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出逢い
ルプシス、斬竜を狙う
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ルプス竜は、オオカミを意味する<ルプス>が名前の由来になってはいつつ、その習性や生態はむしろ<ハイエナ>に近いかもしれない。長らくライオンなどが狩った獲物のおこぼれをいただくというイメージが持たれていたハイエナではあるものの、実際、ハイエナの仲間には主に他の肉食獣の食べ残しや屍肉を漁るものもいるものの、一般的に<ハイエナ>として最も知られている<ブチハイエナ>については自ら狩りをして獲物を得ることも多く、ルプシスもそうだった。
場合によってはティランタスなどが倒した獲物を横取りすることさえあるどころか、先にも述べた通り、若く未熟なティランタスさえ獲物にすることさえある獰猛な捕食者なのだ。
若いティランタス一頭が相手ならわけなく倒せた斬竜だったものの、二十頭以上のルプシスが相手ではさすがに分が悪い。しかも囲まれてしまっている。
が、その時、
「!?」
ルプシスの一部がハッと頭を上に向けた。その隙を、斬竜は見逃さなかった。最も近くにいたルプシスの首を爪で切り裂き、大きな動脈を切断してみせた。バアッと血飛沫が上がり、頭部への血流が阻害されて意識を失い、倒れ伏す。
すると他のルプシスが、倒れた仲間に群がる。助けようとしたわけではない。ためらうことなく倒れた仲間を貪り出したのだ。これもまたルプシスの特徴だった。死ねば仲間であろうと容赦なく食う。苛烈な生き様とも言えるだろう。
そうして群れの一部は斬竜から意識を逸らしたが、当然ながらすべてではない。しかしそれらも、斬竜と上空を交互に見ていた。そこに、
「おらああああっっ!!」
気勢と共に飛び込んできた者が。
錬義だった。錬義が斬竜に加勢するために飛び降りてきたのだ。
さすがに蹴りを食らわせようとしたルプシスが身を躱したために空振りに終わったが、地面に着地した瞬間に弾かれるように飛び、すぐ脇にいたルプシスの首に容赦のない蹴りを叩き込んだ。
「ゲヒッッ!!」
蹴られたルプシスは悲鳴を上げて地面に倒れ、痙攣を始める。するとそれに対しても、他のルプシスが襲い掛かった。
これが錬義の狙いだった。そして、斬竜の狙いでもある。二人は互いに手近なルプシスに襲い掛かりやはり倒してみせた。
すると完全に群れの統率が乱れ、隙が生まれる。
それを見逃さず、斬竜はすさまじい速度でその場から逃げ出した。錬義もその後を追う。
斬竜としてはすでに腹は膨れているので、別にこれ以上相手をする理由もない。ここはとにかく『逃げるが勝ち』である。
場合によってはティランタスなどが倒した獲物を横取りすることさえあるどころか、先にも述べた通り、若く未熟なティランタスさえ獲物にすることさえある獰猛な捕食者なのだ。
若いティランタス一頭が相手ならわけなく倒せた斬竜だったものの、二十頭以上のルプシスが相手ではさすがに分が悪い。しかも囲まれてしまっている。
が、その時、
「!?」
ルプシスの一部がハッと頭を上に向けた。その隙を、斬竜は見逃さなかった。最も近くにいたルプシスの首を爪で切り裂き、大きな動脈を切断してみせた。バアッと血飛沫が上がり、頭部への血流が阻害されて意識を失い、倒れ伏す。
すると他のルプシスが、倒れた仲間に群がる。助けようとしたわけではない。ためらうことなく倒れた仲間を貪り出したのだ。これもまたルプシスの特徴だった。死ねば仲間であろうと容赦なく食う。苛烈な生き様とも言えるだろう。
そうして群れの一部は斬竜から意識を逸らしたが、当然ながらすべてではない。しかしそれらも、斬竜と上空を交互に見ていた。そこに、
「おらああああっっ!!」
気勢と共に飛び込んできた者が。
錬義だった。錬義が斬竜に加勢するために飛び降りてきたのだ。
さすがに蹴りを食らわせようとしたルプシスが身を躱したために空振りに終わったが、地面に着地した瞬間に弾かれるように飛び、すぐ脇にいたルプシスの首に容赦のない蹴りを叩き込んだ。
「ゲヒッッ!!」
蹴られたルプシスは悲鳴を上げて地面に倒れ、痙攣を始める。するとそれに対しても、他のルプシスが襲い掛かった。
これが錬義の狙いだった。そして、斬竜の狙いでもある。二人は互いに手近なルプシスに襲い掛かりやはり倒してみせた。
すると完全に群れの統率が乱れ、隙が生まれる。
それを見逃さず、斬竜はすさまじい速度でその場から逃げ出した。錬義もその後を追う。
斬竜としてはすでに腹は膨れているので、別にこれ以上相手をする理由もない。ここはとにかく『逃げるが勝ち』である。
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