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十二話「婚約者問題を解決しよう」②
しおりを挟む「えっと、そのお茶会を欠席したいのですが……」
お父様とお母様が顔を見合わせる。お母様が眉根を寄せこちらを見る。
「ディアーナ、王室主催のお茶会ですのよ。一度参加すると返事をしておきながら、それを覆すなんて……」
「病気になるか、親族が亡くなるか、よほどの理由がないと無理なんだよ」
お父様が困ったように眉を下げる。
「そうでしたか、わがままを言って申し訳ありませんでした」
お茶会に参加しないでコーエン王子に会わないのが一番いい。
だけど王室主催のパーティだ、公爵家といえど簡単に欠席出来るものではないのだろう。
直前になって仮病を使うとか、お茶会でコーエン王子に会わないように逃げ回るとか、何か別の方法を考えよう。
「話はもう終わりかな? ディアーナ?」
「あらでしたらこちらで一緒にお茶を」
お父様とお母様が手招きをする。
「いえ、もう一つお話ししたいことがあります」
お茶会の件がだめなら、コーエン王子に出会う前にせめて婚約者を……!
「私の婚約者のことなのですが……」
お父様とお母様が紅茶を皿に置いた。
「どなたか良いお相手はいらっしゃらないかしら? 王族と教会関係者と親が騎士団をしている人を除いてなのですが」
王族→コーエン王子、教会関係者→司祭の息子のマルク・ベーア、親が騎士団→ゲオルグ・ホーナー。
この三人は絶対にないと思っているので、先に伝えておく。
この三人の内の誰と婚約しても、ユリア絡みで断罪されそうだし、第一三人で一人の女を共有するような男はお断りだ。
「なるべく早く婚約者を決めたいのです、できるなら一ヶ月以内に」
今は四月、王室主催のお茶会は六月、それまでに婚約者を作っておきたい。
「ディアーナ、そうか……ディアーナもようやく婚約者の話を受け入れる気持ちになってくれたか……」
お父様が目頭を押さえる。
「まぁまぁ、ディアーナがフリードと口を聞かなくなって数年、一時はどうなるかとハラハラしましたが、ディアーナの気持ちも固まったようですわね」
お父様とは対照的に、お母様はニコニコとほほ笑んでいる。
「昨日も普通に会話しておりましたし、フリードが池に飛び込み命がけでディアーナを助けたのが功をそうしたのかしら? フリードの粘りがちですわね」
ん? なんでここでフリード様の名前が出てくるの?
フリード様はディアーナの義理のお兄さんでしょう??
「エミリアーー! ディアーナがお嫁に言ってしまったら、わしは寂しいよーー!」
お父様がおいおいと泣き、お母様に抱きついた。
「あらあらなんですか年甲斐もなく、ディアーナはお嫁に出しませんよ、婿養子を取るのですから」
えっ? フリード様という養子がいるのに、ディアーナはお嫁に出さないの?
お父様とお母様はディアーナに公爵家を継がせるつもりなのかしら?
だとしたらフリード様を養子にした意味って?
「ディアーナ、お父様が泣いてしまったのでこの話はまた明日、フリードも交えていたしましょう」
「……はい」
よく分からないけど、ディアーナの婚約者について、お父様とお母様にはすでに目をつけた候補者がいるらしい。
婚約者の件はとりあえずなんとかなった、そう思っていいのかな?
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