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十七話「運命の人③」
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ーーノヴァ視点ーー
「ノヴァさん、ノヴァさん、起きてください、朝ですよ」
愛らしい声に呼ばれ目を覚ます。金色の髪、サファイアの瞳の天使が私の名を呼んでいる。命がつき天国にいるのだろうか? それとも夢をみているのか?
ペチペチと肩をたたかれ、現実であることに気づく。
吸い込まれるような青い瞳をじっと見つめていたら、視線を逸らされてしまった。見すぎてしまっただろうか?
「すまない、シエルの上に乗っていたようだ」
シエルが寒くないようにと思っていたらいつの間にか下敷きにしてしまったようだ。
下肢に熱が集まる、昨日から下肢がずっと熱を持っている。こんなことは生まれて初めてだ。
だが勃起している訳ではない。そう簡単に運命の相手になど会えるわけがないか。
シエルが運命の相手だったら……と少しだけ期待していたのだが。シエルが運命の相手だったら死ぬまで大切にする。いや運命の相手でなくても生涯をかけて守り抜くと誓う。
「いえノヴァさんの体、温かかったですから」
私が上に乗っていたのに不快ではなかったのか? ドクン……! 体の奥がまた熱くなる。
「そろそろ服が乾いた頃だろう」
シエルに風邪をひかせる訳にはいかない。服を着せなくては。
シエルの服はペニスが隠れるか隠れないかの長さの、布のシャツ一枚だけだった。
桃色の小さな性器がちらちらと視界に入る。裸のときより色っぽく見えるのは、気のせいではないだろう。
ドクン……! ドクン……! と心音が高まる。昨日から心臓の音がうるさい。
「これからリーヴ村に向かう」
あの格好は目の毒だ! とにかくシエルの服と靴を新調しなくては!
「よければ一緒に……」
「あの、迷惑でなければ俺のことも連れて行ってください!!」
私が誘う前にシエルに深く頭を下げられた。
「見捨てないでください!」
シエルが私のコートをぎゅっと掴む。
くっ、愛らしい……! つぶらな瞳をキラキラさせて上目遣いで見られたら、心臓が破裂してしまう!
「分かった、ついてこい」
凝視できずにシエルから視線を逸らし踵を返す。
「ありがとうございます!!」
シエルが私の後について走ってきた。
◇◇◇◇◇
「ノヴァさん、ノヴァさん、起きてください、朝ですよ」
愛らしい声に呼ばれ目を覚ます。金色の髪、サファイアの瞳の天使が私の名を呼んでいる。命がつき天国にいるのだろうか? それとも夢をみているのか?
ペチペチと肩をたたかれ、現実であることに気づく。
吸い込まれるような青い瞳をじっと見つめていたら、視線を逸らされてしまった。見すぎてしまっただろうか?
「すまない、シエルの上に乗っていたようだ」
シエルが寒くないようにと思っていたらいつの間にか下敷きにしてしまったようだ。
下肢に熱が集まる、昨日から下肢がずっと熱を持っている。こんなことは生まれて初めてだ。
だが勃起している訳ではない。そう簡単に運命の相手になど会えるわけがないか。
シエルが運命の相手だったら……と少しだけ期待していたのだが。シエルが運命の相手だったら死ぬまで大切にする。いや運命の相手でなくても生涯をかけて守り抜くと誓う。
「いえノヴァさんの体、温かかったですから」
私が上に乗っていたのに不快ではなかったのか? ドクン……! 体の奥がまた熱くなる。
「そろそろ服が乾いた頃だろう」
シエルに風邪をひかせる訳にはいかない。服を着せなくては。
シエルの服はペニスが隠れるか隠れないかの長さの、布のシャツ一枚だけだった。
桃色の小さな性器がちらちらと視界に入る。裸のときより色っぽく見えるのは、気のせいではないだろう。
ドクン……! ドクン……! と心音が高まる。昨日から心臓の音がうるさい。
「これからリーヴ村に向かう」
あの格好は目の毒だ! とにかくシエルの服と靴を新調しなくては!
「よければ一緒に……」
「あの、迷惑でなければ俺のことも連れて行ってください!!」
私が誘う前にシエルに深く頭を下げられた。
「見捨てないでください!」
シエルが私のコートをぎゅっと掴む。
くっ、愛らしい……! つぶらな瞳をキラキラさせて上目遣いで見られたら、心臓が破裂してしまう!
「分かった、ついてこい」
凝視できずにシエルから視線を逸らし踵を返す。
「ありがとうございます!!」
シエルが私の後について走ってきた。
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