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ー雪山ー205
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「確かに、お前がアイツを嫌う理由が分かったよ。 じゃあ、これからはそんなにアイツに頼めねぇって事になるよな。 ってかさ、お前、案外、モテるんだなぁ、違う意味でさ」
そう望はクスクスと笑いながら言う。
「あー、そう言われてみればそうだよな。 おかしいなぁ? 何で俺は男に言い寄られる派なんだ? おれは男でも女でも抱きたい方なのにさぁ。 病院じゃあ、女性の患者さんにも人気ある方だって思ってるんだけどなぁ。 でも、そういうとこじゃ、女性に告られた事はねぇんだよな」
「お前の場合、女性からしてみたら、高嶺の花なんじねぇのか? 逆にかっこよすぎて、女性からすると『彼女いるんじゃないか?』って思われていて、近寄りがたいのかもしれねぇしな」
「それを言ったら、望もそうなんじゃねぇのか? 仕事は医者してるし、しかも、病院でも人気あるみたいだし、そこは、影でこそこそとしてる女性達の話聞いた事あるしさ。 まぁ、それで、頭は言い訳だろ? 女性にとって一番の理想なんじゃねぇのか? 後はスポーツが出来れば完璧な高嶺の花だろ?」
そう和也の方は望に向かってニヤニヤとしながら言うのだが、望の方は顔を赤くし顔を俯かせてしまっている。
ただ、もしかしたら暖炉の前にいるから顔を赤くしているのか、それとも本当に今の和也の言葉で顔を赤くしているのかは分からないのだが。 そんな望に一瞬だけ和也は見惚れてしまっていたのかもしれない。 久しぶりにまともに見てしまった望の横顔。
そんな自分に気付いてしまった和也は直ぐに首を振り今考えていてしまった事を頭の中から消すような事をしていたようだ。
そんな時、
「……也! 和也! ……聞いてんのか!?」
と急に望に名前を呼ばれて考え事をしていた和也はワンテンポ遅れて望の言葉に返事する。
「……ん? 何?」
それと同時に顔を上げて和也は望へと視線を合わせる。
「俺の手さぁ、暖まってきたから、交代しようぜ」
「あ、うん……そうだな」
和也の方は腰を上げて今、望がいた暖炉の側へと移動し今度は和也が暖炉の前で手を暖め始める。 望の方は再び雄介の横へと向かうと、もう雪から水へと変わってしまっている桶の中に手を入れて雄介の額へと手を乗せるのだ。
雪から水に変わっても相変わらず、水は冷たいままだ。 だが望の方は顔色一つ変えずに作業を続ける。
「なぁ、望にも彼女位はいた事はあんだろ?」
「まぁな……そういうお前こそいたんじゃねぇのか? 俺の場合には告白されたけど、最終的には向こうに振られたんだけどな。 しかし、ホント、そういうところって勝手だよなぁ。 最初は見た目とかでだったのかもしれねぇけど……それで、告って来て、だけど、性格とか抱き方が下手とか何とか言ってさ、嫌だったら、直ぐに捨てられるっていうのかな? そうそう! 俺の方はちゃんと付き合ってる時にはデートだって行ってたし、デートの代金だって俺が払ってたんだし、それに、高級レストランとか、映画とかパーティーだって連れて行ってたんだからな」
そう望はクスクスと笑いながら言う。
「あー、そう言われてみればそうだよな。 おかしいなぁ? 何で俺は男に言い寄られる派なんだ? おれは男でも女でも抱きたい方なのにさぁ。 病院じゃあ、女性の患者さんにも人気ある方だって思ってるんだけどなぁ。 でも、そういうとこじゃ、女性に告られた事はねぇんだよな」
「お前の場合、女性からしてみたら、高嶺の花なんじねぇのか? 逆にかっこよすぎて、女性からすると『彼女いるんじゃないか?』って思われていて、近寄りがたいのかもしれねぇしな」
「それを言ったら、望もそうなんじゃねぇのか? 仕事は医者してるし、しかも、病院でも人気あるみたいだし、そこは、影でこそこそとしてる女性達の話聞いた事あるしさ。 まぁ、それで、頭は言い訳だろ? 女性にとって一番の理想なんじゃねぇのか? 後はスポーツが出来れば完璧な高嶺の花だろ?」
そう和也の方は望に向かってニヤニヤとしながら言うのだが、望の方は顔を赤くし顔を俯かせてしまっている。
ただ、もしかしたら暖炉の前にいるから顔を赤くしているのか、それとも本当に今の和也の言葉で顔を赤くしているのかは分からないのだが。 そんな望に一瞬だけ和也は見惚れてしまっていたのかもしれない。 久しぶりにまともに見てしまった望の横顔。
そんな自分に気付いてしまった和也は直ぐに首を振り今考えていてしまった事を頭の中から消すような事をしていたようだ。
そんな時、
「……也! 和也! ……聞いてんのか!?」
と急に望に名前を呼ばれて考え事をしていた和也はワンテンポ遅れて望の言葉に返事する。
「……ん? 何?」
それと同時に顔を上げて和也は望へと視線を合わせる。
「俺の手さぁ、暖まってきたから、交代しようぜ」
「あ、うん……そうだな」
和也の方は腰を上げて今、望がいた暖炉の側へと移動し今度は和也が暖炉の前で手を暖め始める。 望の方は再び雄介の横へと向かうと、もう雪から水へと変わってしまっている桶の中に手を入れて雄介の額へと手を乗せるのだ。
雪から水に変わっても相変わらず、水は冷たいままだ。 だが望の方は顔色一つ変えずに作業を続ける。
「なぁ、望にも彼女位はいた事はあんだろ?」
「まぁな……そういうお前こそいたんじゃねぇのか? 俺の場合には告白されたけど、最終的には向こうに振られたんだけどな。 しかし、ホント、そういうところって勝手だよなぁ。 最初は見た目とかでだったのかもしれねぇけど……それで、告って来て、だけど、性格とか抱き方が下手とか何とか言ってさ、嫌だったら、直ぐに捨てられるっていうのかな? そうそう! 俺の方はちゃんと付き合ってる時にはデートだって行ってたし、デートの代金だって俺が払ってたんだし、それに、高級レストランとか、映画とかパーティーだって連れて行ってたんだからな」
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