最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル

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間話6

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「おはよー」
「おはよう」
「今日もいっぱいやるぞ!」

 北の街の宿でログアウトしたパーティーは皆、現実世界で寝て起きた後、すぐゲームにログインしていた。

「誰も寝坊しなかったな」
「昨日はすぐ寝たから余裕だ」
「今日の目標は?」
「今日は全部の街に行けるようになることと、噂で聞いたダンジョンと、オークションに行きたいな。あとワイバーンにも乗りたい」

「でも今日は昨日みたいに長時間するのはやめて欲しいな」
「わたしもちょっと、続けてあんなにやるのはしんどいかも」
「分かった。確かにスタートダッシュで20時間30時間は普通だと思ってたけど、初めてだときついよな」

そんな話し合いをしながら、街を歩く。

「で、一旦どうする? 他の街に行くんだろ?」
「そうだな、クリスタルではじめの街に戻ろうか」
「あと食料もやばいからあっちでウサギ肉焼こう」
「了解」

 そう言ってパーティーははじめの街に戻る。

「そう言えば俺達って今プレイヤーの中でどれくらいの位置なんだ?」
「どれくらいの位置って?」
「進行度的に、俺らって強い方?」
「弱くはないんじゃね? 普通だろ」
「まぁそうかな」

 経験者の1人は自分達が全員戦闘職で6人のパーティーなのに、他のプレイヤーと比べて真ん中くらいなのは遅いほうだと思ったが、別に本当のことを言わなくてもいいと思い、何も言わなかった。

「(生産職の人たちも含めたらちょうど真ん中だよな)」
「ん、なんて? 聞こえなかった」
「いや、なんでもない。早くワイバーン交通利用できるようにならないかなって」
「嫌だ。頼むからボスを倒して次の街に行こう」
「ほら、ちょっと高いとこ飛ぶだけだろ。目閉じてたら着いてるって」
「このゲームのリアルさでそんなはずはないだろ!!」
「まあまあ、ボスにはこのあと挑戦するから。まずご飯食べないと」

 こうして少しパーティー内での言い合いもありながら、今日もコネファンの世界を楽しむのだった。



「あんた飲み過ぎだよ。それに、プレイヤー様になんて絡み方してんだい」
「あぁ、悪かった。俺もあんな事言うつもり無かったんだよ」

 宿屋で飲んでいた男性は、先程プレイヤーに下品な絡み方をしてしまって後悔していた。

「あのプレイヤー様は少し前から見かけててな。魔獣とも仲良さそうにしてて、話してみたかったんだよ」
「別にプレイヤー様もあたし達も変わらないと思うけどねぇ」
「夢がねぇなぁ。こことは違う世界で生きてるってだけですげえ存在なんだよプレイヤー様ってのは。俺ぇは昔からぴゅレイヤーさみゃが来るのを楽しみに」
「分かったから、一旦水飲みな」

 水を飲んだ男性は少し落ち着き、また話し出す。

「だからもっと話したかったなぁ。この世界を楽しんでくれてんのか」
「なら食事中にあんなプレイヤー様のトイレ事情なんて話すんじゃないよ」
「そうだよなぁ。俺、嫌われたかなぁ~。良い人そうだったのに、また会った時謝らねぇと」

 男性の酒癖はいつものことなのか、他の客も気にしていない。

「すいませーん、6人なんですけど、空いてますか?」
「いらっしゃい。大丈夫だよ。注文取りに行くからちょっと待ってくれるかい?」
「分かりました、みんな空いてるって」
「食べたら寝よう」
「そうだな」

 プレイヤー達は席に座り話している。

「あんた、それだけ酒飲んでて、また行くつもりじゃないだろうね」
「で、でも少しくらい話し「行くつもりじゃないだろうね?」行きません」

「注文どうぞ」
「あ、その前に宿にも泊まりたくて、あんまりお金は持ってないんで高くない部屋でお願いします」
「あいよ。また後で部屋には案内するね。で、うちのおすすめの食べ物は……」
「じゃあそれでお願いします!」

