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ー天使ー107

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「なぁ、望……琉斗知らへんか?」
「琉斗、いねぇのか?」
「まさか、さっきのことで傷付いて、外に行ってまったと違ゃうやろか?」
「流石にそれはねぇだろ? 琉斗の奴、それはそれで納得してみたいだからよー」
「ほんなら、何でいないんや?」
「先に2階に行ったんじゃねぇのか?」
「それなら、ええねんけどなぁ」
「とりあえず、俺が見てくるから、雄介はテストの方やってろよ」
「分かったって」

 望は琉斗のことを探しに部屋内を回る始めるのだ。

 だが望や雄介が思っていた通りに二階に琉斗の姿はなかった。

「……へ?   マジにどこに行ったんだよー。 とりあえず、部屋ん中、探してみるしかないよなぁ?」

 そう望は独り言を漏らすと、部屋の中を探し始める。

 まずは外に出ていないかを確かめる為に玄関へと向かうのだが、内側から鍵がかかっていて誰かが外に出たという気配もなければ玄関には琉斗の小さい靴が置いてあるのは確認したのだから、きっと琉斗は部屋内にいるのは間違いない。

「……って、ことは……琉斗は確実に部屋に居るってことだよな?」

 望は辺りを見渡すともう琉斗を探す場所がないことに気付く。 二階も一階も部屋という部屋はもう探して来たのだが、琉斗の姿は何処にも無い。 今の家は本当にシンプルな一軒家で部屋数も少ないのだから普通なら簡単に見つかる筈なのだが、全くもって琉斗の姿が何処にもない。 そこに望は首を傾げながらも、

「後は……地下か?   まさか、地下に行くには鍵がかかっていて行ける訳がねぇしなぁ?」

 望はそう独り言を漏らしながら階段後ろにある地下へと繋がるドアの前まで行くと、いつも閉まっている鍵が開いていた。

 そこに溜め息を漏らす望。 そして地下へと向かうと案の定階段のは電気が付けられていて誰かが通った形跡があった。

「ってことはここか……」

 望は再び溜め息を漏らすと、地下室にある部屋へと入ると淡い明かりの電気が点いていて部屋の真ん中で佇む一人少年の姿があった。

「琉斗……そこで何してんだよー」
「探検していたら、ドアがあったから入ってみたかったの……」
「そっか……でも、急にいなくなるなよな……みんな心配するだろ?」

 望は琉斗の事を抱き上げリビングへと向かう。

「ねぇ、あの部屋って何!? 女の人が着るお洋服とかいっぱいお道具とかがあったんだけどー」
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