63 / 90
063
しおりを挟む王都に入り、まずは開けた場所を探す。カールズで市街地の案内板がある事を学んだからだ。表示されている現在位置と地図上の冒険者ギルド本部の位置を確認する。
アイの話も合わせると、ヴァレンティナは街の中央にお城があり、お城を中心に東西南北に十字に幅10mほどの水路が走っていて、水路に沿って大通りが通っている。
街の中には水路を渡るための橋が何箇所もかけられている。
俺が入ってきたのは南門で、南は商業区になっており、商人や貴族が主に住んでいるようだ。
王城を挟んで北側が一般市民の居住区で、冒険者ギルド本部も北側にある。
西と東の水路に沿った居住区には城勤めの役人が多く住んでいるようだ。ちょうど役人の居住区で北と南を分断するような形になっている。
それぞれの居住区に商店や宿など様々な施設が設けられている。
冒険者や市民が南側を利用する事はあまりなく、またその逆に貴族が北側を利用する事もあまりない。
ただ警備隊は別で、それぞれの居住区に警備隊の詰所が設けられており、交代制で各居住区を回っているらしい。
とりあえずは北に向かい、冒険者ギルド本部を目指す。
城に向かい街道を進むと、城の周囲にもお堀が設けられていた。なるほど、石と水の都とはよく言ったもんだ。
お城を迂回するように設けられた大通りを歩き冒険者ギルド本部へと向かう。
城から30分ほど歩いた所に冒険者ギルドがあった。石造りで三階建ての立派な建物だ。大きさはカールズ支部の2倍くらいか。入るのが楽しみだ。
冒険者ギルド本部の中に入ると、その広さには圧倒された。
カウンターの向こうまで含めると、バスケットコートを横に三面並べたほどの広さなのだ。
窓口も新規登録・相談窓口が1~3、依頼登録窓口が1~7、報酬支払窓口が1~4となっている。
もうじき昼だというのに沢山の冒険者が窓口にいた。
俺はウォルターを伴って新規登録・相談窓口へ向かう。ちょうど空いた受付へ滑り込む。はい、今回も巨乳のお姉さんでした(笑)。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
受付嬢さんが笑顔で訪ねてくる。茶髪のツインテールに幼い顔立ちにもかかわらず、破壊力抜群のお胸は反則です。思わず視線が行ったり来たりしてしまいます。
「はじめまして。私、ポルカ村から参りましたレギュラー級冒険者、タカと申します。こちらは私の家族で従魔のウォルターと言います。
この度は冒険者ギルドグランビア王国本部からの要請でこちらに罷り越しました。冒険者ギルドポルカ出張所のイエルク様より書状を賜っております。どうぞご確認ください。」
そう言って礼をし、受付嬢さんに冒険者タグと手紙を渡す。腕を動かすだけでたゆんたゆんとお胸が揺れます。精神的な防御力がゼロになってしまいそうです(笑)。
「少々お待ちください。」
受付嬢さんは事務室の奥へ向かって行きました。ケツも立派です。フリフリ揺れるケツは眼福です。
奥にいた責任者と思しき人に手紙を渡します。その人は直ぐにタグと手紙を持ってこちらへ向かってきました。なかなかの色男です。笑ったら歯がキラリと輝きそうです(笑)。
「はじめまして。ようこそ冒険者ギルドヴァレンティナ本部へいらっしゃいました。私は副ギルドマスターのヨセフと言います。
ただいまギルドマスターの元へご案内いたしますのでこちらへお願いします。」
そう言うとカウンターの端にあるドアを開けて手招きする。呼ばれるままに中へ入り、後に着いて廊下を歩き階段を登る。三階まで登り、ドアの前でノックして声をかける。
「ギルドマスター、ポルカ村からいらしたタカさんがご到着されました。」
途端にガタガタと慌てたような物音が響き、中から声がかかる。
「あ、ああ、すまん、入ってくれ。」
「失礼します。タカさんどうぞ。」
そう言ってヨセフさんがドアを開けてキープしてくれる。会釈して中に入り、机にかけるギルドマスターの前まで進み一礼する。
「はじめまして。私、ポルカ村から参りましたレギュラー級冒険者、タカと申します。こちらは私の家族で従魔のウォルターと言います。
この度は冒険者ギルドグランビア王国本部からの要請でこちらに罷り越しました。冒険者ギルドポルカ出張所のイエルク様より賜った書状を、副ギルドマスターヨセフ様にお渡ししてあります。どうぞご確認ください。」
ギルドマスターは驚いた顔で頷いた。
「お、おお、良く来てくれた。俺はこのヴァレンティナ本部のギルドマスターをしているローガンだ。
いやまさか本当に今日中に到着するとは思っていなくてな。思わず取り乱した。すまなかった。まずはかけてくれ。」
