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ー過去ー131

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  そう先に行ってしまった望の後に慌てて付いていく雄介。

「望……ズルいやんかー、一人で風呂に入るなんてー」
「そう言っても雄介なら付いて来ると思ったからな」
「なんや……そういう事やったんか」
「ああ……」

 望にしては珍しくクスリとしていた。

「今日はシャワーでいいよな? そろそろ浸かるっていうのは暑いしさ」
「まぁ、そこはええねんけどな」

 二人が脱衣所で服を脱いだ後、雄介は望の背後から望の事を抱き締め。

「望……こっち向いて……」

 その雄介の甘い声にゆっくりと雄介の方へと顔を向ける望。 すると雄介はその甘い望の唇へと唇を重ねる。

 だが今回は触れるだけのキスで止める雄介。

 そのキスに望は目を丸くしながら雄介の事を見上げる。

「ん? フレンチだけじゃあ足りへんか?」
「あ、いや……そういう訳じゃあねぇんだけどさ」

 望は雄介に体を預けていたのだが、それを起こすと、

「ほな、何?」
「逆に雄介がそんだけで足りるのかなぁ? って思っただけだ」
「その言葉はええ方に取ってもええの?」
「んー……いいんじゃねぇの?」

 望の方は少し考えたものの、それはわざとで雄介にはやはり少しでも素直な自分の気持ちを伝える為に溜めていた事だ。

「ほなら、後でいっぱいキスしようなー」
「ああ……」

 望の方はそう小さく返事をすると二人はお風呂場へと入って行く。

「望の体って、相変わらず色白で細いやんなー」
「これでも、昨日は和也と焼肉食って来たんだぞー」
「まぁ、それは知ってんねんけど。 望はきっと太らない体質なんかもしれへんな?」
「そうかなぁ。 あー、でも、大学時代から体重の方は増えてなかったかもしれねぇな」
「ほな、そうなん違う? まぁ、望の場合には基本的には少食の方やし、逆に一日の摂取カロリーに到達してないんと違うか?」
「それもあるのかもなー。 下手すると昼とか夜とかって食べてない時だってあるしな。 確かに一日の摂取カロリーに達してない方が多いのかもしれねぇよな」

 シャワーの水音が響き渡る中、二人は体を洗いながら話をしていた。

「やっぱり、こういう仕事をしていると食いもんっていうのは不規則になるもんやしな」
「まぁ、仕方ねぇよ。 俺なんかはまだいい方なのかもしれねぇしな。 なんていうのか……シフトっていうのは親がやってくれちゃってるからさ、何気に昼間の仕事の方が多いからよ」
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