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ロボット忍者、アリシアの街角忍法帳
岩丸ゆかり、不機嫌になる
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こうして<メイトギアショー>の会場での捜索が進む中、千堂アリシアは夜の街を散策していた。
『華やかな街ですね。ただ、本当に緑が少ない』
情報としては持っていたものの、JAPAN-2と比べても本当に緑が少ないことに、アリシアは妙な関心をしていた。JAPAN-2も実は決して『緑が多い』部類には入らないものの、街路樹はすべての道路に植えられ、生垣を塀代わりに用いている建築物も多く公園も至る所にあって、どこにいても緑は目に止まるのだ。
が、ここ、ニューオクラホマの中心部付近には、街路樹さえまばらである。開発当初から、緑地は緑地でまとめて、街中は、オフィス内に観賞植物を飾ったり、スクリーンに自然の風景を映し出す程度でよいと当時は考えられていたらしい。だから、外壁に埋め込まれたスクリーンに自然の風景を映しているビルも多い。
とは言え、やはりそれだと何かが違うのだ。さりとて、初めは宇宙服なしでは人間が生存することさえできなかった火星に、せめてもの癒しとして大型スクリーンで地球の自然を映し出したことがはじまりとなっているその手法を『火星特有の文化である』と考えている者もいるという。なので、頭ごなしに否定するのも違うのかもしれない。
いずれにせよ、その独特の雰囲気が、アリシアには新鮮に思えた。データとしては知っていても、
『実際にこうして目にするのとはやはり違いますね……』
そんな風にも思う。
一方、同じ頃、岩丸ゆかりも、街の中を歩いていた。
『なんであれが売ってないのよ…! ニューオクラホマ産じゃなかったの……!?』
そんなことを考えながら不機嫌そうにのしのしと歩道を進む。
彼女の言う<あれ>とは、ゆかりお気に入りのスナック菓子であった。彼女はそれを一日一回食べないと機嫌が悪くなるという癖があった。
しっかりとした甘み旨味がありながら低カロリーで、
『<夜のおやつ>にピッタリ!』
と宣伝されているものだった。それを製造している製菓会社とその工場がニューオクラホマにあり、彼女はニューオクラホマであればてっきりどこにでも売っているものだと思っていたのだ。
が、それは彼女の勘違いである。アメリカ由来のニューオクラホマの住人達は、確かに健康志向の者達であれば低カロリーの食品を意識して選ぶものの、全体としての傾向は、
<高カロリーかつ食べ応えのあるもの>
を好み、決して主力商品になるようなものではなかったのだ。ゆえに、それなりに商品の数を揃えている店舗でないと置いておらず、安ホテルの売店程度では、置いていないところも多かったのだった。
『華やかな街ですね。ただ、本当に緑が少ない』
情報としては持っていたものの、JAPAN-2と比べても本当に緑が少ないことに、アリシアは妙な関心をしていた。JAPAN-2も実は決して『緑が多い』部類には入らないものの、街路樹はすべての道路に植えられ、生垣を塀代わりに用いている建築物も多く公園も至る所にあって、どこにいても緑は目に止まるのだ。
が、ここ、ニューオクラホマの中心部付近には、街路樹さえまばらである。開発当初から、緑地は緑地でまとめて、街中は、オフィス内に観賞植物を飾ったり、スクリーンに自然の風景を映し出す程度でよいと当時は考えられていたらしい。だから、外壁に埋め込まれたスクリーンに自然の風景を映しているビルも多い。
とは言え、やはりそれだと何かが違うのだ。さりとて、初めは宇宙服なしでは人間が生存することさえできなかった火星に、せめてもの癒しとして大型スクリーンで地球の自然を映し出したことがはじまりとなっているその手法を『火星特有の文化である』と考えている者もいるという。なので、頭ごなしに否定するのも違うのかもしれない。
いずれにせよ、その独特の雰囲気が、アリシアには新鮮に思えた。データとしては知っていても、
『実際にこうして目にするのとはやはり違いますね……』
そんな風にも思う。
一方、同じ頃、岩丸ゆかりも、街の中を歩いていた。
『なんであれが売ってないのよ…! ニューオクラホマ産じゃなかったの……!?』
そんなことを考えながら不機嫌そうにのしのしと歩道を進む。
彼女の言う<あれ>とは、ゆかりお気に入りのスナック菓子であった。彼女はそれを一日一回食べないと機嫌が悪くなるという癖があった。
しっかりとした甘み旨味がありながら低カロリーで、
『<夜のおやつ>にピッタリ!』
と宣伝されているものだった。それを製造している製菓会社とその工場がニューオクラホマにあり、彼女はニューオクラホマであればてっきりどこにでも売っているものだと思っていたのだ。
が、それは彼女の勘違いである。アメリカ由来のニューオクラホマの住人達は、確かに健康志向の者達であれば低カロリーの食品を意識して選ぶものの、全体としての傾向は、
<高カロリーかつ食べ応えのあるもの>
を好み、決して主力商品になるようなものではなかったのだ。ゆえに、それなりに商品の数を揃えている店舗でないと置いておらず、安ホテルの売店程度では、置いていないところも多かったのだった。
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