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ー決心ー16

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「さよか、ほんなら……今日はゆっくりとはいかへんけど、ラブラブしてー、それから……」

 雄介は幸せそうな笑顔で望の体を抱き締める。

 そんな望は黙ったまま雄介に抱きしめられたままでいた。

 だが雄介の顔が見えていない望も雄介に抱き締められて、幸せそうな顔をしているようだ。

「ほな、出ようか?   望とラブラブしてる暇なくなってまうし……」

 雄介は望から離れると、先にお風呂場から上がり、脱衣所で着替えるのだ。

 雄介は寝る時、パジャマは着ない。 やっと寒い時期が終わった最近ではハーフパンツにTシャツ姿で部屋の中でいる。

 その後に望はお風呂場から上がりパジャマへと着替える。

 そして望が着替えるのを待っているのか、雄介は着替え終えてからも脱衣所にいた。

 さっき幸せな気分になっていた望。 何だか今日はというか、もっと幸せな気分を味わいと思ったのか望は着替え終えると、雄介の体を背後から抱き締める。

 突然、背後から抱きしめられた雄介は、まさか望がこんな行動に出るとは思ってなかったのか目を丸くさせ体を固まらせてしまったのだから。

「の、望……今日は急にどないしてん? いつもの望と違ゃうような気がすんねんけど……?」

 逆にそんな望の行動に雄介の方は慣れてないせいか、顔を強張らせてしまっているようにも思える。

「気のせいだろ?   って、さっきも言ったじゃねぇか」
「ま、まぁな、せやな。 ほんなら、行こうや」

 雄介は望にそう言ったのだが、一歩足を踏み出そうとした時、更にキツく抱き締められたのが分かった。

「……望?」

 雄介はゆっくりと望の方へと振り向くと、望は雄介の顔を見上げ笑顔を向けるのだ。

 いつもとは違う望に雄介は頭を悩ませてしまう。

 なんというか調子が狂うというのであろうか。 戸惑うというのであろうか。 

 だが雄介はいつもの自分に戻す為に一度頭を振ると、

「望が離してくれへんのやったら、お姫様抱っこでもして部屋に連れて行ってまおうかなぁ?」

 雄介は望の体を抱き上げると、望と一緒に二階の部屋へと向かうのだ。
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