12 / 26
猫舌な夜
しおりを挟む
SHOWROOMで2時間の生配信があった日の帰り道。
タクシーで自宅に向かっていると、かっきーからのLINEが届いた。
遥香LINE「さくちゃん、配信おつかれさま!」
さくらLINE「ありがとー^ ^」
かっきーの話によると、配信していた時間帯はまだお仕事中だったらしい。
それでも、ちょっとした空き時間が出来た隙にスマホで私とまゆたんの配信を観ててくれたみたい。
(全部観てたわけじゃないってことは……あの場面、観てたのかな…)
私には、今夜の配信でどうしても気がかりなことがあった。
もしかしたら、かっきーに嫌な思いをさせてしまったんじゃないかと思うことが…
「かっきー、あのね、私、今日の配信で謝りたいことがあって…」
「んー?どうしたの?もしかして、さくちゃんしか知らない私の恥ずかしい秘密でも喋っちゃった?」
「ううん、それは大丈夫だよ」
たしかに、私しか知らないかっきーの一面はいくつかあると思う。
付き合い始めて、少しずつ関係を深めていって、その過程で見てきたかっきーのこと。
でも、それを誰かに明かすようなことは絶対にしないと決めている。
ただ今夜の配信では、私のその決意が原因で失敗してしまったかもしれない。
とにかく、正直に伝えよう。
「あのね、私とまゆたんの共通点を考えて2人で答えを合わせていくってゲームをしてた時なんだけど…かっきー、観てたかな…?たぶん20時くらい」
「20時くらいはちょうど見れてなかったかなー>_<でも、そういうゲームが始まってたのは知ってたよ」
「そっか…実は、その答えでね、まゆたんが『かっきーと仲良し』って書いてたの…私、それ見た時にハッとしちゃって……その通りだ、って思って。
でも私はそれ思い付かなくて、書けなかったんだよね…それを、どうしても謝りたくて…かっきー、ごめん(◞‸◟)」
私から送信した後ですぐに既読が付いたけど、返信まで少しの間があった。
少しすると、かっきーから笑顔のスタンプが届いて文章も続く。
「なんだー、全然大丈夫だよ!さくちゃんのことだから、私との関係を頑張って隠さなきゃって思って、そういう答えは頭から除外してたんじゃないかな?」
(かっきー……私のフォローまでしてくれてる…ほんと優しい…)
「うん…たぶん、そうだと思う…こないだまでのライブとか、ブログとかで、かっきーのことが大好きって気持ちをオープンにし過ぎちゃったかなって…その反動で、慎重になってたのかも」
「うんうん、きっとそうだよ。だからさくちゃん、大丈夫!」
「じゃあ、許してくれる…?」
「許すもなにも、全然気にしてないよ^ ^」
(よかった…正直に話してみて、よかった…)
ありがとう、と返そうと思って指を動かそうとしたら、かっきーから続けて返事が来た。
「あ、じゃあ、」
「今夜これから、配信してた時のままの格好でさくちゃんが待っててくれたら、許しちゃう❤️」
「え?かっきー、来てくれるの?」
少し前に聞いたかっきーのスケジュールだと、たしか明日は朝が早かったはず。
「うん、なんか明日のスケジュールに余裕が出来たんだよね。だから、さくちゃんの部屋、行くね?」
「やったー^ ^!!」
私は胸を躍らせながら、家に着いた。
・・・・・・・・・
ほどなくして、かっきーが来てくれた。
配信の時に着ていたグループの制服はさすがに着てないけど、それ以外は約束通り、配信してた時のままの私。
その状態で、かっきーを出迎える。
「かっきー、来てくれて嬉しい!」
「さくちゃーん!!……あぁ~、やっぱりその髪型、かわいすぎる……❤️」
あ…そうだった。
今夜の私は配信のために、ちょっとめずらしい髪型に挑戦していたんだ。
ファンの皆さんも喜んでくれたらいいなって思って、トークでお知らせもしていたけど。
きっとこの世界の誰よりも喜んでくれる人が、いま私の目の前にいる。
私の髪型と私の顔を交互に見ながら、ずーーっと笑顔でいてくれている。
「はぁぁ~…こんなに可憐でかわいいさくちゃんを今夜は独り占めできるなんて…幸せ過ぎる…幸せ過ぎて怖い」
「うん…かっきーの独り占め、だよ…?でも、今夜は、じゃないよ…?」
「え…?」
唇をかっきーの耳元へ近付けて囁く。
「今夜『も』、だよ…?❤️」
ボシュッ…
という音が聴こえてきそうなくらい、かっきーが高揚したのが分かる。
「さくちゃん…そんなこと言って…どうなってもしらないからね…?」
かっきーの力強いハグを受け入れる。
(だって、ほんとのことだもん…私のことはいつだって、かっきーが独り占めしていいんだからね…?)
