吸血鬼が始めるダンジョン経営 ～アトラクション化で効率的に魂採取～

第１２章 人間と物の怪の懇親会

【122】ダンジョン2階の準備6

　ミリィの意見を聞く限りは、アトラクションか観光施設っぽいダンジョンの方がいいらしい。

　砂漠は夏、雪山はは冬、日本は四季があるので、残るは春と秋。とは言ってもその2つだとこれといったものが思い付かない。

　暑いから、水に入る→オアシスでのバカンス
　寒いから、温泉に入る→雪山の温泉
　雪があるから滑る→スキー、スノボー、スケート

　と言った感じなので、ある意味これまでのものは連想しやすかつた所がある。春と秋って特別な何かってあるのだろうか？日本の四季にはそれほど詳しいわけではないが……

　
　後何があるのだろうか？
　春といえば、日本では桜が有名で、花見があると聞く。秋は実りの秋で、果実や野菜などの収穫が多いイメージである。そういえば、日本はでは、紅葉も観光スポットで有名でしたね。京都の嵐山なんかがいいとか。

　ダンジョンでお花見が出来る様にする。紅葉が見られるようにする？アトラクションではないから、それは一体良いのだろうか？秋はハロウィンもあるのだろうが、あれは別に秋にする必要もないしね。

　それに、アニメのコスプレは大変興味はあるがあれは日本の専売特許になっている感じすらある。本来のハロウィンとは似て非なるものである。

　あっ、そういう線で行くのもありか？お化け屋敷風にして、恐怖感たっぷりの路線で行くか？肝試しというのも日本にはあると聞くし、そうなると映画でよくあるのは、教会やお寺の墓地からゾンビが沢山這い出てくるものか。

　今回のテーマは、ホラー映画ではどうだろうか？意外と行ける気がする。吊り橋効果でカップルが出来るという話も聞くし、この恐怖により意中の異性にアタックすることも可能ではないだろうか？

　僕は、テーマを定めて、基本設計を考えることにした。システムで実際にダンジョン設計を進めてしまうと、後で雪那さんやミリィに怒られるので、パソコンでパワーポイントを使って、基本テーマとコンセプト書き出してみる。

【真夏のホラー体験】
・遊園地のお化け屋敷
・肝試し
・教会やお寺の墓地からゾンビが湧き出てくる
・脱出ゲームの様に迷路状に作成
・モンスターは、ゾンビやお化けとする。物の怪とはちょっと異なる
・ボスモンスターは、より恐怖を与える存在にする。
　みただけで足がすくむ様な外見のもの。
・エリアは、夜。丘や洞窟など
・吊り橋効果による意中の異性に急接近！！

　僕が思いつく限りではこんな感じだな。これで業務終了後にでもみんなに意見を聞いてみよう。

　ダンジョン設計はするのはNGだけど、どれを使うかめぼしをつけるのは問題ないですよね。僕は、ダンジョンのフロアとエリア、モンスターをリストから選択して選んでいった。

　いいなと思ったものは、どんどんプリントスクリーンでモニター画面をスクショし、トリミングして、パワポにどんどん貼り付けていった。

　これはかなり出来が良いと思う。これならみんな納得してくれて、OKも出るはず……


　と思っていたのですが、終礼後、受付フロアにて。社員の皆さんに、印刷したものを配布して、こと細かに説明した所。

「ウィーンさん、この企画はありませんわ。」