【本編完結】幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~ 【改稿版】

日暮ミミ♪

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最低な夫と不倫妻 ③   ※

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「――あぁっ、うぅ……んっ。はぁ……あんっ」

 彼の腰の動きも相変わらず激しいながら、初夜の時よりよくなっている。ちゃんとあたしの感じやすいポイントを突いてくるようになったのだ。だから、あたしが漏らす喘ぎ声も決して演技ではなく、本物の快感から漏れ出ているものだ。

「……そうか、里桜はここが気持ちいいのか。ごめんよ、里桜。初夜の時、俺は実を言うと初めてだったから……。君をどう抱いていいか分からなかったんだよ」

「……………………」

 今さらそんなカミングアウトをされて、どう言葉を返せと? しかもアンアン喘がされているこの状況で。
 でも……そうか、この人チェリーだったのか。だからあんなに下手くそだったんだ、と納得はできる。一度目覚めた気持ち悪さは消せないけれど。

「里桜……、俺は本当は君を愛しているんだ。だから、早くこうして君と繋がりたかった……」

「……えっ? ……んっ、あっ……あっ。あ……あぁっ!」

 彼自身の先端が、あたしの最奥部――子宮口のすぐ近くをズンと穿ってきた。そのままズコズコと奥の方を連続して突いてくる。……これはマジでヤバい! デキてしまう……!
 そしてあたしもそろそろ絶頂を迎えつつあった。

「あ……、あ……っ! 正樹さん……、あたしもう……イきそう……っ! は……ぁ……んっ」

「お……俺も……出したい……っ!」

「あ……っ、イ……くっ! あぁぁぁー……っ!」

「う……っ!」

 あたしの目の前が爆ぜたのと同時に、最奥部にズチューンと熱い彼の精が大量に吐き出された。彼は被膜を着けていなかったので、直接注ぎ込まれたのだ。
 ……どうしよう、気持ちよかった。本気で感じて達してしまった。こんなはずじゃなかったのに……。


   * * * *


「――で、里桜。お前は後悔してるワケだ?」

 翌日。寝室であたしの話を聞いた大智はそうコメントした。正樹さんの浮気疑惑についても話してある。ちなみに、まだ二人とも服は着たままだ。
「ルナちゃんと遊びに行く」と正樹さんにウソのアリバイを伝え、あたしは予定どおりに大智のマンションへ来ていた。
 女の子の友だちと遊びに行くような服装の下には、なぜかエロい上下セットのランジェリーという謎の組み合わせで。正樹さんはツッコまなかったけれど、「スーパー銭湯にも行く」というウソを真に受けてくれたからだろう。

「うん……。まさかあの人が、エッチが上手くなってるなんて思わなくて。不覚にもイかされちゃって」

 あの人とのセックスでは絶対にイかないと決めていたし、あたし自身にもその自信はあったのに。

「でもさぁ、ダンナの荷物から浮気の証拠が出てきたんだろ? もしかして、その相手の女と特訓でもしてたんじゃねえの? だとしたらお前のダンナ、最低なヤリ✕ン男だな」

「……やっぱり、大智もそう思う?」

 行為の最中に「愛している」とあたしに言いながら、あたしの知らないところで他の女とエッチの特訓をしていたなんて!

