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四十八話「白のベビードール②」*

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ノヴァ視点

昨日までシエルの着ていた服と、シエルの使用したバスローブやタオル類などはコレクションとして魔法の空間ツァウバー・ラウムにしまった。

着る服がなくて全裸なのは分かる、だが抱きつかれた理由が分からない。

理由はどうあれシエルから抱きついてくる事などめったにないので、シエルの背に手を回し、すべすべした肌の感触を堪能する。

手を下に移動し尻をもみしだこうとしたとき、シエルのすすり泣く声が聞こえた。

心臓がドクドクと音を鳴らす、どうしてシエルは泣いているのだ??

尻を撫でるのを諦め、頭をそっと撫でる。

「ノヴァさんのバカ! どこに行ってたんですか!?」

シエルが上目遣いで私を見据える。

「起きたら隣にノヴァさんがいないし、お風呂にもトイレにも隣の部屋にもいないから……消えちゃったのかと」

シエルの瞳は涙で濡れていた。

「すまない、不安にさせた」

シエルに一声かけてから部屋を出るべきだった。

私が部屋を空けたのは五分ほどだが、その間に目覚めたシエルには長く感じたのかもしれない。

「うっ、ひっく……怖かった……、ノヴァさんに、捨てられたのかと思った」

瞳をうるうるさせて震えるシエルも愛らしい、押し倒したい!

いや違う、図らずもシエルを泣かせてしまった。

「私がシエルを捨てるはずがない!」

頬の涙を拭い、桃色の唇に自身の唇を重ねる。

「俺、ノヴァさんがいない生活なんて……もう出来そうにないです」

可愛い顔でなんといじらしい事をいうのだ! シエルの背に腕を回し強く抱きしめた。

「それは私も同じだ! シエルのいない世界で生きていくなんて考えられないし、耐えられない!!」

そんな悲しい想像をさせないでくれ! 

「愛しているシエル!」

「俺も……ノヴァさんが好きです」

唇を重ね舌を口内に侵入させ舌を絡めとる。シエルの小さな尻をもみしだき、アナルに指を入れ中を解かそうとしたとき……。

「ん、だめ……! ノヴァさんが黙って部屋を出ていった理由を説明するのが先です!」

胸を叩かれ拒否されてしまった。ポカポカと私の体を叩く仕草もキュートだ。シエルは愛らしさの塊だ。

初めて会ったとき、人工呼吸をキスと勘違いされ頬を殴られた。あの時から、私はシエルに殴られる事に密かに快感を覚えている。

その華奢な体と可憐な手でもっと私を殴ってくれ……!

竿に熱が集まる、硬くなった肉棒をシエルの細い腰に押し付けると、シエルに頬をつねられた。

「ノヴァさん……!」

私を睨むシエルの目が笑っていない。これは真剣に謝らないと半日無視されるパターンだ!

「すまない、食事と服を取りに行っていた。黙って部屋を出たのはシエルが気持ちよさそうに寝ていたからだ」

「本当にそれだけですか?」

シエルが私の胸に顔を埋め、くんくんと服の匂いを嗅ぐ。

そういえば先ほどの従業員は香水の匂いがきつかったな、食事を運ぶ者としては失格だ。

「シエル、この匂いはその……」

やはりあの従業員は殺しておくべきだった。

「ごめんなさい、俺ノヴァさんのこと疑ってました……部屋に入って来たときノヴァさんからいつもと違う香水の香りがしたから……でもノヴァさんの服からはその香りはしなくて」

従業員の香水の匂いは私にはうつっていなかったのようだ。ホッと息を吐く。

「服と食事を運んできた従業員の匂いだ、やたら香水がきつい男だったからな、匂いが廊下に充満していたのだろう」

「そうだったんですね、ごめんなさい」

シュンとうなだれるシエルが可愛い♡ 許す! シエルが何をしても私は許す自信がある!

これはまさか嫉妬? シエルがヤキモチをやいてくれたのか?

出会ったばかりの頃、酒臭い男について行こうとしたり、娼館で働こうかと口にしていたシエルが、私と離れたくないと涙ぐみ、他の男の匂いに嫉妬してくれるなんて! 嬉しくて死ねる! いやシエルを残しては死ねん!!

