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第23話 神器

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 勇者の僕が負けるなんて有り得ない。ノエルの夫は何かおかしかった、そうだ! 絶対にユニークスキルだ! 正々堂々の勝負にユニークスキルを使うとはせこいだろうが!

 強力なユニークスキルが持ってたから僕はやられたんだ。



 僕はムーリク王国に着いた。ソフィアさんも、僕に好意を寄せているハーレム候補の一員だ。

 ハーレムには、絶世の美女のノエルが欲しい、絶対に取り返す。

 ソフィアさんに簡単に強くなれる方法を聞いた、そしたら神が置いてっいったとされる神器が、この世界にはあるらしい。

 人々の暮らしと世界の平和を守っている勇者に、神器を献上しろと教会に命令を出した。

 ソフィアさんは教会に何度も神器があれば楽に魔王を討伐できると訴えても、教会は勇者に神器を貸さなかったらしいのだが。

 城の宝物庫に入ると、神器が揃っている。剣、弓、盾、斧、銃、杖、双刀、刀。

 白と黒の装飾が施された金の武器が宝物庫に揃っているのは圧巻だった。

「全部貰っていいんですか?」
「えぇ、勇者が弱体化したのを何故か教会は知っていたらしいのよ。で、勇者が倒れたらいけないと思ったんじゃないかしら、命令を出した次の日にはこの宝物庫に神器が送られてきたわ」

 僕はアイテムボックスに次々と神器を入れていく。アイテムボックスと言っても何でも入るポーチだが。凄い神器さえあれば、アイツに勝つことも不可能じゃない。

 アイツが人としては強力なユニークスキルを持っていても、もう僕には神としての強力な神器があるんだから。

 アイテムボックスに入れているだけで、力がみなぎる。これは凄い。

 ポーチから神器の剣を取り出した。宝物庫で空を切るとオーラが出て、何でも切れそうな感じだ。

「凄い、ソフィアさん! 凄いで……す、よ?」

 ソフィアさんを見れば、固まっていた。

 胸を触っても、スカートを捲っても、キスしても、何も反応しない。

 宝物庫の警備をしている人たちも止まっていた。

 また宝物庫で、胸を触ったり、スカートの中を覗いたり、キスしたりして、一応に楽しんだ僕は時間が止まった原因を探す。

 すると神器の剣で空を切ったところ、その空間に線みたいな物ができている。半透明な線で注意して見ないと分からない。

 その線を良く見てみると、修復されて、線が分からなくなる頃にはソフィアさんも動き出した。

「? 汗かいたのかしら? ちょっとベタベタするわね。ちょっとお風呂に入ってくるわ。神器はモーブルの物よ、上手く使えるようにならなくちゃね」
「はい、上手く使えるように練習します」
「そう」

 ソフィアさんが風呂場へ行く。ソフィアさんが練習しろって言ったんだからね。





 剣の使い心地は良かった。

 時間停止なんて、凄く強い! ソフィアさんと同じように風呂へ行って、めちゃくちゃスッキリした。

 ぐへへ、時間停止できると聞いたら、城下町へ出るしかないだろう。

 まだ昼だし、存分に楽しめようだ。



 夜遅くなって、城へ帰ってきた。

「遅かったわね。神器に少しは慣れた?」
「もちろんですとも」

 ソフィアさんの部屋に入ると、机に書類が山のようにあった。

「明日はさっそくココネの街に行かないとね」
「ココネの街の魔王なら、さっき倒してきましたよ」
「嘘!?」

 ノエルの夫をイメージして、神器の弓を使っていたら、いつの間にかラクセルの街の海辺に居た。弓の神器は、イメージした目的地に矢を射るとソコに瞬間移動することに気づいた。

 ちょうどいいとラクセルの街で、ココネの街のパンフレットを貰い魔王を討伐することにした。

 ココネの街に着くと、神器を扱いながらガレッグの街みたいに聞き込みをやる。可愛い子や美人な子がいたら、ハーレム候補として時間を止めた。


 盾を装備したら、道を行く人の頭に「魔王じゃない」と出てきた。可愛いと思った子では、プロフィールまでシッカリと記載されていた。

 盾は自分の知りたいことを教えてくれるのか。それから聞き込みをせずに魔王をサーチして、ココネの街の魔王を殺した。もちろん時間停止にして。

 僕は無敵だ。神器があれば無敵なんだ。そして何でもやりたい放題。



 ソフィアさんに「嘘じゃないですよ」と、盾を握りながら喋る。

「そう。凄いわね」
「もう三人も魔王を倒したんだから、ソフィアさんにも何か僕にご褒美をくださいよ」
「いいわよ、何がいいかしら」

 ソフィアさんは顎に指を置いて、斜め上を見ながら、僕のために考えているだろう。

「今夜デートでもいかがですか?」
「ホントに?」
「それが僕のご褒美です、宿も取りましょう」

「モーブルがそれで良いなら良いわよ」

 盾をポーチに戻し、ノエルに会うまでの前菜を頂こうかな。

 
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