さくらと遥香

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付き合い始めた2人 編

キスシーンの思い出

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遥香「じゃあ、やんちゃんとのキスシーンも、ほんとにキスしてたわけじゃないんだね、、?」

さくら「うん。顔をギリギリまで近付けてただけだよ。なんか、実際にドラマで流れた映像だとしてるように見えるけどね」

ソファでかっきーの隣に座ってハグしたままの姿勢で、以前出ていたドラマの思い出話をしていた。

4期生11人がグループに加入して、1年と少し経った頃だったかな。
11人が二手に分かれて、二作品のドラマに出演した時のことだ。

かっきーと私は、それぞれの作品で主人公を演じていた。
私が演じたのは、なんていうか『破天荒な不思議ちゃん』だった。
作中に出てくるアイドルグループのメンバーの一人で、予測不能な行動で周囲のメンバーを振り回して困惑させる主人公の役。

例えば、
「LGBTってオシャレでセンスある感じする」
「自分もそうだったら良いのにな」
なんて理由で、寝ているメンバーにお試しでキスしちゃうような性格。

その寝ているメンバーを演じていたのが、4期生の紗耶さや(やんちゃん)だった。

キスの相手は紗耶だけではなくて、聖来が演じた役ともキスするシーンがあった。

LGBTでこれまで真剣に悩んできた聖来にも軽い気持ちでキスをして翻弄する、というのが私の役だ。

遥香「キスシーンもびっくりしたけど、さくちゃんがせーらにキスしたあとの『全然キュンキュンしないわ』ってセリフもすごかったよ。普段のさくちゃんと全然違くて冷たい感じだった」

そう、、

わたしが演じた子は結局LGBTではなくて、同性とキスしても何も感じない、つまり全然キュンキュンしなかったのだ。

さくら「あのセリフは、一緒に出てたみんなにも色々言われたな~、、ほんと、あのシーンだけ見るとせーらの心をもて遊んだだけのひどい女だよ」

遥香「さくちゃんは、どうだった、、?」

さくら「え?」

遥香「あの役の女の子じゃなくて、さくちゃん自身は、、私とキスした時、どう思った、、?」

さくら「私は、、」

(ーーーすっごくドキドキしたよ)

そうやってすぐ答えようと思ったけど。

その時の私は、ちょっとだけかっきーにイタズラしたくなって。

かっきーを抱きしめたままの体勢で、かっきーの耳元に唇を近付けてささやいた。

さくら「すっごくキュンキュンした、、よ?」

遥香「あっ……」

かっきーの細い体がびくっと跳ねたあと、私のことをぎゅぅっと抱きしめてきた。

さくら「ふふっ、、かっきー、耳がダメなの?」

遥香「もぉ~、今の反応見たら分かるじゃん、、そういうさくちゃんはどうなのー?」

それから、今度はかっきーから耳元で甘い言葉をささやかれ続けるという仕返しを受けた私。

かわいい声もかっこいい声も使い分けてささやいてくるかっきーに、私はキュンキュンしっぱなしで。

なんかもう、どうにかなりそうだった、、

(今度から、かっきーの耳を刺激するのは気を付けよう…こんなの…こっちの心臓がもたないよ……)

でも、たまにならいいかな…

~続く~
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