「あーー、なんか腹立ってきた! あの人にもだけど、あんなので感じてイっちゃった自分の不甲斐なさにも!」

「……まぁ、ダンナに腹立てんのはまだ分かるけど。自分に腹立てんのはなんで? オレへの罪悪感からか?」

「そりゃ、もちろんそうだよ」

 愛してもいなかった夫とのセックスで達してしまったことが、本当に好きな大智への裏切りのような気がしているから。

「それで、マジでダンナに心まで許しちまったらどうしよう、って思ってるワケ?」

「それとこれとは別。あたしは体の相性で大智を好きになったワケじゃないし、あの人のエッチが上手くなったからって、まだまだ大智の域には達してないもん」

「それならよかった。――じゃあさっそく、昨夜の上書きしてやるよ」

「うん」

 あたしは彼の目の前で服を脱ぎ、例のランジェリーだけの姿になった。

「ぅお…………。お前、それ……ダンナにも見せたのか?」

 正樹さんだけでなく、大智もあたしのレアなセクシーランジェリー姿にゴクリと唾を飲み込んだ。

「うん、見せたけど。……大智、これどう? あたし、変じゃない……?」

「変じゃないよ。めちゃめちゃそそられるな。色もそうだけど、透けてんのがエロい。特に下の方が」

「……あんまりジロジロ見ないで。実はちょっと恥ずかしいんだから」

 あたしは顔をポッと火照らせて、ショーツの大事な部分を両手で隠す。
 この下着はクロッチの部分以外は全体的に透けているのだけれど、そのクロッチ部分も普段穿いているショーツより極端に面積が狭いのだ。Tバックまではいかないけれど。
 正樹さんの時は誘惑する意味もあったから堂々と見せていたけど、大智に見せるのはちょっと恥ずかしい。見られているだけで濡らしそうで……。

「……とりあえず、汚すの申し訳ないからそれ、脱がせていい?」

「いいよ。見せたかっただけだから」

 あたしが頷くと、彼はまずあたしのブラのホックを外して取り去り、ショーツにも手をかけてスルスルと脱がせた。
 そのまま裸になったあたしを優しくベッドの上に押し倒し、舌を絡め合う濃厚なキスを始める。

「ん……っ、んん……っ」

 彼は本当に、昨夜あの人とあたしがしたことの上書きをしようとしているみたいだ。同じ手順を踏むことで。

「……里桜、教えて。昨夜、ダンナは次にどうしてた?」

「えっと……、胸を揉んで……乳首を……指先で挟んで……」

 あたしが思い出しながら伝えると、彼も同じようにしてくれた。

「こうだな?」

「んんっ、あぁん♡ そう……、やっぱり……大智がしてくれる方が気持ちい……っ♡ あぁっ♡」

 彼が胸の先端を口に含み、舌をチロチロと動かすと、あたしの子宮がキュンとなった。正樹さんはこんなことまでしてくれなかったもの。
 早くココにあなたの精を注ぎ込んで……。あたしはそっと下腹部に手を添えた。

「……里桜、もうちょっと待って。ちゃんとオレの種をそこにそそいでやるから。一滴も残さずに」

「……うん」

 胸を愛撫していた彼の手がお腹を這ってから、あたしが手を当てていた下腹部まで下りてくる。あたしの手を優しくどけると、ついに割れ目に辿り着いた。そこはもう、胸で感じただけで蜜が溢れてトロトロになっている。

「ダンナはここ、どうしてた?」

「ん……分かんない。考えごとしてる間に、知らないうちにイっちゃってたから……」

「じゃあ、ここはオレの好きなようにさせてもらうな」

「うん、それでいいよ」

 彼は一昨日の夜もしてくれたように、指先であたしの肉芽やあたしのもっとも感じやすい蜜壺の入り口付近を優しく、時には激しく愛撫してくれた。自然と甘い声が漏れて腰が揺れる。
 どうでもいいけれど、今はまだ昼間なのにこんなに淫らでいいんだろうか。日光の差し込む明るい寝室で乱れている自分の姿を想像すると、どうにも恥ずかしい。

「……あっ、ぁあっ♡ あ……はんっ♡ あぁ……」

「里桜、気持ちよさそうだな。……ここ、舐めてもいい?」

「ん……っ、いいけど。お風呂に入った後じゃないから汚いかも……」

「汚くなんかないよ。お前の体はいつもキレイだ。胸も、ここも」

「え……、あぁっ♡ あ……っ、あん……っ♡」

 彼の生温かい舌が芽の先端を捉え、もう慣れたはずの感触にあたしの腰がまたビクンと跳ねる。後は彼が与えてくれる快感に身を任せて腰を揺らし続けた。
 陰核全体を舐め尽くされ、ヒダの部分や入り口付近にも舌が這ってきて、あたしの体が熱くなってきた。ビクビクを下半身が震え始める。もう――絶頂が近い。