ようやく夏が終わりかけてきた頃だったけど。
私とかっきーの夜は、まだまだ熱くなりそうだった。
~おしまい~
タクシーで自宅に向かっていると、かっきーからのLINEが届いた。
遥香LINE「さくちゃん、配信おつかれさま!」
さくらLINE「ありがとー^ ^」
かっきーの話によると、配信していた時間帯はまだお仕事中だったらしい。
それでも、ちょっとした空き時間が出来た隙にスマホで私とまゆたんの配信を観ててくれたみたい。
(全部観てたわけじゃないってことは……あの場面、観てたのかな…)
私には、今夜の配信でどうしても気がかりなことがあった。
もしかしたら、かっきーに嫌な思いをさせてしまったんじゃないかと思うことが…
「かっきー、あのね、私、今日の配信で謝りたいことがあって…」
「んー?どうしたの?もしかして、さくちゃんしか知らない私の恥ずかしい秘密でも喋っちゃった?」
「ううん、それは大丈夫だよ」
たしかに、私しか知らないかっきーの一面はいくつかあると思う。
付き合い始めて、少しずつ関係を深めていって、その過程で見てきたかっきーのこと。
でも、それを誰かに明かすようなことは絶対にしないと決めている。
ただ今夜の配信では、私のその決意が原因で失敗してしまったかもしれない。
とにかく、正直に伝えよう。
「あのね、私とまゆたんの共通点を考えて2人で答えを合わせていくってゲームをしてた時なんだけど…かっきー、観てたかな…?たぶん20時くらい」
「20時くらいはちょうど見れてなかったかなー>_<でも、そういうゲームが始まってたのは知ってたよ」
「そっか…実は、その答えでね、まゆたんが『かっきーと仲良し』って書いてたの…私、それ見た時にハッとしちゃって……その通りだ、って思って。
でも私はそれ思い付かなくて、書けなかったんだよね…それを、どうしても謝りたくて…かっきー、ごめん(◞‸◟)」
私から送信した後ですぐに既読が付いたけど、返信まで少しの間があった。
少しすると、かっきーから笑顔のスタンプが届いて文章も続く。
「なんだー、全然大丈夫だよ!さくちゃんのことだから、私との関係を頑張って隠さなきゃって思って、そういう答えは頭から除外してたんじゃないかな?」
(かっきー……私のフォローまでしてくれてる…ほんと優しい…)
「うん…たぶん、そうだと思う…こないだまでのライブとか、ブログとかで、かっきーのことが大好きって気持ちをオープンにし過ぎちゃったかなって…その反動で、慎重になってたのかも」
「うんうん、きっとそうだよ。だからさくちゃん、大丈夫!」
「じゃあ、許してくれる…?」
「許すもなにも、全然気にしてないよ^ ^」
(よかった…正直に話してみて、よかった…)
ありがとう、と返そうと思って指を動かそうとしたら、かっきーから続けて返事が来た。
「あ、じゃあ、」
「今夜これから、配信してた時のままの格好でさくちゃんが待っててくれたら、許しちゃう❤️」
「え?かっきー、来てくれるの?」
少し前に聞いたかっきーのスケジュールだと、たしか明日は朝が早かったはず。
「うん、なんか明日のスケジュールに余裕が出来たんだよね。だから、さくちゃんの部屋、行くね?」
「やったー^ ^!!」
私は胸を躍らせながら、家に着いた。
・・・・・・・・・
ほどなくして、かっきーが来てくれた。
配信の時に着ていたグループの制服はさすがに着てないけど、それ以外は約束通り、配信してた時のままの私。
その状態で、かっきーを出迎える。
「かっきー、来てくれて嬉しい!」
「さくちゃーん!!……あぁ~、やっぱりその髪型、かわいすぎる……❤️」
あ…そうだった。
今夜の私は配信のために、ちょっとめずらしい髪型に挑戦していたんだ。
ファンの皆さんも喜んでくれたらいいなって思って、トークでお知らせもしていたけど。
きっとこの世界の誰よりも喜んでくれる人が、いま私の目の前にいる。
私の髪型と私の顔を交互に見ながら、ずーーっと笑顔でいてくれている。
「はぁぁ~…こんなに可憐でかわいいさくちゃんを今夜は独り占めできるなんて…幸せ過ぎる…幸せ過ぎて怖い」
「うん…かっきーの独り占め、だよ…?でも、今夜は、じゃないよ…?」
「え…?」
唇をかっきーの耳元へ近付けて囁く。
