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1-6.ポム草の採取方法
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ポム草は、森から少し歩いたところに自生しているという。
「ポム草の抜き方は知ってる?」
ピタがそんなことを聞いてくる。
「いえ、草……じゃなくて薬草を抜くときも適当に毟っていました。特別な採集の仕方があるんですか?」
「そのとおり。冒険者の最初のクエストはたいてい、薬草採集なんだけど、ミスると買い取ってもらえないうえに、依頼未達成になるんだよ。気をつけて」
「はい、ではどのように?」
ピタは、ポム草のある場所につくと、人差し指を向けて、これがポム草と教えてくれた。
依頼書のイラストと同じ草であることを確認できた。
「まず、この草は根の部分を少し土を掘り返して、少し下からナイフで切るんだ。そして、土を払って、革袋の中に入れる」
「なるほどですね」
ミラも同じように採集する。
「ポム草の茎は特殊だからね。もし、外に出ている茎のところから切ってしまうと、中の汁が出て、大事な成分が抜けてしまうんだ」
「勉強になります」
ミラは必要な5本のポム草を採取した。
「今回は5本の依頼を受けたみたいだけど、まとめて複数の依頼を受けて、一気に採集するのが効率的かな」
「そういえば……」
あのとき、同じ依頼がたくさんあって、その中の依頼書1枚分だけを受けた。実はまとめて受けられるらしい。
「報酬は安いからあまり受ける人もいないけど、狩猟の技能がない人にはこれをたくさん取って数で報酬を稼ぐことだよ」
採取の仕方を教えるだけの役割で、報酬まわりのアドバイスをする先輩冒険者は基本的にない。
ミラはピタに感謝を込めてお礼を言った。
「そんなことまでアドバイスいただけるなんて、ありがとうございます」
「まあ、なんかほっとけない感じだし、ミラちゃんは特別ね?」
ミラは、想像した。優しい姉がいたら、こんな感じなのだろうか? と。
採取した薬草は冒険者ギルドに提出して、買取をしてもらう。依頼達成による報酬を受け取る。
受付の女性は、銅貨を支払うとミラに感想を聞いた。
「最初の依頼はどうでしたか? 問題ありませんでした?」
「はい、優しいベテラン冒険者の方もいてきちんとお仕事できました」
「それは良かったです」
どうやら、ミラのために、接しやすそうなピタをつけてくれたらしい。
ベテラン冒険者はおじさんが多く、数の少ない女性を初心者指導の教育につけることは滅多にないとのことだった。
それを帰るときにピタに聞いて、ありがたく思った。
「ポム草の抜き方は知ってる?」
ピタがそんなことを聞いてくる。
「いえ、草……じゃなくて薬草を抜くときも適当に毟っていました。特別な採集の仕方があるんですか?」
「そのとおり。冒険者の最初のクエストはたいてい、薬草採集なんだけど、ミスると買い取ってもらえないうえに、依頼未達成になるんだよ。気をつけて」
「はい、ではどのように?」
ピタは、ポム草のある場所につくと、人差し指を向けて、これがポム草と教えてくれた。
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「まず、この草は根の部分を少し土を掘り返して、少し下からナイフで切るんだ。そして、土を払って、革袋の中に入れる」
「なるほどですね」
ミラも同じように採集する。
「ポム草の茎は特殊だからね。もし、外に出ている茎のところから切ってしまうと、中の汁が出て、大事な成分が抜けてしまうんだ」
「勉強になります」
ミラは必要な5本のポム草を採取した。
「今回は5本の依頼を受けたみたいだけど、まとめて複数の依頼を受けて、一気に採集するのが効率的かな」
「そういえば……」
あのとき、同じ依頼がたくさんあって、その中の依頼書1枚分だけを受けた。実はまとめて受けられるらしい。
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採取の仕方を教えるだけの役割で、報酬まわりのアドバイスをする先輩冒険者は基本的にない。
ミラはピタに感謝を込めてお礼を言った。
「そんなことまでアドバイスいただけるなんて、ありがとうございます」
「まあ、なんかほっとけない感じだし、ミラちゃんは特別ね?」
ミラは、想像した。優しい姉がいたら、こんな感じなのだろうか? と。
採取した薬草は冒険者ギルドに提出して、買取をしてもらう。依頼達成による報酬を受け取る。
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「最初の依頼はどうでしたか? 問題ありませんでした?」
「はい、優しいベテラン冒険者の方もいてきちんとお仕事できました」
「それは良かったです」
どうやら、ミラのために、接しやすそうなピタをつけてくれたらしい。
ベテラン冒険者はおじさんが多く、数の少ない女性を初心者指導の教育につけることは滅多にないとのことだった。
それを帰るときにピタに聞いて、ありがたく思った。
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