 1人の男性がプレイヤー達と話したそうに視線を向けるが、プレイヤー達は全く気付くことなく食べ終えるのだった。
 


「あぁ、本当に良かった。これで娘は、助かるかもしれない」

 自分がどれだけ欲しても手に入れることのできなかった物が、まさかプレイヤー様のおかげで手に入るとは思わなかった。

「いや、ユーマくんだからか。他のプレイヤー様と同じにするのは失礼かもしれないね」

 彼は誰とも違ったオーラを放っていた。
 私が1人はじめの街に飛び出して、職人ギルドの孵化依頼に閉じ込められた時も、何人かのプレイヤー様が来ては面白くなさそうにしてすぐやめていった。
 そんな中でユーマくんは、私と楽しそうに話をしてくれた。魔獣のこともよく気にかけていたし、あたたかさを感じたんだ。

「本当に彼を選んで良かった」

 私の何よりも愛してやまない、自分を犠牲にしてでも大事にしたい家族が、このような形で救われることになるとは。

「あぁ、どうしよう。娘と妻が帰ってきたら、まずはユーマくんを紹介して。いや、ユーマくんがいない可能性もあるか。じゃあライドホースとマウンテンモウを見せてあげよう。あ、これもユーマくんがいないと中に入れないか」
「入れたとしても今は厩舎には近づけませんよ。ライドホースの赤ちゃんが生まれてからです」

「おお、セバス、おかえり。ライドホースの調子は?」
「とても安定していますので、もうすぐ生まれるかと。ですので、これから厩舎の方に居ますので、家の方では少し動けません」
「分かった。セバスも無理はしないようにね」
「かしこまりました」

 そう話をして、またセバスは家から出ていく。

「家のお金もこんなにすぐ貯めてしまうなんて思わなかったし、何よりも立ち入り許可をもらっておいて良かった」

 もしあの時ユーマくんの誘いに乗らず帰ってしまっていたら、私はあの神聖な置物に気づくことがなかった。
 そもそも立ち入り許可を貰えていなかったら、今よりももっと交流は少なかっただろうし、ユーマくんと仲良くなれていなかったかもしれない。
 そして何よりも、家の者が皆ユーマくんに対して良い印象を持っていることが、ユーマくんの人柄を表している。

「まさか彼がユーマくんのライドホースの世話を申し出るとは思わなかったしね」

 セバスに連れられて行ったとはいえ、様子だけ見てあとはセバスに任せると思っていたが、結局セバスと一緒に朝早くから厩舎にこもっていると聞いている。

「流石に彼のことは私からユーマくんに話しておこうか。あれだけ活動的な彼を見たのも久しぶりだし」
「お飲み物をお持ちしました。この後のお食事はいかがなされますか?」
「あぁ、ありがとう。食事は今日はみんなで食べようか。セバス達はユーマくんの家に少しの間いることになるだろうから、2人分の間食も作ってあげて。後で私が持って行こう」
「かしこまりました」
 
 使用人にもらった紅茶を飲みながら、窓からユーマくんの家に向かうセバスの後ろ姿を眺めるのだった。



「ねぇ、連絡来ると思う?」
「うーん、困ったことがあったら来るんじゃないかな?」

 2人で南の街のダンジョンに挑みながら、先程会った彼のことを思い出す。

「でも、あの感じは困ってそうじゃなかったよ」
「それならそれで良いことだよ」
「でもそれだとあたし達が強いって見せつけれないじゃん」
「見せつけるために言ったんじゃないよ私は」

 2人で連携を取りながらモンスターを倒していく。

「でもなんか悔しいじゃん。あの感じ絶対にこっちが強くないって思ってるよ」
「そんなことは無いんじゃないかな? でも、着てる装備は強そうだったね」
「確かにそれもなんかムカついた。あとあの顔なんか見たことある気がする」
「え、知り合いだった?」
「いや、初めて会ったよ。もし知り合いなら相手も挨拶してくるでしょ。なんせ私達攻略組なんだから!」
「今は2人だけだけどね」

 襲いかかってきたモンスターを全て倒し、少し休憩を取る。

「それは皆がコネファン当たらなかったからでしょ! また最前線攻略組が独走だよ」
「でも皆初回の抽選に落ちただけで、次のには当たってるから、あと少し待つだけだよ」
「ていうか何あの最前線攻略組って名前。こっちも最前線目指してるのに、話をする時紛らわしいのよ! 絶対に抜かしてやるんだから!」
「ははは、それくらいにしとこ。ね?」

 ふーふーふーっ、と息が切れていたプレイヤーも落ち着きを取り戻す。

「とりあえずあの人にまた会えたのと、困ってなくて良かった」
「まあそっか、助けてくれたんだもんね。それは感謝しないと」
「本人の前であたし達の方が強いなんて言わないでね?」
「え、なんで?」
「は、恥ずかしいから。会った時も、こう見えて結構強い、なんてって言ってたでしょ? あれも恥ずかしかったんだから」
「本当のことなのに」
「そうだとしても相手に失礼だし、私は感謝を伝えたいの!」

 休憩を終えた2人はボスの待つ階層に向かって階段を降りる。

「前は倒せなかったけど、今回は倒す!」
「そうだね。2人でも出来るだけ行けるところまでは行こう!」

 こうして女性プレイヤー2人は、ボスへのリベンジ戦に挑むのだった。



「なぁ、俺達の何が不満なんだ?」
「あの、僕達もあまりリスクは取りたくないので、40万Gを払えないと言われれば一緒に行くことはできません」

 冒険者ギルドの中で、サポーターとプレイヤーが言い合っていた。

「ここに居るプレイヤーのほとんどはそんな金持ってねえって。持ってたとしてもそんな奴は装備をまだ更新してないやつだけだ」
「ですが、こちらとしても帰還の魔石を使った時のことはしっかりと話し合っておきたいです。すぐに返済はできないとしても、1週間以内であったり、長くても10日以内でないと困ります」
「だからそんなに早くは無理だって。1カ月もあれば40万なんてすぐ返せる金額になってるから。なんなら100万Gで返したっていい。ってかそもそも帰還の魔石を使わせなけりゃいいんだろ?」
 
「あの、お言葉ですが、そういう態度だから僕も信用できないと、言いますか、その、」
「はぁ? 舐めてんの? サポーターごときが?」
「ひぃっ、す、すいません。でも、お話したことは僕の本心ですので、条件をのんでくれない限りは一緒に行くことはできません!」

 そう言ってサポーターは逃げて行った。

「なぁ、もう結構目立ってるしダンジョンにしとこうぜ」
「ちぇっ、せっかく夜のモンスターはどんなもんか見てみようと思ったのによ」

 こうして今までサポーターと揉めていたパーティーは去っていく。

 その後、先程の揉め事を見たサポーター達は、プレイヤーがきちんと条件を守ると約束してくれる、話し合いができる、ただそれだけですぐにそのプレイヤーについていくことを決めるのだった。



「ユニークボスって狩ろうと思って狩れるものか?」
「そんなわけねぇだろ。それなら既に俺達が倒しに行ってる」
「ユーマ、かな?」

 最前線攻略組はとりあえずの目標だったダンジョンの15階層にいるボスを倒し、今は次の街につながるエリアボスを目指して道を歩いていた。

「正直わかんないよね~。はじめの街にいたのかも知んないし」
「でもよくみつけた」
「確かに、ユニークボスなんて色々な条件がありそうですもんね」

 ダンジョンでレベルを上げたおかげか、今いる辺りの敵はすぐに倒してしまう。

「とはいえ、俺達よりも先に討伐されたのは気に入らないな」
「じゃあリーダー、俺達もユニークボス探します?」
「いや、先を行こう。気に入らないだけで、俺達のすることは変わらない。それにユニークボスを倒した者にはよく見つけてくれたとも思っている。これからはユニークボスのことも頭に入れて行動できるからな」

 これまでと違い、攻撃力も素早さも高いモンスターが襲いかかってくる。

「それに今は新しい街への道と、ダンジョンの攻略が先だ。いくつも追いかけていると、足元をすくわれる」
「確かに、ユーマが後ろから迫ってくるね~」
「笑えねぇよ。あいつが本気になったらどんなモンスターよりも強敵だろ」
「確かに言えてるな。焦ることはないが、ゆっくりしてもいられないか」
「僕はどこでも皆さんについていきますよ」
「ユーマの動画、見ればよかった」

「おい、お前見たのか?」
「見てない」
「うちも見てない」
「はぁ、ならいいがよ」
「もしかして、見た?」
「見てねぇよ。流石に今はな」
「なら後で見るんだ~」
「うるせぇ」

 先程から強いモンスターを相手に話しながら対応しているが、全員の動きが乱れることはない。

「よし、少し休憩してから進むぞ」
「了解」

 かつての仲間の話をしながら、最前線攻略組は確実にコネファンにおいて最前線を歩んでいた。


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