吸血鬼が始めるダンジョン経営 ~アトラクション化で効率的に魂採取~

近衛 愛

文字の大きさ
上 下
101 / 138
第11章 ダンジョンフロア2階 オープン準備編

【095】雪山でのテストプレイ with スキー&スノボー5

しおりを挟む
「二人とも、スキーで滑って見てどうでしたか?」

「誰も滑ってない雪山を滑り降りるのは快感ですね。」

「ウィーンさんも滑りましょうよ。ぜーったい楽しいですから」

雪那さんが、手を握って連れて行こうとしてくる。

「そうしたいのはやまやまですが、まだ、確認することがありますからね。私がするとしたら、確認すべきことが全部終わって余力が、あったらですね。」

「そうですか。残念です。ウィーンさんと滑れると思ってましたのに。」

「まーまー雪那さん。僕たちは、また、スキーで色々とテストしてウィーンさんを手伝いましよう。早く終われば、ウィーンさんも早く終わるはずですから。」

「そうですね。では、私達はどんどん滑って、バグがないかどんどん検証していきましょう」

「おー」

「あっ、二人ともちょっと待って、テストプレイに協力してくれるんなら、空を飛んだり、雪を凍らせて登ったりするのは禁止でお願いしますね。」

「「えっ」」

二人ともびっくりした顔でこっちを見てくる。よほど予想外の言葉だったのか。

「普通の人間の冒険者は、空も飛べないし、雪を凍らせて滑って、斜面を駆け上るなんて逆立ちしても出来ませんからね。やるなら、普通の冒険者と同じ能力でお願いします」

笑顔で、二人を諭してあげる。

「でっでもウィーンさん。あの雪山をえっちらはっちら、登っていると時間がかかるわ、体力は使うわ。楽しく滑るって感じではなくなってしまうんですよ。」

「そうですそうです。それだと、せっかくのスキーやスノボードが楽しめませんわ」

「お二人共が言いたいことはよく分かりますよ。でも、ですね。テストプレイなんですから、楽しくはないんですよ。それに、それでも楽しんでる二人があっちにいるんですよ」

とミリィと小咲ちゃんがいるところを指さす。そこには、4本足で雪煙を巻き上げながら、駆けずり回るミリィと、慣れないながら、ゆっくりとそれを追いかける小咲ちゃんの姿があった。

がーんという顔をしながら、天魔さんと雪那さんが顔を見合わせている。

「二人ともそんな悲しそうな顔をしないでください。別にスキー板履きながら、カニ歩きで山頂まで登ってなんて無茶なことは言ってませんよ。」

「「えっ」」

「言ってましたよね?」

「言ってませんよ。人間の能力に合わせてくれと言っただけです。」

「「はーっ」」

「お二人共、雪山でこれまで遊んだ経験で登っているみたいですが、ここはダンジョンなんですよ。なにも、スキー板もストックを装備しながら登る必要はないんです。登るのに不利なら、有利な装備に変えればいいんですよ。」

と言ってカンヌキを取り出す。

「これを履いて登ってもいいですし、トナカイのモンスターを捕まえて、ソリで引いてもらっても、そのまま乗ってもらっても結構なんですよ。ただ、物の怪の能力を使うのはテストにならないのでやめて下さいね。ってことです。」

「あっ、、、、たしかに、、、」

「言われて見ればそうですわね。何も現実と同じやり方で登る必要は、ありませんでしたわ」

「では、僕はトナカイを捕まえて、ランディングして登ってみます。」

「それなら私は、どうしようかしら?雪ん娘に手伝って雪を凍結してもらおうかしら?それなら大丈夫ですよね?」

「眷属はダメですけど、モンスターの雪ん娘ならOKですよ。でも、凍らせてどうするんですか?登れませんよ?」

「それもそうですね。なら、氷の階段でも作ろうかしら?それも大丈夫ですよね?」

「ええ大丈夫ですよ。ただ、翌日以降は、なくなっていると思いますよ。ダンジョン内の環境がリセットされますから。」

「まー、その時はその時ですわ。今日は一まず階段が出来れば楽になるでしょうし。」

「ええっ、色々試してくださいね。」

雪那さんも天魔さんもモンスターを探しに行ってしまった。でも、普通の冒険者だと、捕獲するってかなりハードになるはずなんだけど。

まーそこまでは、いいか。人間でも、力の強い人も弱い人もいるから。まーそこまでは言わないよ。

さて、トナカイは天魔さんがやってくれることになったし。僕は何を検証しようか?ここのダンジョンのボスのユミルを確認するのも必要だけど、テストに手伝いに来てもらっているから、離れるのも悪いしな。

せっかくだしソリを使ってやれることをやってみるか。兄さん達は、眷属の狼を使ってのソリが凄く上手かった。僕のいうことを狼達は聞いてくらないので、ソリを自分で、動かせたことはなかった。でも、トナカイなら大丈夫だよね?きっと。






しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

とあるおっさんのVRMMO活動記

椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。 念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。 戦闘は生々しい表現も含みます。 のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。 また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり 一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。 また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や 無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという 事もございません。 また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

処理中です...