BL「幼なじみに婚約破棄された僕が、隣国の皇子に求婚されるまで」第9回BL小説大賞、奨励賞受賞作品

まほりろ

文字の大きさ
上 下
40 / 131

四十話「ノヴァさん、ハッスルす」***

しおりを挟む


気がついたらスイートルームの天蓋付きベッドに押し倒され、服を脱がされていた。

えっ? 宿屋の玄関から瞬間移動しました? 素早い! これがSランク冒険者の本気なのか……!?

赤い絨毯が敷き詰められた廊下とか、五階にはスイートルーム一室しかないとか、最初に泊まった宿屋の二十倍の広さのある部屋とか、豪華な調度品とか……その他もろもろを描写する暇がない!

絶対に眺めがいいと思われるテラスには出てもいない。宿と湖の位置関係から推測して、湖に夕日が沈む壮麗な景色が見れるはずなのに……!

「シエル! シエル! 今すぐしたい! 中に出したい!」

自らの服も素早く脱ぎ捨て、ノヴァさんがのしかかってきた。

「シャワー浴びてないですし、お腹空きましたし、俺ノヴァさんに聞きたい事が……」

「全部セックスのあとではだめか? 今すぐに抱きたい!」

ノヴァさんの唇が俺の唇に重なる、貪るように口を吸われた。

くちゅくちゅと唾液が混じる音が耳を犯す。

ノヴァさんが唇を離し、首筋、鎖骨と順番に口付けていく。

胸の飾りを指先でいじり、反対の突起を口に含む。

「あっ……、あっ、ふァ……、だめっ……俺、ノヴァさんと、話したいことが……あ、あぁッ……!」

ノヴァさんの頭をグイっと押すがびくともしない。

「程よく抵抗されるのもいい! 力で征服したくなる!」

ノヴァさんは胸の突起を吸いながら、アナルに指を入れ解かし始めた。

「やらっ……! あッ、あっ……ん! 中の感じるとこコリコリしないれ……!」

ノヴァさんに開発され、毎晩抱かれている体は、指の刺激だけで簡単にイきそうになる。

「分かっている、指の刺激ではイきたくないのだろ? 今私の愛の棒を中に入れる!」

ノヴァさんが指を引き抜き、硬い棒をアナルに押し付ける。

「やっ、やぁっ……! だめっ、入れないで、あっ、……ふぁぁぁっ!」

肉棒を一気に奥まで差し込まれる。目の前がチカチカして、入れられただけで達してしまった。

「シエル! ……しているシエル!」

ノヴァさんが俺の腰を掴むとギリギリまでペニスを引き抜き、勢いよく打ち付けた。

「あっ、あっ! あんっ、はぁ…! ん、ぁっ…ノヴァさん、激し……い!」

一度イかされたことで脳みそがとろけてしまたった俺は、シーツをギュッと掴みあとはされるがままだ。

「シエル! もっと私の名を読んでくれ! もっと喘ぎ声を聞きたい!」

ノヴァさんの愛の塊が中を攻め、同時に俺のおちんちんを擦る。

「ヒヤッ、んっ! あッ、あっ、あァッ! …ふぁッ! ノヴァしゃん、それやらぁ……!」

背をエビのように反らし快楽を逃がそうとする。

「シエル、可愛い! 私の背に腕を回してくれ!」

「ん、ノヴァさん……!」

言われるままにノヴァさんの背に手を伸ばすと、ノヴァさんが破顔した。

チュッチュッと口付けされ、最奥をずんずんと突かれる。

ぐちゅぐちゅと肉棒が抜き差しされる卑猥な音と、パンパンと腰を打ち付ける音が響く。

最奥をぐりっ! と突かれ、俺は達した。

白濁した液が腹を濡らす。ノヴァさんもほぼ同時に達し、俺の中に出した。

「ノヴァ……さん?」

達したあとだから頭がふわふわしてる。

「シエルにとろけた目で見上げられるのはたまらない!」

ノヴァさんが俺の唇に自身の唇を重ねる。

俺の中に入ったままのノヴァさんの竿が大きくなった。

キスしただけで硬くしないでほしい。

「シエル、私が欲しいと求めてくれ!」

「やぁ、もっ、だめ……れす、星を見に行く約束……」

シャワーを浴びて、星を見に行きたい。

「星はあとでも見れる、頼む求めてくれ! シエル!」

美しい藤色の瞳で見つめられ、中でゆるゆると動くペニスに快楽を与えられ続け、脳みそがトロトロになっていく。

俺もこのまま終わるのは寂しいし、実のところ一回では足りない。

「あと、一回らけらよ?」

コテンと首をかしげると、ノヴァさんがゴクリとつばを飲む音が聞こえた。

「約束する! だから求めてくれ!」

ギラギラとした目つきで、ノヴァさんが俺を見ている。中に入ったままの男根がまた硬さを増した。

「ノヴァさん……もう一回、して」

うるうるとした瞳で見上げると、

「シエルーー!!」

ノヴァさんが音を立てて壊れた姿が視界に入った。

壊れたノヴァさんが、めちゃくちゃハッスルしたので、そのあと三回中に出しされた。



◇◇◇◇◇

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない

てんつぶ
BL
 連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。  その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。  弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。  むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。  だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。  人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました

楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。 ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。 喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。   「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」 契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。 エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。 ⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました

【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜

N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。 表紙絵 ⇨元素 様 X(@10loveeeyy) ※独自設定、ご都合主義です。 ※ハーレム要素を予定しています。

【完】僕の弟と僕の護衛騎士は、赤い糸で繋がっている

たまとら
BL
赤い糸が見えるキリルは、自分には糸が無いのでやさぐれ気味です

処理中です...