「あんっ、あ…………、い……イくぅ……っ! あぁぁ~~……っ!」

 あたしの目の前が白く弾けて、ピュッと軽く潮を噴いた。

「はぁ……ゴメン、大智。やっちゃった」

 体の下には何も敷かれていなかったのに、粗相をしてしまったみたいで何だか恥ずかしいやら申し訳ないやら。でも、大智は優しく微笑みながら許してくれた。

「いいよ、ちょっと濡れたくらいだし気にすんなよ。こんなのすぐ乾くし。――それより里桜」

「うん?」

「ダンナはこの後、自分のも気持ちよくしてくれってお前に言ったんだっけ? お前がしたくないならオレはそこ、すっ飛ばしてもいいけど」

「ううん、いいよ。大智にも同じことしてあげる。何なら舐めてあげてもいいよ」

「……いや、そこまでしてくれなくていいから。手だけでいい」

 彼はそう言いながら自分も裸になり、彼の雄も剥き出しになった。あたしは体を起こし、少し膨らみ始めているソコに手を伸ばす。

「ダンナのヤツってオレより大きいのか?」

「うん。でも、エッチの上手さは大きさに比例しないから」

 正樹さんにもしたように、両手で彼のイチモツを揉みしごいていく。大智はあたしにこうされるのがあまり好きではないらしいけれど、今日は気持ちよさそうに「あぁっ、うぅっ」と声を漏らしている。
 やがて、彼の雄は質量と密度を増して大きく硬くなり、先端がピンク色に染まって透明な粘液で濡れてきた。今日はこの後、コレがそのまま何も被らない状態であたしのナカに入ってくるのだ。

「……そういや、お前とナマでヤるのって初めてだな」 

「うん、そうだね。大智はいつも避妊してくれてたから。……でも今日はいいの。大智の子供なら身ごもっても構わないから、あたし」

 むしろ、彼の子供がほしい。正樹さんの子をはらむくらいなら……。

「ウチの会社、ちゃんと産休・育休も取れるようにしてるから心配すんなよ。仕事なら在宅でリモートでもできるし、出産費用もオレが負担してやるから。結婚しても仕事は好きなだけしていいし、家のことだってできる方がやればいい」

 彼はあたしがもっとも心配していることを察して、社長として、恋人としてそう言ってくれた。この人と一緒になるためにも、早くあんな夫とは縁を切らなきゃ!

「……大智って絶対スパダリだよね。家事もできるし、気配りも上手だし、結婚したらいい夫になりそう。あの人とは大違いだよ」

「サンキューな、里桜。……じゃあコイツ挿れるから、受け入れて」

「ん……、あぁっ♡ あ……熱い……」

 クプッと音を立てて挿入ってきた雄からあたしの内部へ、熱がダイレクトに伝わってくる。彼が腰をグラインドさせると、そこからお互いの粘液が混ざり合う音がジュボジュボと立ってきた。

「……あっ、あっ……あっ♡ んんっ、あんっ♡」

 好きな人と直接繋がるって、こんなに気持ちいいんだ。被膜がない分熱いけれど、その熱さも心地いい。

「あっ、はあっ……。ん……んっ! 里桜、一気に奥までいくからちょっと脚持ち上げるぞ」

「んっ、……あぁっ! すごい……こんな奥まで挿入ってる……、あぁん♡」 

 彼に片脚を持ち上げられ、最奥部を一気にズンッと突き上げられる。そこはもう子宮口どころか子宮の内部だ。彼はそこに直接精を注ぎ込むつもりらしい。

「ダンナとの受精卵がもう……子宮内部まで届いてるかもしれねえから……っ。オレはそこにチョクでぶち込む……っ。里桜、この体勢ちょっとキツいだろうけど耐えられるか……?」

「ん……大丈夫っ! あん、あん……っ♡ あっ、あっ、ぁあっ♡」

 いちばん深いところで、彼の精がトプトプと注ぎ込まれるのを感じる。抽送のたびに、今まで意識したことがなかった奥の方の快感ポイントを刺激されて、あたしの腰もゆらゆらと動いた。こんなに濃厚な交わりは初めてだ。
 その快感が脳天でマックスに達した頃――。

「里桜……、オレ……もう出そう……っ。出して……いいか?」

「うん……、あたしも……イきそうだから……っ。いいよ……出して……っ! あ……あぁぁーーっ!」

「受け止めろよ……、うぅ…………っ!」

 ……ズッチューーン! 彼のありったけの精が、あたしの子宮内に熱く放出された。

「はぁ……、はぁ……っ。これで……上書きできたかな……」

「うん……多分……ね」

 完全にしぼんでしまった彼のイチモツが出ていってしまうと、そこがものすごく空虚に感じられた。でも、あたしの胎内には確実に彼の精子たねが注入されている。あとは二~三ヶ月後、あたしのお腹がどうなっているかだ。
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