フラグ回収したい魔女と何故か原作と違いまくるラプンツェル

緑山紫苑

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第二章

初めてのペナルティ

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謎迷はラプンツェルがパタパタとモーガンの部屋から出ていくのを黙ってみていた。

 「別に鶏肉と卵の粥でも良かったのに、、、。」

 昨日、ラプンツェルが作ってくれた鶏肉と卵の粥は実に美味であった。

 あれならきっと2日連続で食べても飽きまい。

 いや、謎迷ならきっと5日連続で粥を食べても美味だと感じるだろう。

 そのため、ラプンツェルがわざわざ朝食を作り直す必要は無いのだが、、、。

 「ラプンツェルはきっと作り直さねば気がすまぬのだろうな、、、。」

 まだ謎迷はラプンツェルと出会ってから1日しかたってないが、1日も接していればラプンツェルがどのような性格なのかは大体わかってくる。

 なにせラプンツェルは何十分もモーガン(謎迷)の髪を梳かした後、1時間もかけてヘアオイルを髪にペタペタと塗りたくる子なのだ。

 自身の気が済むまで念入りにそれをやり抜く、それが謎迷から見たラプンツェルの性格なのだ。

 ラプンツェルは、少し偏見になるだろうが、言うならば、チョーーーー面倒くさいA型体質なのである。

 でもまあ、慎重なのに越したことはないと思うから謎迷はあえて何か言おうとは思わないが。

謎迷が寝台に転がり、少し体をひねったところで謎迷専用救済手帳がペラペラとめくれだした。

 文面がペカペカと赤く光っている。

 『謎迷さん!謎迷さん!急激なキャラ崩壊によるペナルティがこの世界から課せられました!ペナルティ度合いは10段階中の5。間もなく始まります。』 

謎迷は謎迷専用救済手帳のペカペカ光ってる文面を読み、ぎょっとした。

 え、何?

 謎迷、どうなっちゃうの?!

 『3・2・1、、、ペナルティ開始!』

いやあああぁぁあぁだぁぁぁぁ!!!

ボボンッ!!!

 「、、、、、、、、、、、、、。」

 謎迷は急に始まったペナルティに驚き、しばらくうずくまった。

 が。

 「、、、、、、何もなくない?」

 いくら待っても痛みなどはない。

 一体どんなペナルティだったのか、、、。

謎迷はあたりをキョロキョロと見回すが、特に変わったところはない。

 怖い、、。

 どんなペナルティなのかわからなくて怖い、、、。

 『ペナルティ内容を説明します。謎迷さん、まずはご自身の体をご覧ください。』

自身の体?

 謎迷は恐る恐る鏡の前に行き、自身の姿を写した。

 鏡の中には白い長髪のまごうことなき美幼女が写っていた!!!

「アハハ~!こんにちは!」

 謎迷が鏡の中の美幼女にニッコリと笑って手を降ると、やはり美幼女も同じタイミングで手を振ってくる。

 声も少し子供っぽく高くなってる。

「、、、、、、やっぱり、これって謎迷が小さくなってる?」

『はい。そのとおりです謎迷さん。あ、服が体にあわせて小さくなっているのはサービスだそうですよ~。あと正確には、魔力量の大幅な低下です。今の謎迷さんは箒で空を飛ぶことすら難しいです。大変か弱くて可愛らしい姿ですね。』

謎迷専用救済手帳の言葉(文面)に謎迷は顔をしかめる。

 「それって褒めてんの?貶してんの?」

 『もちろん、貶してます。』

「、、、、、、。」




 
 ブンッ!!!




 

 謎迷は謎迷専用救済手帳を荒々しく片手に掴み、搭の外へ窓から思いっきりぶん投げた。
 

 「知らないの?手帳。可愛い〓(イコール)最強なんだよ?」

 大体、謎迷はこの世界に来てから一度も魔法を使ったこと無いし!

 これでも謎迷は魔法が存在しない世界で18年間も生きてきたんだからね?

 それぐらいで怯むほどやわじゃないんだよ。

 「はぁ~。で、手帳。コレどれくらいでもとに戻るの?」

 「、、、、、、あ。手帳は謎迷がさっき塔の外へぶん投げたんだった。」

「、、、、、、。」

 、、、、、、二度寝するか。

だって、自分でぶん投げた手前、わざわざ塔の下に降りて手帳を取って塔の上に登るのはたいそう面倒くさい。

 あの手帳は謎迷以外には見ることができないし触れられないらしいから、しばらく放っておいても大丈夫だろう。

 それに、こんなに高い塔の上から万が一にも謎迷が落ちてしまったら大変だ。

 手帳によると、今の謎迷はペナルティを受けて、魔法が使えず箒にも乗れないらしいから大変危険。

 「はぁ~。」

 謎迷が寝台の上でごろりと転がり、枕に顔を埋めたところでバッサバッサと鳥が翼を羽ばたかせるような音が聞こえ、謎迷のお尻の上にちょこんと何かが乗った。

 尻にリンゴ4つ分ぐらいの重さを感じる。

 「グァー!ガァー!カァー!オキロー!テガミダゾ!」

 獣の鳴き声か人間の声か分からないぐらいの気味の悪い声で何かが謎迷に呼びかける。

 謎迷は恐る恐る体を捻って自分の尻の上にいるだろうものを見た。

 謎迷の尻の上にはまるまる太った黒いカラスのような鳥がいて、くちばしには手紙らしきものをくわえられていた。
 

 
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