「今夜『も』、だよ…?❤️」
ボシュッ…
という音が聴こえてきそうなくらい、かっきーが高揚したのが分かる。
「さくちゃん…そんなこと言って…どうなってもしらないからね…?」
かっきーの力強いハグを受け入れる。
(だって、ほんとのことだもん…私のことはいつだって、かっきーが独り占めしていいんだからね…?)
ようやく夏が終わりかけてきた頃だったけど。
私とかっきーの夜は、まだまだ熱くなりそうだった。
~おしまい~
20
あなたにおすすめの小説
さくらと遥香
youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。
さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。
◆あらすじ
さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。
さくらは"さくちゃん"、
遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。
同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。
ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。
同期、仲間、戦友、コンビ。
2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。
そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。
イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。
配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。
さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。
2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。
遥香の力になりたいさくらは、
「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」
と申し出る。
そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて…
◆章構成と主な展開
・46時間TV編[完結]
(初キス、告白、両想い)
・付き合い始めた2人編[完結]
(交際スタート、グループ内での距離感の変化)
・かっきー1st写真集編[完結]
(少し大人なキス、肌と肌の触れ合い)
・お泊まり温泉旅行編[完結]
(お風呂、もう少し大人な関係へ)
・かっきー2回目のセンター編[完結]
(かっきーの誕生日お祝い)
・飛鳥さん卒コン編[完結]
(大好きな先輩に2人の関係を伝える)
・さくら1st写真集編[完結]
(お風呂で♡♡)
・Wセンター編[完結]
(支え合う2人)
※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
近くて遠い、私だけの光
youmery
恋愛
絢(あや)にとって、幼馴染の玲(れい)は太陽のように明るく、周囲を惹きつける特別な存在。
対照的に人前へ出ることを避ける絢は、玲への恋心を隠しながらその隣で過ごす、穏やかな日々を送っていた。
しかし「アイドルグループの新メンバーオーディションを受ける」という玲の一言で、絢の平穏は崩れる。
(玲が、遠くへ行ってしまうのが怖い――)
ファンとして遠くから玲の光を見つめる未来なんて、耐えられない。
これからも玲の側にいるために。真の動機は胸に秘めたまま、絢は玲と共にオーディションの扉を叩き、アイドルを目指す。
夢の実現という玲の純粋な願いと、玲という光を誰よりも近くで見ていたいという絢の身勝手な動機。二つの想いが交差する時、幼馴染という境界線は破られるのか。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる