茂がお守りしましょう」
 孫堅「うむ、皆頼りにしているぞ」
 孔融「ワシも個人的に劉備殿には世話になったのでな。お付き合いしますぞ」
 孫堅「保護した孔融殿にお手伝いいただけるとは有り難い。感謝致します」
 孔融「任されよ」
 その頃、袁紹の客将となり張燕討伐の最中であった呂布の元には、貂蝉・そして陳宮と申すものが訪ねてきていた。
 貂蝉「やっとお会いできました。養父様」
 王允「おぅ貂蝉や。戻って参ったか」
 貂蝉「はい。これよりはまた養父様と一緒です」
 陳宮「陳公台と申します。呂布殿を見込んで、頼みたいことがありこちらに参りましたぞ」
 呂布「今、張燕討伐に忙しい。要件があるなら手短に頼む」
 陳宮「曹操から兗州を奪いなされ」
 呂布「何を言っている!?」
 陳宮「袁紹は使える器にあらず。呂布殿は立つべき御方。献帝様のおわす許昌を得るには兗州の奪取が必要不可欠。呂布殿にさえ、その気があるのなら兗州の諸侯には話をつけております。如何かな?」
 呂布「袁紹殿に受けた恩を返さずここを離れることなどできん」
 陳宮「今を置いて兗州を奪取する機会なぞ早々ありませんぞ」
 呂布「くどい」
 陳宮「わかりました。では、早々に張燕を討伐できれば考えてくださいますね」
 呂布「なんじゃと!?わかった考えてやる」
 陳宮「では、この陳公台を戦列にお加えください。必ずや張燕軍を破ってご覧に入れましょう」
 呂布「面白い。やってみろ」
 袁紹は本拠で袁術の皇帝僭称を知る。
 袁紹「(あの馬鹿めがといつもならいうところだが今回に関しては良い時期に事を起こしてくれた。それに孟徳にまでお膳立てしてもらえるとはな)劉備軍が動けない今、公孫瓚軍など恐れるに足らん。一息に幽州を喰らってやろうぞ。全軍界橋に向けて出陣」
 袁紹軍の戦列には、王を補佐する才能を持つと謳われた天才軍師の姿があった。
 ???「(袁紹様は王の器では無いのは明らか。今この一時は、河北を手中に収めることはできるだろう。だが、そこまでだ。やはり中原を手中に収めようとしている曹操殿こそ王にもっとも近いか。兄と甥を説得して、曹操殿の元に行くべきか。それとも娘婿である陳羣が仕えた劉備殿の器を見るべきか。悩ましい問題ですね)」
 各々の陰謀が渦巻く中、皇帝を僭称した袁術を討つ戦いが幕を開ける。
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