324 / 622
11章
300話 不遇からの優遇
しおりを挟む
全然攻撃通らないでやんの。
ファイアエンチャントした銃の攻撃に関しては、エンチャントした分のダメージは入ってるみたいだけど、微ダメだったので殆ど効果無し。
流石にLv35の相手なのでHPは高いし、呪詛のダメージも、弱いとは言え、魔法防御のない私には刺さりまくっている。ついでにランダム状態異常が色々出てくるのも厄介で、耐性を上げていない私にはやっぱり刺さりまくり。
HPポーションをちびちび飲みながら距離を取って魔法弾と呪詛の撃ち合いをするわけだが、やられて分かる貫通系攻撃の嫌な部分よ。FWSを使って散々やっていた私が何を言ってんだって話になるのだが、こういうちょーっとした搦め手相手に対して弱い気がするな。
この間のボスモンスターもそうだったけど、分離やHPゲージ2本以上持っている敵が出てきそうなんだよなあ。
ああ、そうそう、何でこうのんびりと考えているっていう話なんだけど、絶賛石化中で行動不能状態になっている。これ、視界が固定されているし、動けないし、メニューも開けない。代わりにあと何秒で石化が解けますって表示が常にあるな。
で、石化している状態は一応無敵状態になってるらしく、強力な物理攻撃で粉々にされない限りは大丈夫そうだ。
(なーんて思ってるとだいたいはそうなるんよね)
視界の端にちらちらとドレイクセットが見えるので、多分破壊されるかな。
死霊に関しては完全に石化からの回復待ちで思いっきり待機しているし、完全に詰んでるわ、これ。
(ドレイクが殴りに来ない、そのうえで石化が解けてからの次の呪詛なり魔法攻撃に耐えて反撃は魔法を連打って所かなあ……)
んー、どうしたものか。せめてもう少しカッコいいポーズのままで石化したかった。座って一息ついた所で食らってそのまま固まってるとか間抜けにも程がある。
何て事を考えていたらそろそろ石化解除10秒前。トータルで1分も固まるってどんだけ強力なんだよ、この状態異常。そういえばパーティ全員を固める魔法なんてものがあったっけか、あれはいまだに使い所がよくわからんけど、とにかく現状をどうにかしないと行けないのが今の一番の問題だよ。
「なーんて、うまい事いけば良かったんだけどねー」
クランハウスの2F、いつもの椅子に座りながら葉巻をふいーっと吹かしつつ、わしゃわしゃとサイオンの頭を撫でまわしてストレス発散。
あの石化の解除5秒前、ドレイクに見つかってそのままフルスイングで攻撃されて真っ二つ、HPゲージが割れるような音がすると共にあっという間にこっちに戻された。
「状態異常と魔法防御、合わせて自分の武器の調達……んー……」
わしゃわしゃ撫でまわしてくしゃくしゃになったサイオンの髪を整えながら金髪エルフの作業場に。
……うーん、今日はいないっぽい、結構リアルが忙しい時があるって言っていたし、其れかもしれない。
だったらこういう時は、あいつの師匠に頼むのがいつものパターン。
「ってわけだから防具作って」
「アカメちゃん、折角菖蒲ちゃんがいるのに使ってあげないのぉ?」
「いい防具作ってくれるんだけど、まだまだなのよねー……あと仕上げに結構時間掛かるのも」
「職人気質が強いとしょうがないのよねぇ……それで、どんなのほしいわけ」
「状態異常耐性、魔法防御、ステータスアップなんてあったらすっごい助かる」
「うーん、ちょーっと難しいわね……魔法防御はどうにかなるけど、状態異常とステアップは裁縫じゃ組み込みがねぇ」
裁縫じゃなきゃ良いって事は、そうだな錬金……じゃないな、細工か?
こう、色々と耐性のあるものをしっかりと編み込んだり、装飾として付与したり、ってイメージ。
って言うか、此処に来てついにゴリマッチョもカバーできない領域に入ってくるとは。
「マジかー……じゃあ、いつも通りの今より強い防具とかは」
「ごめんねアカメちゃん、其れ以上になると、ね?」
親指と人差し指で輪っかを作ってこっちに見せつけてくる。
うん、まあ、金がいるってのは当たり前だし、いつもしっかり払ってやってるじゃないの。
「とりあえず幾らいる?」
「……ちょっと思ったんだけど、その耐性ってのは常に必要なわけ?」
「んー……一時的と言えば一時的な物だけど、なんかあるん」
「アカメちゃん、料理、興味ない?」
「そーいや、最近インスタントばっかだな」
今日の晩御飯も手抜きだし、もうちょっと人らしい食事を……。
「ちがうわよぉ、料理アイテムってあるじゃない?あれで一時的に強化するってのは?」
「あー……その発想は無かった」
「色々あるみたいだし、見てきたらどう?強めの防具は用意したげるから、ほーら、いったいった」
そのまま背中をぐいぐいと押されてクランショップを追い出される。地味に防具も用意してくれるってのが優しい奴だわ。
それにしても料理か、所謂バフ系アイテムって今まで使った事が無いから、発想すらなかった。ゲームバランスって言うかゲームテンポが悪くなるからって消された満腹度の変わりにバフ効果が付く、単純に使えるアイテムとして転生したおかげで、ガンナーと全く反対で超不遇から一気に超優遇職になった数少ない奴。羨ましすぎて嫉妬するわ。
「……料理人でも探して、囲ってやるのもいいかもねー」
葉巻を揺らして楽しそうにしつつ露店巡りを開始する。
ファイアエンチャントした銃の攻撃に関しては、エンチャントした分のダメージは入ってるみたいだけど、微ダメだったので殆ど効果無し。
流石にLv35の相手なのでHPは高いし、呪詛のダメージも、弱いとは言え、魔法防御のない私には刺さりまくっている。ついでにランダム状態異常が色々出てくるのも厄介で、耐性を上げていない私にはやっぱり刺さりまくり。
HPポーションをちびちび飲みながら距離を取って魔法弾と呪詛の撃ち合いをするわけだが、やられて分かる貫通系攻撃の嫌な部分よ。FWSを使って散々やっていた私が何を言ってんだって話になるのだが、こういうちょーっとした搦め手相手に対して弱い気がするな。
この間のボスモンスターもそうだったけど、分離やHPゲージ2本以上持っている敵が出てきそうなんだよなあ。
