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ここ、何処ですか?
しおりを挟むふわりと花の香りを感じ、徐に目を開けた。
「…え?」
目を開けて、最初に飛び込んできたのは澄み渡る青空だった。
ただ、その青空には惑星のような球体が見えるが…。
はて、ここは何処だろうか?と首を傾げながら周りも観察してみる。
「え…なにこれ…」
螺旋階段のような幹に、緑溢れる大きな葉っぱ。
それは正しく某RPGゲームに出てくる世界樹のようで、もう訳が分からなかった。
それだけじゃない、私が今いる場所は根元からさらに上空、空と言ってもいい場所にいた。
と言っても、私は建物の中にいてしっかりベットに横になっていた。しかも天秤付き、なんて豪華な。
これはあれか?神殿と言うやつだろうか。
というかあの噴水はなんだ?あの建物はなんだ!?
これじゃまるで天空城じゃない!!
え…なに?、私死んだの?天に召されでもしたの?
でなきゃこんなとこに居ないよね、うんそうだ、きっと死んだんだ。
で、これからどうしたらいいの?
と、頭に盛大に疑問符を浮かべていると、後ろから扉をノックする音がした。
「入るぞ」
そう言って、こちらの了承など聞かずに誰かが入ってきた。
つかつかとその長いコンパスで私の元まで来ると、
「おはよう」
開口一番、目の前の美形さんがそう言ってきた。
「…お、おはよう、ございます?」
今の状況についていけず、思わず疑問形で答えると、目の前の美形さんは鼻がほころぶようにふわりと微笑んだ。
「体の具合はどうだ?まだ眠いか?」
美形さんはその微笑みのまま話しかけてきた。
「…え?、あ、はい、大丈夫です」
え、なになにこの人誰?もしかして神様?私を召しに?いらっしゃったのかしら?
私が一人のブツブツと心の中で呟きながら考えていると、美形さんは徐に私がいるベットに腰かけ、顔を覗き込んできた。
「へ?…ひゃっ!」
そうとも知らずに思考をめぐらせ、取り敢えずそんなものは後回しだ!とばかりに現実に戻ってくれば目の前に顔面国宝が。
うわっ、ちょっとその美の凶器を私に向けないでぇ!!鼻血でちゃうから!!
「なんだ?やっぱりまだ具合が悪いのか」
「…」 (ち、違う!貴方が美しすぎるからっ!)
「どうした?もうすこし横になっているか?」
「…」 (うわうわうわ、こ、こんなに近くにぃ…!)
というような感じに、話が全然進むことはなく、このまま15分ほどこんなやり取りが続いたのだった。
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