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第二章 本部編

52 降参

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 勃っていないだと……
 そうギルのパンツ越しの性器は勃っていなかった。俺はキスされただけですぐに勃ってしまうと言うのになんってこった。

 ちなみに今回は俺も勃っていない。さっきキスしたのに全くエロい気持ちにならなかった。きっと緊張のせいで萎縮してしまっているのだろうと俺は思っていたのだが、まさかギルもだったとは……

 さて、どうしたものか……
 このパターンは予想していなかったので、考えても答えは出てこない。

 俺は様子を伺うようにギルの顔を見ると、バッチリと目があってしまった。
 ギルは無表情で俺のことをじっと見ている。レオだったらニヤニヤして俺のこと見てるだろうに、普段から仏頂面のギルが真顔でいるとさらに怖さが増すのでやめてほしい。笑顔なのも怖いけどね。

 俺は恐る恐るギルに次はどうすればいいか尋ねる。

「あの、この後どうすれば、いいかな……」

「俺に任せろって言ってたのにもう終わりか?」

「だ、だって! ギルの勃ってないから!」

 俺は恥ずかしさよりも困惑が勝ち素直に答える。するとギルは大きなため息を吐いた。

「今のどこに興奮する要素があったんだよ」

「そりゃ、キスだろ!」

「まさか、あのお子ちゃまみたいなキスのこと言ってんのか」

「お子ちゃまって言うな!俺の精一杯のキスだ!」

「あんなのマオでもできるぞ」

 7歳の男の子と一緒にしないでほしい。
 前世でキスなんか勿論したことない俺が自分からキスしたんだ。海外では挨拶みたいにするかも知れないが、そんな習慣なかった前世のことを踏まえて言ってほしい。なお、俺が転移者だということをもちろんギルは知らない。

「あんなキスじゃ全く興奮しないな、ほらもう一回やってみろ」

「……はい」

 真顔で言ってきたギルに反抗する事ができなかった俺は、もう一度ギルの太もも部分に座り直し、肩に手を置き、顔を近づけてキスをした。

 さっきよりも長めのキスをする。そろそろ離そうとした時ギルが舌を出して俺の唇を舐めてきた。驚いた俺はすぐに唇を離す。

「な、な、何すんだよ!」

「口を閉じたままじゃ次に進めないだろうが、ほらやってみろ」

「はい……」

  ギルの指示されるがまま俺は行動する。なんかレオと同じ状況になってるような気がする。
 ギルにもキスのやり方を教えてもらうことになるとは、レオに教えられたことをできるまで後どれだけ段階を踏めばいいのだろう。

 俺は心の中でため息をつきながら、もう一度ギルの唇に自身の唇を近づけて舌で舐める。するとギルが口を開き、

「そのまま舌絡ませろ」

と次の指示を出してきた。

 逆らうことなんてできない俺は、そのまま自分の舌をギルの舌に絡ませた。

「んっ……はぁ」

 今まではされるがままだったから、意識して舌を絡ませようとすると上手くいかず荒い息と溢れ出した唾液がクチュクチュと鳴りイヤらしい音を部屋中に響かせている。

 たまにギルの方から舌を絡ませてきて、その感触にゾクゾクしていると、いつのまにかギルにリードされる形となっていた。
 やっぱり自分でするキスよりも気持ちよくて、リードされていることもわかっているのに、なされるがままギルとのキスに夢中になってしまっていた。

「ん……ンッ、っふ」

 数分間の深いキスを終え、唇を離した俺はヘナヘナと力が抜けてギルの熱い胸板にもたれかかる。

 ふと手をギルの股間に持っていくとギルのものもちゃんと反応しているのがわかった。もちろん俺のものも反応している。

 結局されるがままになってしまったが、俺から始めたキスでギルが反応したと思うと高揚感に包まれた。

 この後も俺がリードしなきゃいけないのだが、頭がぼーっとしてとてもじゃないができる気がしない。
 そんなへばっている俺に気づいたギルは俺の頭に手を置きポンポンと叩く。

「大丈夫か、この後は何をしてくれるんだ?」

「んっ……ギルに任せる」

「おいおい、俺に任せろとか言ってただろうが……」

「……むりぃ」

 なんで同じようにキスしたはずなのにこんなに平気でいられるんだろう。やっぱり鍛え方が違うのかな?
 ギルに休んで貰うはずだったのに、レオに教えてもらった事が全く活かせないまま俺は早々に白旗を上げることとなった。

「はぁ、それじゃいつも通り好きにさせてもらうぞ」

 そう言ったギルはもたれかかっている俺の腰を掴みぐるりと回転させ、俺をベッドに寝かせ自分が上になるいつもの構図が出来上がった。

 ギルは躊躇なく俺の服を脱がしていき、あっという間に全裸にさせられてしまった。あの後キスマークは綺麗に消えていたので裸になっても問題はない。

 裸になった俺の胸元を何故かギルがじっと見ていた。

「サタローお前もしかして……」

 そう呟いた後、俺の胸の突起を舌で舐め、反対側は手でいじり始めた。
 久しぶりの快感に驚いた俺は大きな声を上げ反応してしまう。

「あっ、そこ、だぁめっ……」

「やっぱり少し腫れてると思ったら、自分でイジってたのか?」

「ちが、うっ……レオにっ、んぅ、くぅっ」

 レオにイジられて以来、俺の胸は敏感になってしまったらしく大変だった。服が擦れただけで感じるし、お風呂で体を洗う時なんて地獄だった。

 あれから少し腫れてなんか前より大きくなってる気がして恥ずかしかった。
 俺が自分でイジる訳ないのに意地悪なこと言ってくるギルに反抗しようとするが、気持ち良すぎてそんなこと言える状態ではなかった。

「やっぱりあいつの仕業か、あいつも好き者だな。ますますエロい体になったな、アルが見たらびっくりするぞ」

「やっ……ち、ちがうっ……! んん゛」

「でも、気持ちいんだろ」

「……きもち、い…そこっ……らめぇ、イっちゃう、から」

 正直乳首をイジられるのがこんなに気持ちいなんて思ってもいなかった。自分で触るよりも他人にさわられるのは押し寄せてくる快感のレベルが違いすぎて本当にヤバい。

「乳首だけでいくのか?」

「イ、イク! ふっ…あ゛っ、イグッ……んん゛!」

 俺はその言葉通りに射精し自身の腹を白く汚した。
 本当に乳首だけでイってしまった俺を見て驚いているギル。まさか本当にイクなんて思っていなかったようだ。

「マジでいくのかよ……エロすぎだろサタロー」

 驚いていたがどこか楽しそうな声だった。






 
 


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