ああ、そうそう、何でこうのんびりと考えているっていう話なんだけど、絶賛石化中で行動不能状態になっている。これ、視界が固定されているし、動けないし、メニューも開けない。代わりにあと何秒で石化が解けますって表示が常にあるな。
で、石化している状態は一応無敵状態になってるらしく、強力な物理攻撃で粉々にされない限りは大丈夫そうだ。
(なーんて思ってるとだいたいはそうなるんよね)
視界の端にちらちらとドレイクセットが見えるので、多分破壊されるかな。
死霊に関しては完全に石化からの回復待ちで思いっきり待機しているし、完全に詰んでるわ、これ。
(ドレイクが殴りに来ない、そのうえで石化が解けてからの次の呪詛なり魔法攻撃に耐えて反撃は魔法を連打って所かなあ……)
んー、どうしたものか。せめてもう少しカッコいいポーズのままで石化したかった。座って一息ついた所で食らってそのまま固まってるとか間抜けにも程がある。
何て事を考えていたらそろそろ石化解除10秒前。トータルで1分も固まるってどんだけ強力なんだよ、この状態異常。そういえばパーティ全員を固める魔法なんてものがあったっけか、あれはいまだに使い所がよくわからんけど、とにかく現状をどうにかしないと行けないのが今の一番の問題だよ。
「なーんて、うまい事いけば良かったんだけどねー」
クランハウスの2F、いつもの椅子に座りながら葉巻をふいーっと吹かしつつ、わしゃわしゃとサイオンの頭を撫でまわしてストレス発散。
あの石化の解除5秒前、ドレイクに見つかってそのままフルスイングで攻撃されて真っ二つ、HPゲージが割れるような音がすると共にあっという間にこっちに戻された。
「状態異常と魔法防御、合わせて自分の武器の調達……んー……」
わしゃわしゃ撫でまわしてくしゃくしゃになったサイオンの髪を整えながら金髪エルフの作業場に。
……うーん、今日はいないっぽい、結構リアルが忙しい時があるって言っていたし、其れかもしれない。
だったらこういう時は、あいつの師匠に頼むのがいつものパターン。
「ってわけだから防具作って」
「アカメちゃん、折角菖蒲ちゃんがいるのに使ってあげないのぉ?」
「いい防具作ってくれるんだけど、まだまだなのよねー……あと仕上げに結構時間掛かるのも」
「職人気質が強いとしょうがないのよねぇ……それで、どんなのほしいわけ」
「状態異常耐性、魔法防御、ステータスアップなんてあったらすっごい助かる」
「うーん、ちょーっと難しいわね……魔法防御はどうにかなるけど、状態異常とステアップは裁縫じゃ組み込みがねぇ」
裁縫じゃなきゃ良いって事は、そうだな錬金……じゃないな、細工か?
こう、色々と耐性のあるものをしっかりと編み込んだり、装飾として付与したり、ってイメージ。
って言うか、此処に来てついにゴリマッチョもカバーできない領域に入ってくるとは。
「マジかー……じゃあ、いつも通りの今より強い防具とかは」
「ごめんねアカメちゃん、其れ以上になると、ね?」
親指と人差し指で輪っかを作ってこっちに見せつけてくる。
うん、まあ、金がいるってのは当たり前だし、いつもしっかり払ってやってるじゃないの。
「とりあえず幾らいる?」
「……ちょっと思ったんだけど、その耐性ってのは常に必要なわけ?」
「んー……一時的と言えば一時的な物だけど、なんかあるん」
「アカメちゃん、料理、興味ない?」
「そーいや、最近インスタントばっかだな」
今日の晩御飯も手抜きだし、もうちょっと人らしい食事を……。
「ちがうわよぉ、料理アイテムってあるじゃない?あれで一時的に強化するってのは?」
「あー……その発想は無かった」
「色々あるみたいだし、見てきたらどう?強めの防具は用意したげるから、ほーら、いったいった」
そのまま背中をぐいぐいと押されてクランショップを追い出される。地味に防具も用意してくれるってのが優しい奴だわ。
それにしても料理か、所謂バフ系アイテムって今まで使った事が無いから、発想すらなかった。ゲームバランスって言うかゲームテンポが悪くなるからって消された満腹度の変わりにバフ効果が付く、単純に使えるアイテムとして転生したおかげで、ガンナーと全く反対で超不遇から一気に超優遇職になった数少ない奴。羨ましすぎて嫉妬するわ。
「……料理人でも探して、囲ってやるのもいいかもねー」
葉巻を揺らして楽しそうにしつつ露店巡りを開始する。
10
お気に入りに追加
906
あなたにおすすめの小説
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜
FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio
通称、【GKM】
これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。
世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。
その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。
この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。
その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…
後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~
夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。
多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』
一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。
主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!!
小説家になろうからの転載です。
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる