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ー信頼ー127

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「だよなぁ。 本当、雄介は何でも作れるからな、前に雄介に『お前って完璧な人間だよな。 容姿も頭も運動も料理も家事が出来る奴だから、俺には勿体ないって感じなんだけど』っていうのを言った事があるんだけど……雄介は俺が居るから頑張れるって言ってたんだよなぁ」
「やっぱり、雄介さんと望さんはラブラブなんですね。 望さんは雄介さんの事を好きなんですよね? それなら、雄介さんが帰って来た時にはチューとか抱き締めるとかじゃなくても『好き』って言葉だけを伝えて上げてみてはどうでしょうか?」
「……へ?」

 裕実の口から思ってもみない事を言われて、望は目を丸くするのだ。

「行動を起こさなくても、たった二文字の言葉を言うだけなんですから凄く簡単な事だと思いますけどね」
「そうだな。 それ位なら言えんだろ? 恋人同士の合言葉みたいなもんなんだからさ」

 和也はそう言いながら出来た料理を運んで来る。

「別に、愛の言葉だからと言って、そう重たく感じなくてもいいんですよ。 たった二文字の言葉だけで相手に十分伝わるんですからね」
「そっか……たった二文字だもんな。 確かに、それは考えておいてもいいのかもな……」

 その望の言葉に和也と裕実は視線を合わせ、微笑むのだ。

「とりあえず、和也君が作った焼きそば召し上がれ!」
「まぁ、自慢出来るような料理では無いですけど、和也が作ってくれたんで、いただきます」
「確かに、裕実の言う通りだけど、作ってくれた。 って事には感謝してるよ。 いただきます。 雄介ならきっともっと美味しい物作ってくれたのかもしれねぇけどな」

 望はいつも雄介が座っている、隣りの席を横目でチラリと見るのだ。 今日も雄介はまだ帰って来ていない。 だから、雄介の席には雄介も料理もまだ無い状態だ。 春坂に住んでる時は空席なんてしょっちゅうだったのに、この島に来てからは席が空席になった事なんてなかった筈だ。 そうだから、春坂に住んでいる時というのは、雄介がいないのだ当たり前で、その生活に慣れていたのだが、島に来てからは雄介がいない日というのは一度もなかった筈だ。 四人で食事えおしていると、雄介と和也が会話をし場を和ませてくれていた事を思い出す。
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