備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず

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第1章 ココどこですか?

焼き肉パーティをしてる場合か?!(別視点あり

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ギリギリだった。

反省なら、幾らでもある。

ジジジジ。

怪我人の中には、間一髪の人もいた。
もし、あと少し遅れていたら。。

ジュワァァァ。

備える大切さは誰よりも知っていたはずなのに。胸に刻みこむ…いい匂いだ。

はっ!!

『こんな状況じゃ反省出来ない!!』


目の前の大きな1枚岩の下には、火炎石というこの世界では貴重な(収納庫にはゴロゴロある)石が沢山赤赤と燃えている。

『矢作さん、こう言う時は楽しむのよ。
野暮は無しでね。』
村長の奥さんが腕まくりして、肉を焼きながら声を掛けてくれた。

あの危機的状況から数時間後が、今だ。

何故か目の前では、村をあげた焼き肉パーティの開催となっていた。

もちろん、岩の上で焼けているのは、
あの【野獣】だ。

収納庫から『食べれる野獣出庫』と
言ったら意外にも大量の食肉が出てきたのだ。
Lvが上がって手に入れた【分離】は、凄く
便利だった。
なにせ解体から血抜き、精肉まで一気に引き受けてくれるスグレモノだ。

それよりも、こんな状況で何故?

『矢作さん、危機的状況だったからこそ、今を楽しむ。今を生きるんです。
ま、カッコイイ事言ってますが、ただ楽しく騒ぎたいのです。それに…肉を食べるなんて何時ぶりか!!』

村長の屈託ない笑顔は、強さの現れだったのか。心が強い事。それは武力より更に強力だ。

『村長の言われる通りです。それよりも、この岩の上で焼く調理方法を買取たいのですが!!』
食い気味で焼き肉を頬張りながら、俺に詰め寄るラッセルさん。
もう大人5人前は食べたぞ。胃袋丈夫だな、この人。

この【溶岩焼き肉】は、特別美味しい。さすが腕利きの商人だ。
もちろん、答えは【是】だ。

向こうの方で後始末をしていた好青年も、いつの間にか焼き肉に参加していたらしい。
見れば皿の上に、あまり肉がない。
好きじゃないのか?

『矢作さん。この肉の在庫はこれで終了ですか?もしかして、少しだけでも買取出来ませんか?』

なんと!!焼き肉好きじゃないのに、買取したいとは商売熱心だな。

『まだまだ沢山あるけど、持ち運べるのか?』
前に村長から、ラッセルさんの売り物の中に、ナマモノはないと聞いたのだが違うのか?

『この国には、【干し肉】という保存方法があります。1ヶ月位は大丈夫なのです。』

なるほど。
ジャーキーか。それなら納得だ。

『それなら、何キロでもOKだ。
ただ、作るには時間がかかるのでは?』

『ええ、場所も限られているので10キロ程頂ければ十分です。』

冷蔵庫さえあれば、難なく生肉のまま運べる。美味しさは、段違いなのにな。

『おーい、村長。最高の夜だな。』
その時、アレコレ考えている俺の横で知っている大声が響いた。、

ドヤンさんだ。
まさかの大盛り皿3つとか。
その横で、更に5つの皿を器用に持って肉に食いつくナラハさんの姿も。

あの戦い、2人は先頭に居た。
体格はこの村でも一二を争う程良いのだから村でも大切な戦力だろう。
扉を支える鬼瓦のような表情の2人は、今も頭の中にいた。

肉に食らいつきながらも、ドヤンさんが満面の笑みで俺に何か差し出してきた。

『矢作さん、今回は村を助けて貰って本当にありがとうございました。お礼と言っちゃなんだが、これを作ってきたんですほら、この間話していたギリギリの箱。』

ん?ギリギリの箱ってなんだ?
あれ、これはもしかして【桐の箱】か?!
衣装を入れるのに日本の伝統工芸の自慢をしたからか。(はぁぁ、家づくりは何処へ?また、工事が遅れる。。でも)

それにしても、立派な【桐の箱】だ。
話と材料だけでここまでの完成品を作れるなんて、【作り師】とは本当に凄腕だ。

『ドヤンさん、見事です。中の密封具合も素晴らしいです。これなら、子供たちの洋服も大丈夫だと。。。』


はっ!!

『ドヤンさん、これを作れますか?
ほら、こんな風に。それでこうやって。』
突然の思い付きをテーブルに紙を広げて必死絵を描きながら、説明する。

真剣な表情でそれを聞くドヤンさん。
さっきまで食べてた焼き肉の汁だらけの汚れた顔が今は頼もしく見えるから不思議だ。

『密封が肝だな。良し!!ナラハ、ナラハー行くぞ。ほらほら。皿は何個持ってもいいから行くぞ!!』
俺の話を聞いた途端、焼き肉への関心が突然ゼロになった【作り師】2人は工場に向けて走り去って行った。

頼みますよ、親方!!


大量の焼き肉大会をしながらも、俺はLvが上がった収納庫の新しい成果をチェックする事にした。


目の前に半透明の掲示板。
めくれる空中の表示。


収納庫  Lv6

無機物  無限収納
時間経過無し  
有機物  限定的収納可能
時間経過無し

特殊スキル
分離
合成
表示
分析

※限定的
撮影機能(遠方  1000キロまで可能)


収納庫  ミニLv4
有機物・無機物収納可能
時間経過あり
収納毎に温度設定あり
収納容量  1000t
品数制限無し


【撮影機能】を使ってみたら…

空中に映し出されたまるで【テレビの画面】
ドローンから撮影してような風景が画面いっぱいに鮮明に見えた。

凄く気がかりだったその風景は?

壁と壁の間はどうなっているのか?!

これは…
野獣、野獣、野獣。

獰猛な野獣の飼育所がそこにはあった。。



***   キセ視点 ***

彼を誤解していた。

あれから、彼を見続けてきたから分かる。
大好物の焼き肉も少量しか口にしない理由。

少しでも多くの食材を手に入れる為
交渉の少しでも有利に進めるために、頭の端に自分の食べる分すら入れる徹底さ。

彼を表現するならば。

計算高い。
(その通りだ。)

ずる賢い。
(全く反対の意見は出ない程、当たり前だ)

努力家だ。
(誰もが知る事実だ)

ここまでが、誰もが知る彼だ。

だが。

優しさに溢れている
(最も顕著な彼の生態。だが、誰も気付かぬまま…)  

何面もある人間を勝手に語るのは、よくないが。

誤解されたままが、酷く気になる。

ただ、それだけ。

だ、たぶん。










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