そう言って応接セットのソファーを手で示した。促されるまま奥へ向かってソファーに腰掛ける。ウォルターはいつもの通り俺の後ろでお座り待機だ。
「ヨセフ、カタリナはどうした?」
ギルドマスターが副ギルドマスターに声をかける。
「上がってくる前に声をかけてあります。もうすぐ来るでしょう。」
副ギルドマスターが言い終わる前にドアがノックされた。
「ギルドマスター、カタリナ参りました。」
凛としたハスキーヴォイスが聞こえた。
「おう、入れ。」
ギルドマスターが声をかける。
「失礼します。」
そう言ってドアが開かれる。そこには金髪碧眼の美女が立っていた。
ツカツカとギルドマスターの机の横まで進み、そこで足を止める。
一緒に入ってきた女性職員2名がお茶とお菓子を用意し出す。お茶とお菓子が人数分テーブルに並べられ、女性職員が退席したところで徐に3人が俺の前のソファーに移動して腰をおろした。
「カタリナだけ挨拶がまだだったな。うちには副ギルドマスターが2人いてな。1人はお前を連れてきたヨセフ、もう1人がこのカタリナだ。」
ギルドマスターがそう言うとカタリナさんが口を開く。
「ヴァレンティナ本部で副ギルドマスターを務めていますカタリナと申します。どうぞよろしくお願いします。」
そう言って礼をする。
「はじめまして。ポルカ村から参りましたレギュラー級冒険者、タカと申します。こちらは私の家族で仲間のウォルターです。私の従魔となっているそうです。
この度は私とウォルターの関係による新職業『モンスターテイマー』と、新技能『モンスターテイム』について、確認と研究のために呼ばれたとの事です。私たちに出来る限りの協力をさせて頂くつもりですので、どうぞよろしくお願いします。」
そう言って深々と頭を下げる。カタリナさんがほう、と声を上げる。
「タカさんどうぞ頭を上げてください。お願いして来ていただいたのはこちらの方です。どうぞ気を楽になさってください。
それとギルドマスター。タカさんの方が言葉遣いも立ち居振る舞いも遥かに丁寧なのはどういう事ですか。
何度も申し上げていますが、もっと威厳を持った言葉遣いと立ち居振る舞いを身に付けて下さい。先日の御前会議の時だってーーー」
な、何か話がズレてるぞ?これ、止めていいやつ?
「カタリナ、お客様の前です。その話は後で3人でゆっくりとお願いします。良いですねギルドマスター?」
ヨセフさんが止めに入ったが目が笑っていない。ギルドマスター、ご愁傷様です。
「お、おう、お手柔らかに頼む。まずはイエルクからの手紙を見せてもらおうか。」
ギルドマスターがそう言うと、ヨセフさんが手紙を渡す。読んでいる間にお茶をいただく。カモミールの香りが爽やかだ。うん、美味しい。
「美味しいカモミールティーですね。気持ちを落ち着かせるにはピッタリです。」
そう言うとカタリナさんがニッコリ笑う。
「さすがポルカの出身ね。ゾーイさん、いえ、村長夫人はお元気かしら?」
カタリナさんから尋ねられた。
「はい、とてもお元気です。私がこちらに発つ前に、山ほどハーブをお渡ししてきたので、今頃はブレンドに夢中だと思います。」
そう言うと上品にコロコロと笑う。
「それは良いわね。近々休暇を取って遊びに行こうかしら。彼女のブレンドしたお茶は本当に美味しいものね。懐かしいわ。」
カタリナさんはそう言うと遠い目をした。浅からぬ縁がありそうだ。
「ポルカ村で修行をした事があるのですか?」
そう尋ねると頷く。
「冒険者になりたての頃にね、ポルカ村で5年修行したの。フランクさんとゾーイさんはまだ結婚したばかりで、先代が村長だったわ。
2人を連れてよくハーブを採取しに森に入ったわ。その頃の仲間は皆偉くなってしまって、今ではなかなか会えなくなってしまったけれど、それでも気持ちは当時のままよ。」
そう言って髪をかき上げるとカップを口にする。尖った耳が露わになる。この人、エルフなんだ。通りで美人さんだと思ったよ。
「ぜひ仲間の方たちとポルカ村を訪ねてあげてください。きっと泣いて喜びますよ。ハンカチが何枚あっても足りないくらいに。」
俺がそう冗談を言うとクスクスと少女のように笑った。昔の事を思い出しているのだろう。
「そうね、きっとそうだわ。この件が片付いたら、皆と連絡を取って休暇の擦り合わせをしないとね。」
そう言って夢見る少女のようなウットリとした表情をする。思わず見惚れてしまった。
「盛り上がっているところに済まんな。手紙を読み終わったので、君の口から詳細を聞きたい。面倒だろうが頼む。」
ギルドマスターから声がかかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる