100 / 100
大也、住まいを大鳥邸に戻す
しおりを挟む
大也が犯罪忍者対策室に乗り込んだ理由は『いいトコ取り』をする為だったが、乗り込んだ当初の大まかな狙いは3つであった。
逮捕された琴宮一族の分家、琴宮煮干を脱獄させて礼金をガッポリ。
室長の猿飛聖と裏取引して、大鳥忍軍からの所属変更。
犯罪忍者対策室所属の彼女を見つける。
どれも上手くいかなかったが。
おデート中に毒騒ぎが起きたので琴宮煮干を脱獄させるチャンスはなかった。本人も毒で動けなかったのか脱獄していない。
室長の猿飛聖とは取引する関係が作れなかった。大也は(強いから)大物には好かれる体質なはずなのに。それどころか討伐に関与する破目になってる。
犯罪忍者対策室の彼女も作れなかった。犯罪者の風牙夜鶴の彼女は出来たが、真面目なエリートの彼女とヤッてみたかったのだが。
当初予定していた狙い通りにはいかなかったが、数日の滞在としてはまあまあの収穫である。
◇
大也は小森の惣領家の本邸で小森奈子の父親、50代の小森詩丸と謁見していた。
無論、小部屋で1対1で気さくに対面出来る訳もなく、大広間で20人も護衛が見てる前でだ。
「お初にお目に掛かります」
「うむ。何やら別館に住みたいとか」
「はい、実は――」
「ダメだ。早々に恋人共々立ち退いてくれたまえ」
大也の言葉も聞かずに詩丸は言い放った。
「ですよね~ーーコホン、畏まりました」
大也は二つ返事で素直に従った。
小森の惣領家に逆らったら面倒臭い事になるのだから。
「これまで匿っていただきありがとうございました。この御恩は一生忘れません。困った事があればお声掛け下さい。御奉公させていただきますので」
「うむ、またね」
これで謁見は終了して小森の惣領家の別館から追い出されたのだった。
◇
小森の惣領家の立派な門前を出たワンピース姿の夜鶴が
「追い出されちゃったわね」
「うん、そのワンピース、似合ってるよ」
「だから人前では褒めないでよ」
イチャイチャしてると、車から降りた金馬リョウが、
「お迎えにあがりました」
「誰?」
「大鳥忍軍が付けたオレの護衛兼伝達係」
と答えた大也が、
「大鳥忍軍が小森に陳情して『オレ達を追い出すようにした』でいいの?」
「まさか。新総帥就任の挨拶回りはしたと思いますが、そのような事言う訳が」
「ふ~ん」
「大也って大鳥邸住まいなのよね?」
「うん、でもね~」
「どうしたの?」
「大鳥邸は警備が笊だから。オレ、何度も狙われてるし。どうしようっかな~」
「いやいや、『連れて帰れ』との御命令ですのできていただきますよ」
リョウが大也に言ったので、
「まっ、いいか。なるようになれだ。ヨジ、覚悟してね」
「何の?」
「マジで警備が笊で寝てる時に襲われるから」
「そんな事もうありませんよ。何人処罰されたと思ってるんですか?」
見兼ねたリョウが言う中、
「何、その言い方? それだとまるでオレが悪いみたいじゃないの? 警備が無能なだけなのに」
「・・・確かに無能でしたが今は違いますので安心して下さい」
とのリョウが大人な対応を見せて、大也と夜鶴は車に乗って大鳥邸に向かったのだった。
逮捕された琴宮一族の分家、琴宮煮干を脱獄させて礼金をガッポリ。
室長の猿飛聖と裏取引して、大鳥忍軍からの所属変更。
犯罪忍者対策室所属の彼女を見つける。
どれも上手くいかなかったが。
おデート中に毒騒ぎが起きたので琴宮煮干を脱獄させるチャンスはなかった。本人も毒で動けなかったのか脱獄していない。
室長の猿飛聖とは取引する関係が作れなかった。大也は(強いから)大物には好かれる体質なはずなのに。それどころか討伐に関与する破目になってる。
犯罪忍者対策室の彼女も作れなかった。犯罪者の風牙夜鶴の彼女は出来たが、真面目なエリートの彼女とヤッてみたかったのだが。
当初予定していた狙い通りにはいかなかったが、数日の滞在としてはまあまあの収穫である。
◇
大也は小森の惣領家の本邸で小森奈子の父親、50代の小森詩丸と謁見していた。
無論、小部屋で1対1で気さくに対面出来る訳もなく、大広間で20人も護衛が見てる前でだ。
「お初にお目に掛かります」
「うむ。何やら別館に住みたいとか」
「はい、実は――」
「ダメだ。早々に恋人共々立ち退いてくれたまえ」
大也の言葉も聞かずに詩丸は言い放った。
「ですよね~ーーコホン、畏まりました」
大也は二つ返事で素直に従った。
小森の惣領家に逆らったら面倒臭い事になるのだから。
「これまで匿っていただきありがとうございました。この御恩は一生忘れません。困った事があればお声掛け下さい。御奉公させていただきますので」
「うむ、またね」
これで謁見は終了して小森の惣領家の別館から追い出されたのだった。
◇
小森の惣領家の立派な門前を出たワンピース姿の夜鶴が
「追い出されちゃったわね」
「うん、そのワンピース、似合ってるよ」
「だから人前では褒めないでよ」
イチャイチャしてると、車から降りた金馬リョウが、
「お迎えにあがりました」
「誰?」
「大鳥忍軍が付けたオレの護衛兼伝達係」
と答えた大也が、
「大鳥忍軍が小森に陳情して『オレ達を追い出すようにした』でいいの?」
「まさか。新総帥就任の挨拶回りはしたと思いますが、そのような事言う訳が」
「ふ~ん」
「大也って大鳥邸住まいなのよね?」
「うん、でもね~」
「どうしたの?」
「大鳥邸は警備が笊だから。オレ、何度も狙われてるし。どうしようっかな~」
「いやいや、『連れて帰れ』との御命令ですのできていただきますよ」
リョウが大也に言ったので、
「まっ、いいか。なるようになれだ。ヨジ、覚悟してね」
「何の?」
「マジで警備が笊で寝てる時に襲われるから」
「そんな事もうありませんよ。何人処罰されたと思ってるんですか?」
見兼ねたリョウが言う中、
「何、その言い方? それだとまるでオレが悪いみたいじゃないの? 警備が無能なだけなのに」
「・・・確かに無能でしたが今は違いますので安心して下さい」
とのリョウが大人な対応を見せて、大也と夜鶴は車に乗って大鳥邸に向かったのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる