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愛してるよゲーム
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※さくちゃんとかっきーは付き合っています。
※2人の関係を知っているのは、同期の美緒ちゃんだけです。
今日は4期生だけのお仕事の現場。
待ち時間中の控え室で、私たち4期生は懐かしいゲームで盛り上がっていた…
紗耶「かっきー…愛してる」
遥香「紗耶……愛してるよ…」
紗耶「……っ…!ふふっ…」
レイ「あっ!やんちゃん笑った!はい、かっきーの勝ちー!!」
紗耶「えーー?!我慢したと思ったのに~!」
そう。
いま楽屋で盛り上がっているゲームは、その名も『愛してるよゲーム』。
向かい合った2人が交互に「愛してる」と言い合い、先に照れたり笑ったりしたほうが負け。
そんなゲームだ。
2019年の終わり頃、当時11人だけだった4期生の冠番組の収録で私と紗耶が勝負させられたゲームだった。
あの時は私があっけなく紗耶に負けてしまったけど。
その紗耶をいま、かっきーが負かしたところだった。
紗耶だけじゃない。
もう何人もの4期生をかっきーが連続で負かしていて、いわゆる"無双状態"だった。
強さの秘密は、かっきーがよくやるイケメンフェイスとイケメンボイス。
対戦相手は、キリッとした顔のかっきーに低い声で愛を囁かれることになる。
しかも、吐息がかかるくらいの近距離で。
あれをやられて照れ笑いしない子はいないと思う。
私なんか想像しただけで顔がニヤけてしまいそうになる。
遥香「ねぇー、もう終わりにしない?このゲーム、私も結構大変なんだけど…」
レイ「かっきー!勝ち逃げはダメだよ!!えーっと、次の挑戦者は、どうしようかな~…」
かっきーはもうやめたがっていたけど、審判をやっているレイが面白がって食い下がる。
こんな様子で、4期生の楽屋が盛り上がっていてみんな楽しそう。
かけがえのない同期が笑顔になっている光景を見ていられるのは、本当に幸せ。
でも…
(ゲームだからしょうがないけど、かっきーが他の子に愛してるって言ってるのはちょっとイヤだなぁ……)
これが嫉妬というやつなんだろう。
かっきーと付き合うまで、あまり実感したことのない感情かもしれない。
複雑な気持ちでみんなのやり取りを見ていると、美緒ちゃんが私の側までこっそりやってきた。
美緒「ねぇねぇさくちゃん…」
さくら「美緒ちゃん、どうしたの?そんなコソコソして…」
美緒「あのね、かっきーの連勝を止められるのはもうさくちゃんしかいないと思って…」
さくら「えー?!無理無理!私なんかいちばん弱いって!」
美緒「いや、真正面から行っても無理かもしれないけど、私に作戦があるんだよ……ごにょごにょ…」
さくら「うんうん…うん…えー?…そんな、大丈夫かなぁ…?」
不安はあったけど、私は美緒ちゃんの提案に乗っかろうと思った。
今の流れを止めないと、かっきーが私以外に言う「愛してるよ」を聞き続けなきゃいけないから。
きっと美緒ちゃんも私の気持ちを察して提案してくれたんだと思う。
私は、さっき美緒ちゃんが私のところへ来た時のようにコソコソとかっきーの元へ近付いていく。
ただし、私の場合は背後から、かっきーに気付かれないように…
そして…
さくら「……遥香…」
遥香「…えっ?」
さくら「愛してるよ…」
背後からいきなり下の名前で呼んで、かっきーが振り向いたらすかさず愛を伝える。
かっきーの目を、まっすぐ見ながら。
これが美緒ちゃんの作戦、『背後からの不意打ちで愛してるよ』だった。
遥香「…えっ、えっ?!さささ、さくちゃん、そんな、、みんな見てるのに…!ダメだよっ…!」
突然の出来事に慌てふためくかっきー。
レイ「あー!!かっきーがめちゃくちゃ照れてる!かっきーの負け!!ってことで、愛してるよゲームの優勝者はさくちゃーーん!!」
レイのジャッジに、控え室で歓声が湧いた。
遥香「えっ…えっ…?」
かっきーだけが状況を飲み込めずにいる。
美緒ちゃんの作戦は、予想以上の効果だった。
私はかっきーを落ち着かせるように優しく抱き締めた。
さくら「かっきー…びっくりさせてごめんね?でも私、かっきーがこれ以上他の子に愛してるよって言うの、なんか、複雑で、、」
かっきーにだけ聞こえる声で謝った。
遥香「ううん、いいの…たしかにびっくりしたけど…私も、さくちゃん以外に愛してるなんて言うのはイヤだったのに、みんなが盛り上がるから調子に乗っちゃって…ごめんね…?」
さくら「かっきー…❤️」
お互いに複雑だった気持ちを打ち明けた私たちは、強く抱き合った。
周りの4期生から「ちょっと、2人ともいつまでくっついてんの?!」とツッコまれて我に帰るまで、ずっと抱き合っていた…
~おしまい~
※2人の関係を知っているのは、同期の美緒ちゃんだけです。
今日は4期生だけのお仕事の現場。
待ち時間中の控え室で、私たち4期生は懐かしいゲームで盛り上がっていた…
紗耶「かっきー…愛してる」
遥香「紗耶……愛してるよ…」
紗耶「……っ…!ふふっ…」
レイ「あっ!やんちゃん笑った!はい、かっきーの勝ちー!!」
紗耶「えーー?!我慢したと思ったのに~!」
そう。
いま楽屋で盛り上がっているゲームは、その名も『愛してるよゲーム』。
向かい合った2人が交互に「愛してる」と言い合い、先に照れたり笑ったりしたほうが負け。
そんなゲームだ。
2019年の終わり頃、当時11人だけだった4期生の冠番組の収録で私と紗耶が勝負させられたゲームだった。
あの時は私があっけなく紗耶に負けてしまったけど。
その紗耶をいま、かっきーが負かしたところだった。
紗耶だけじゃない。
もう何人もの4期生をかっきーが連続で負かしていて、いわゆる"無双状態"だった。
強さの秘密は、かっきーがよくやるイケメンフェイスとイケメンボイス。
対戦相手は、キリッとした顔のかっきーに低い声で愛を囁かれることになる。
しかも、吐息がかかるくらいの近距離で。
あれをやられて照れ笑いしない子はいないと思う。
私なんか想像しただけで顔がニヤけてしまいそうになる。
遥香「ねぇー、もう終わりにしない?このゲーム、私も結構大変なんだけど…」
レイ「かっきー!勝ち逃げはダメだよ!!えーっと、次の挑戦者は、どうしようかな~…」
かっきーはもうやめたがっていたけど、審判をやっているレイが面白がって食い下がる。
こんな様子で、4期生の楽屋が盛り上がっていてみんな楽しそう。
かけがえのない同期が笑顔になっている光景を見ていられるのは、本当に幸せ。
でも…
(ゲームだからしょうがないけど、かっきーが他の子に愛してるって言ってるのはちょっとイヤだなぁ……)
これが嫉妬というやつなんだろう。
かっきーと付き合うまで、あまり実感したことのない感情かもしれない。
複雑な気持ちでみんなのやり取りを見ていると、美緒ちゃんが私の側までこっそりやってきた。
美緒「ねぇねぇさくちゃん…」
さくら「美緒ちゃん、どうしたの?そんなコソコソして…」
美緒「あのね、かっきーの連勝を止められるのはもうさくちゃんしかいないと思って…」
さくら「えー?!無理無理!私なんかいちばん弱いって!」
美緒「いや、真正面から行っても無理かもしれないけど、私に作戦があるんだよ……ごにょごにょ…」
さくら「うんうん…うん…えー?…そんな、大丈夫かなぁ…?」
不安はあったけど、私は美緒ちゃんの提案に乗っかろうと思った。
今の流れを止めないと、かっきーが私以外に言う「愛してるよ」を聞き続けなきゃいけないから。
きっと美緒ちゃんも私の気持ちを察して提案してくれたんだと思う。
私は、さっき美緒ちゃんが私のところへ来た時のようにコソコソとかっきーの元へ近付いていく。
ただし、私の場合は背後から、かっきーに気付かれないように…
そして…
さくら「……遥香…」
遥香「…えっ?」
さくら「愛してるよ…」
背後からいきなり下の名前で呼んで、かっきーが振り向いたらすかさず愛を伝える。
かっきーの目を、まっすぐ見ながら。
これが美緒ちゃんの作戦、『背後からの不意打ちで愛してるよ』だった。
遥香「…えっ、えっ?!さささ、さくちゃん、そんな、、みんな見てるのに…!ダメだよっ…!」
突然の出来事に慌てふためくかっきー。
レイ「あー!!かっきーがめちゃくちゃ照れてる!かっきーの負け!!ってことで、愛してるよゲームの優勝者はさくちゃーーん!!」
レイのジャッジに、控え室で歓声が湧いた。
遥香「えっ…えっ…?」
かっきーだけが状況を飲み込めずにいる。
美緒ちゃんの作戦は、予想以上の効果だった。
私はかっきーを落ち着かせるように優しく抱き締めた。
さくら「かっきー…びっくりさせてごめんね?でも私、かっきーがこれ以上他の子に愛してるよって言うの、なんか、複雑で、、」
かっきーにだけ聞こえる声で謝った。
遥香「ううん、いいの…たしかにびっくりしたけど…私も、さくちゃん以外に愛してるなんて言うのはイヤだったのに、みんなが盛り上がるから調子に乗っちゃって…ごめんね…?」
さくら「かっきー…❤️」
お互いに複雑だった気持ちを打ち明けた私たちは、強く抱き合った。
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