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第四世代
彗編 接近警報
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「ガウッッ!?」
一見しただけじゃあまり強そうに見えなかったキャサリンの一撃に、オオカミ竜の様子が変わるのが分かった。ようやく彼女の強さを察したか?
しかし、引き下がるつもりはなさそうだ。間合いを取って横に移動しながらも飛び掛かるチャンスを狙っているのが分かる。
一方で、その一合で力の差を悟ったんだろう。ライフルのスコープを覗き込んでいたビアンカから緊張の色が消えるのも、ドーベルマンMPM十九号機のカメラ映像で察せられた。
実際、キャサリンが負けるという印象がまるでない。むしろ彼女がいかにしてこのオオカミ竜を仕留めるか?という点に関心が移ってしまったのも事実だな。
それを証明するかのように、彼女にはまったく隙が見当たらない。オオカミ竜が隙を探るべく飛び掛かるような素振りを見せつつ様子を窺っているのに、まるで動じないんだ。おそらく飛び掛かってきてから反応しても十分に間に合うことが本人には分かってるんだろうな。
アラニーズの身体能力は、本当にずば抜けている。まともに相手になるのは、マンティアンくらいだろう。それ以外となれば、サイゾウくらいだろうか。夷嶽や牙斬はさすがに向こうの方が格上だとしても、ヒト蛇までならギリギリ戦える場合があるのは、蛮が実証してみせている。もちろん、蛮と同等の強さを持つ個体はそんなに多くはないという事実もありつつも。
キャサリンはまだ幼いとはいえ、それこそオオカミ竜程度なら問題ないということか。
だがその時、ドウから接近警報が届く。キャサリンと若いオオカミ竜とが対峙していたそこに、また別のオオカミ竜が近付いてきたんだ。これまた若い雄のようだな。巣立ったばかりの。
獲物を求めて彷徨っていたところ、この現場に遭遇したか。
オオカミ竜は基本的に群れで行動する獣だ。まったく別の群れから巣立った雄同士ではあっても、獲物を狙う時には共闘することもある。それができる。だから、先のオオカミ竜の雄と力を合わせようとするかのごとき動きを見せた。キャサリンの背後に回って迫ってきたんだ。
が、残念だったな。アラニーズにとって背面は死角にはならない。加えて、ドウもいる。ビアンカも見守ってる。ビアンカは再び緊張した様子でライフルのスコープを覗き込んだ。
なのにキャサリンは、背後から襲い掛かってきたオオカミ竜を軽々と躱し、逆に本体の側の脚で目一杯蹴りつけた。
「ゲヒッッ!?」
その一撃に、背後から襲い掛かったオオカミ竜がまるで自動車にでも撥ねられたかのごとく吹っ飛んだのだった。
一見しただけじゃあまり強そうに見えなかったキャサリンの一撃に、オオカミ竜の様子が変わるのが分かった。ようやく彼女の強さを察したか?
しかし、引き下がるつもりはなさそうだ。間合いを取って横に移動しながらも飛び掛かるチャンスを狙っているのが分かる。
一方で、その一合で力の差を悟ったんだろう。ライフルのスコープを覗き込んでいたビアンカから緊張の色が消えるのも、ドーベルマンMPM十九号機のカメラ映像で察せられた。
実際、キャサリンが負けるという印象がまるでない。むしろ彼女がいかにしてこのオオカミ竜を仕留めるか?という点に関心が移ってしまったのも事実だな。
それを証明するかのように、彼女にはまったく隙が見当たらない。オオカミ竜が隙を探るべく飛び掛かるような素振りを見せつつ様子を窺っているのに、まるで動じないんだ。おそらく飛び掛かってきてから反応しても十分に間に合うことが本人には分かってるんだろうな。
アラニーズの身体能力は、本当にずば抜けている。まともに相手になるのは、マンティアンくらいだろう。それ以外となれば、サイゾウくらいだろうか。夷嶽や牙斬はさすがに向こうの方が格上だとしても、ヒト蛇までならギリギリ戦える場合があるのは、蛮が実証してみせている。もちろん、蛮と同等の強さを持つ個体はそんなに多くはないという事実もありつつも。
キャサリンはまだ幼いとはいえ、それこそオオカミ竜程度なら問題ないということか。
だがその時、ドウから接近警報が届く。キャサリンと若いオオカミ竜とが対峙していたそこに、また別のオオカミ竜が近付いてきたんだ。これまた若い雄のようだな。巣立ったばかりの。
獲物を求めて彷徨っていたところ、この現場に遭遇したか。
オオカミ竜は基本的に群れで行動する獣だ。まったく別の群れから巣立った雄同士ではあっても、獲物を狙う時には共闘することもある。それができる。だから、先のオオカミ竜の雄と力を合わせようとするかのごとき動きを見せた。キャサリンの背後に回って迫ってきたんだ。
が、残念だったな。アラニーズにとって背面は死角にはならない。加えて、ドウもいる。ビアンカも見守ってる。ビアンカは再び緊張した様子でライフルのスコープを覗き込んだ。
なのにキャサリンは、背後から襲い掛かってきたオオカミ竜を軽々と躱し、逆に本体の側の脚で目一杯蹴りつけた。
「ゲヒッッ!?」
その一撃に、背後から襲い掛かったオオカミ竜がまるで自動車にでも撥ねられたかのごとく吹っ飛んだのだった。
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