「シエルを一人にし不安にさせたのは私だ。全部私が悪い」

「ノヴァさん……!」

シエルの心臓がキューン♡と音を立てた、私には聞こえた!

シエルの表情に私の心臓もキュンキュン♡している!

「食事にしよう」

「その、先に服を見せてもらってもいいですか? 昨日まで俺が着ていた服と靴、それから宿のバスローブとタオルが見当たらなくて……」

シエルが使用したものは、全て魔法の空間ツァウバー・ラウムに保存している。

シエルの使用済みパンツは最優先で回収している。

私と二人きりのときシエルには全裸でいてほしい! 宿にいる間中、私のペニスをシエルのアナルに入れっぱなしでいたい!

「今までの服では防御力が心配なので、新しい服を用意した」

小さな村で間に合わせに買ったものだからな、防御力には不安があった。シャツ一枚で外をうろうろするよりはましというレベルだ。

この宿に入るとき、シエルの服装を見て眉間にシワを寄せた従業員もいる。着ているものでしか人を判断出来ない俗物め、後で消そう。

「旅はいつどこで何が起こるか分からない。防御力は高いに越したことはない」

金に糸目をつけずこの街で手に入る最上級の装備を用意した! 王都に着いたら兄上に相談し、この国の最強の装備を贈ろう!

「そうだったんですね、でも俺お金持ってなくて……」

シエルが申し訳なさそうに言う。

私の妻になったのだから、金のことなど心配しなくてよいのに。

そんな慎ましやかなところも、シエルの美点だ。

「気にするな、シエルには最高の品を身に着けていてもらいたい」

「でも……」

「装備とは別に趣味で用意した服がある。その服を着てくれたら他の服はプレゼントしよう、それでどうだ?」

「ノヴァさんが趣味で用意した服ですか?」

キョトンした顔でシエルが小首をかしげる。

可愛い! 今すぐに押し倒したい!! 入れたい! 喘がせたい! シエルの感じる所を突きまくりたい! 中に出したい!!

生唾を飲み込み、僅かな理性で欲望を抑える。

「着てくれるのか?」

「えっ? そうですね……ノヴァさんにはいつもお世話になってますし」

「着てくれるのだな?」

「はい」

はにかみながらシエルがこくん頷く。

よし! 言質げんちは取った!

「で、ではこの服を着てくれ!」

その服を着たシエルと愛し合いたい……!

私が紙袋から取り出した服を見て、シエルが顔を赤らめる。

胸元を飾る小さなリボン、ウエストを彩るレース、透け感のある長めのスカート。

ラグドール……いや違うそれは猫の種類だ。ロング丈のベビードール、色は清楚な白。

「へ、変態……!」

パシン! と音がして左頬がヒリヒリと痛む。

シエルの清らかな口から「変態」などという、俗世の言葉が出て来ようとは……!

萌える! 平手打ちも痺れた!

「白は嫌だったか? なら黒や赤、水色やピンクのベビードールを……!」

紙袋から別のベビードールを取り出すと、シエルの顔が耳まで赤くなった。

バシーン! 反対の頬も殴られた。シエルは照れ屋だな。

「ベビードールは嫌いか? では、ブラジャーとパンツだけでも……」

私が取り出したのは三角形に編まれた紐が乳首を強調しているデザインのブラジャーと、レースのTバック。

色はホワイト、シエルには純白が似合う。

「シエルの胸はちょっとの刺激でも感じてしまうだろ?」

シエルの胸の突起を指で突くと「ひやっ♡」と愛らしい声を上げ、シエルが胸を抑えた。

私が毎日、舐めたり、吸ったり、指でいじったりした甲斐があった。指の隙間から覗くシエルの胸の飾りは、ぷっくりと立ち上がっていた。

「シエルにはブラジャーが必要だ」

指で軽く触れただけでもこんなに感じてしまうのだ、激しい運動などをして服で乳首が擦れたらどうなってしまうことか。

紐のブラジャーを手にシエルに迫ると、顔面をグーで殴られた。シエルの愛情表現は過激だ。



◇◇◇◇◇
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