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第12章 人間と物の怪の懇親会

【112】EXDELによる業務効率化の指導5

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「見返りがでかい代わりに、相応のリスクがある事がよく分かりました。でも、この問題って、その作成者を会社に留めておけば限りなく現状維持できたのではないでしょうか?」

「そうですね。問題になるのは幾分遅らせられたと思いますよ。一人でさせていた様ですので、結局その方が退社される時に同じ事が起こりますけど…。それだけの技術のある方なら、他の会社でも高待遇で雇ってもらえると思いますしね。結局は時間の問題だったでしょうね。」


「すぐに引き継ぎ出来る案件でないこともこの案件で分かりました。やるなら二人まとめて教育して、二人で話し合いながら作るのが良さそうですね。とするとこの勉強も他の支店から候補者を募って行った方が良いのでしょうか?」

「そうですね。本来ならそれが良いのでしょうが…。あいにくそこまで行う余力がないのと、実績も上がっていないソフトに対して興味を持つ人がいないということですね。ですので、配布するなら、かなり癖のあるお試し版を作ってからですね。」

「確かにそうかもしれませんね。どれほど効果あるかも分かりませんし。興味のある方なら学べるでしょうが、ない方だとかなりハードルが高そうですね。」

「そうですね。
1.少なくとも学ぶ上で要求するレベルは、パソコンの操作が不自由なく出来ること。
2.exdelでグラフや表、簡単な数式での計算が出来ること。
ですね。工業出身やプログラムを学んだ経験は有ればいいと言った所でしょう。」

「ほっ、私と小咲さんは一応ラインは合格してますね。そうですよね。学ぶ上ではある程度の基準値を超えてないと、どこから教えるかの判断が分からなくなってきますからね。」

「あわわわ。ウィーンさんに希望を言っての入社でしたから、なんの問題もないと思ってましたけど。クリア出来てないと教えてもらえなかったんですね。汗汗」

「いえいえ小咲ちゃん。その点は大丈夫ですよ。うちの社員ですから、そこはちゃんと分かる所から、順次教えて行くので心配しなくても大丈夫です。その場合は、教えるのに160時間程かかる予定ですね。」

「160時間ですか。車の運転講習の様な感じですね。」

「確かにそうかもしれませんね」

「では前置きはこの位にしておいて、初めて行きましょうか。exdelを学ぶ時は、教えてくれる機関があまりないので、基本独学で行うものだと思って下さい。幸い今の時代は、ネットで検索すればなんらかの質問に対する答えのサイトは見つかりますから、独学での勉強でも大丈夫ですよ。ただ、独学だと、何から手を出していいのか分からなくなるので最初の覚えておいた方が良い機能をどんどん教えて行きますね。」

「「はい、お願いします。ウィーン先生」」

「私は意味もなく物事を教えるのは苦手ですので、題材を、使いつつ実践を通して学んでいきましょ。座学よりも実践で考えながら使った方が学ぶスピードは格段に早いですからね。どれからしましょうかね………。シフト表は作りましたし、日付や曜日の自動化も出来てますから。これはひとまず完成でしょう。となると………。」

「あのウィーンさん。可能であれば、紙に打刻したタイムカードの集計をお願いしたいです。」

「天魔さんありがとうございます。それなら、そこから始めましょうか。天魔さん。うちの勤務表は自動で勤務時間を記録してますので、それを元に説明しますね。大阪だと金沢支店で、出勤時間、退勤時間がある場所にカードを見ながら手入力することになりますよ。」

「ええ、それでひとまずは大丈夫です。出退勤は大体時間が揃ってますからコピー&ペーストする形で対応しますから。」

「そうですか、ならその線で進めていきましょう。
うちでは、一月に1シートで構成しています。なので、ここにあるのは7月分の内容ですね。

B列:日付
C列:社員ID
D列:名前
E列:出勤時間(時)
F列:出勤時間(分)
G列:退勤時間(時)
H列:退勤時間(分)
I列:休憩時間(分)
J列:勤務時間(時:分)
K列:残業時間(時:分)

うちは基本日を跨ぐことはありませんので、そちらの計算はイレギュラーになるので考えていません。そういう深夜勤務があったり、2交代や3交代の場合は計算式が異なってきます。」

「なるほど。この集計用のフォーマット一つにしても、残業一律で行うという訳にはいかないんですね。」

「私は、居酒屋でバイトしたことあります。夕方から入って、お客様が帰った後に片付けをするので、日を跨ぐ事が基本でしたね。」

「そういう訳で、あくまで基本の考え方として、お二人にお話ししますので、他の業種で扱う場合は、計算式やフォーマットをその都度合わせて変えて下さいね。」


「はい、わかりました。でも、ウィーンさん私はずっとダンジョンマートで働きますから、その心配はご無用ですよ。」

「私も同じくです。こんなに学べて、楽しく仕事できる所は他にありませんよ。」

「まずは、データがただの数値になっていますので時刻に直していきましょうか。」

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