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ー過去ー49

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 二人は一緒にお風呂から上がるとタオルで体を拭き部屋着へと着替えると二階にある部屋へと向かう。

「なんやろ? 一緒にベッドに来るのも久しぶりのような気がすんねんけどな」
「多分な」

 相変わらず素っ気ない態度なのだけど、そんな相変わらずな態度の望に雄介は愛おしささえ感じてしまっているようだ。

 雄介がベッドの端に腰を下ろしていると、望は机の上に眼鏡を置きベッドへと横になる。

 望が仰向けになると変わらない天井だったのだが、急に雄介が望の事を覗き込んで来たらしく、望の瞳には雄介のその笑顔を瞳が入ってきたようだ。

「雄介……」
「何?」
「あ、ああ……ちょ、ゴメン! な、何でもねぇよ……なんて言うのかな? ただお前の姿が入って来たから、名前を言っただけだ、だから、そこは気にすんなよ」

 望は無意識のうちに雄介の名前を呼んでしまっていたのであろう。 急に雄介に返事をされてしまい慌てたように雄介から視線を逸らしてしまったのだから。

「ま、ええわぁ。 望に俺の名前呼んでもらえただけで、今はめっちゃ嬉しいしな」

 そう手を広げて雄介はオーバーリアクションを交えながら今の雄介の感情を望へと伝えるのだ。

 望はその雄介の様子にクスクスと笑うと、

「お前らしいなぁ」
「当たり前やんかぁ、むっちゃ嬉しいねんからな」
「ま、いいから……今日はもう寝ようぜ。 明日、まだ仕事あるんだしさ」
「せやな」

 雄介はリモコンで電気を消すと布団を掛ける。

「今日は記念日やったけど、今度は望の誕生日やな」
「ま、誕生日を祝ってもらうような歳でもねぇけどな」
「そう言わんと、祝らせてくれや」

 雄介はその望の言葉に望の方に体を向け頰を膨らませてまで言うのだが、きっと、この暗闇の中では望には見えてないだろう。

「嫌だって言ったらどうするー?」

 雄介のその言葉に対し意地悪な事を言う望。

「望はそう言うんやったら……こうする!」

 雄介はそう言うと望の脇腹を手探りで見つけ擽り始める。

「おい! ちょっと! ちょー、待てって! マジで擽ってぇんだからよー! 止めろって!」

 だが、そこは本気で望は嫌がってはいないのだから、いつもより高いトーンで抗議するのだ。

「分かった! 分かったって! 降参! そだな、お前がやりたいって言うんだったらやっても構わないからさ」

 やはり望の性格上そこは素直に上手く言えてなかったのだが、雄介にはそれだけで十分に望が言いたい事が分かったのであろうか安心したような表情をすると、望の事を抱き締め、
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