上 下
100 / 138
第11章 ダンジョンフロア2階 オープン準備編

【094】雪山でのテストプレイ with スキー&スノボー4

しおりを挟む
「にゃー、ご主人!このカンヌキ?凄いにゃー。足が雪に沈まないにゃー。」

「雪国で古くから、雪道を歩くのに開発されたものだしね。本来は稲藁を編んだものらしいよ。で、このダンジョンでは、これがもっともコスパがいいからね。」

「でも、ですねウィーンさん。このカンヌキって、あまりオシャレじゃありませんよ。ちょっと野暮ったさが出てしまってます。」

「まー、機能性を重視して、手作業によって開発されたものだし。近年はあまり使われてないみたいだから。よかったら、小咲ちゃん、これのデザインもやってみる?雪兎とか、狼とかデザインしてみると案外可愛いくなるんじゃないかな。」

「そうですね。機構も少し見直してみますね。手作りでするなら、おそらくその作りが一番よいのでしょうが。今は、3Dプリンタもある時代ですからね。それに、こっちは、デザインして、それをショップ登録したら、後は量産はしなくても、大量に販売出来ますから。楽しそうですね。後でやってみます!」

小咲ちゃん。その心意気や良し。仕事は楽しんでやったもの勝ちだからね。1日8時間もその仕事に着くんだから、嫌嫌やるよりかは、楽しんでやった方が人生は、十二分に楽しくなると思う。

と話し込んでいる間にもミリィは、カンヌキを履いて周囲を走り回っている。あれ、おかしいですね。カンヌキって、歩くのには重宝されるけど、走るのには適してなかった気がするんですが。

ミリィの走った後には、粉雪が舞い上がっている。うん、冬場の子供が遊ぶ風景みたいで和むな~。僕も欧州にいた頃は、雪が積もると、ウキウキして、外に出て遊んでたっけ。

「ご主人、ご主人!これもう一組欲しいにゃー」

「えっ、なんで?両足履いてるから、もういらないんじゃないの?」

「にゃー」

と言って、両の手のひらを上に向けて、こっちに差し出してくる。

「あーなるほど、手にもつけたいわけか」

「.にゃー、にゃー、その通りにゃー」

本来、カンヌキは手につけるものではないし、上手く使えるかどうかは分からないけど、ミリィがやってみたいんなら、買ってあげようか。子供は自分のやってみたいこと、あれこれ、自分でやって失敗して成長出来る生き物だしね。

年長者がそれは失敗する、それはダメだって言葉一つでやってしまうと、子供は考えることや成長することを諦めてしまうケースがあるらしいし。

「はい、ミリィ、送っておいたし。使ってみてね」

「にゃー、ご主人、ありがとうにゃー」

両手にさっそく装備?いや、本来の使い方ではないので、カンヌキを両手で掴んで、動物の猫のように4足歩行で、歩いていた。

「にゃー、にゃー、いい感じだにゃー」

慣れてきたのか、4つのカンヌキを使って器用に走り回っている。うっ、上手く行くもんなんだね。自分の普通と呼べる考えで押し付けなくてよかった。

「ミリィちゃん。凄いですね。あんなに器用に走れるもんなんですね。」

同じ猫族故か、小咲ちゃんがウズウズしながら、その様子を眺めていた。

「やっぱり、小咲ちゃんもカンヌキでテストプレイしてみる?」

「うっ、うーーーーん。そ、それでもいですか?でも、やめときます。そうなるとトナカイのテストプレイする人がいなくなりますし。」

「それなら心配しなくても僕がやるから大丈夫だよ。」

「なら私もお願いします。」

こっちは経費扱いで従業員に配布する形で、小咲ちゃんに渡す。ややこしいよね。テストプレイは、善意でしてもらっている。なので、必要は備品があれば、それは会社で用意する必要がある。

でも、これがスキーやスノボーだと、個人が遊ぶ範囲で使用するため、経費にはできない。僕のやつを使うならそもそも買う必要もないけどね。まー僕は、スキーもスノボーも買ってないや。ミリィ用に購入してあるだけだし。

レンタルにするのも一つの手ではあるよね。ちょっとコスパが悪くなるけど。


「なっ、なるほど、これがカンヌキなんですね。足元が少しふわふわして、不思議な感じがします。それにしても、これであれだけ走り回れるミリィちゃんは凄いですね。私は慣れるまでに時間がかかりそうです。」

「あっ、ミリィみたいに、手用のカンヌキもあった方がいいよね。はいっ、送っといたよ。」

「ありがとうございます。」

ミリィの後を追いかける様にして、小咲ちゃんがのっそりのっそりと追いかける。手用のカンヌキは、しばらく装備しないようだ。

さっ、チートで登っていった二人はどうかな?
と、二人がいそうな所に視線を向けると、雪山の山頂には、もう二人ともいなかった。もう滑り始めたんだね。と徐々に視線を下に移して行くと、パラレルで、右へ左へ移動しながら降りてくる姿があった、

やっぱり山育ちは上手いものだね。僕だとあーはいかないや。

「おーい、ウィーンさーん」

雪那さんが滑りながらこちらに手を振ってくる。滑りながらやるのってよっぽど慣れた人でないと難しいよね。と手を振っている間に、僕のところまで滑ってきた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

異世界で魔工装具士になりました〜恩返しで作ったら色々と大変みたいです

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:30,224pt お気に入り:1,098

後宮の隠れ薬師は、ため息をつく~花果根茎に毒は有り~

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:4,217pt お気に入り:667

マイダンジョン育成中

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:120pt お気に入り:75

不死王はスローライフを希望します

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:13,639pt お気に入り:17,513

異世界転移したら、神の力と無敵の天使軍団を授かったんだが。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:1,779

ダンジョンブレイクお爺ちゃんズ★

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:204

処理中です...