十年愛 〜私が愛した人はズルイ人でした。それでも愛するのを止められないのは私の罪ですか?〜

朔良

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無事に研修も終わり、月末も何とかやり過ごした。
翌月の頭には営業会議が本社で開かれる。各営業所の営業マンが揃う。
会社のお偉いさんも会議に参加する。営業本部長や各営業所の所長達だ。
この会議だけは慣れないでいた。
やけに、空気はピリピリしている。夕方には、所長達や本部長が集まり先に会議をしていた。
夜の7時になると会議が始まった。
手元の会議資料には前月のそれぞれの成績がのっている。
本部長や所長達から質問が飛び交う。
前月のノルマを達成している人には特に何も無いが、達成出来ていない人はかなり詰められる。
初めて会議に参加した時は、本当にビックリした。ここまで追求するんだ、と思った。
実際、明日は我が身だ。
ノルマが達成出来なければ新人だろうと女だろうと関係なく追求される。
2時間程で会議は無事に終わった。
安堵のため息を吐くと、他の営業所の人達が続々と帰っていった。
皆が居なくなるのを確認して会議室の掃除を始めた。
テーブルや椅子を元に戻したり置きっぱなしのゴミなどを捨てた。

「如月さん?」

会議室の扉の所に藤崎が立っていた。

「藤崎さん。お疲れ様です。」

「うん。お疲れ様。毎回一人で会議室の掃除してるよね?」

「えっ?はい。」

「ほんと、如月さんって真面目だよね?俺なら知らないふりしちゃうけどな・・?」

「まぁ、一番下ですし。やっぱりこういうのって女の人がするものじゃないですか?」

「・・そうかな?如月さんだって営業でそれなりに実績を残してる。女性だからやらなきゃ駄目なんて思わないけどな?」

藤崎の顔を見ると美咲がクスクスと笑った。

「藤崎さんって優しいですよね?でも、やっぱり男性・女性の差は出ると思いますよ?それは、もう仕方のないことだって思ってますから。それに・・、藤崎さんが怒ってくれたからもう良いんです。」

笑顔で藤崎を見上げた。

「如月さん・・。」

思わず美咲の頬に手を伸ばした。

「藤崎・・さん?」

「ごめん。なんでも無い。そういえば、今月の定休で空いている日ある?何処かに遊びに行かない?」

「定休ですか?今の所特に予定は入ってないですよ?」

「だったら・・」

藤崎が美咲を誘おうとした時、声を掛けられた。

「如月さん?」

「久堂さん、どうしましたか?」

「今、手空いてる?」

「大丈夫ですよ?」

「じゃあ、ちょっと来てくれる?」

「はい、わかりました。藤崎さんごめんなさい。呼ばれちゃったので行きますね?お疲れ様でした。」

藤崎に笑顔を向けると久堂の所に向かった。

「・・・・。」

そんな美咲を見つめると、不意に久堂と目が合う。

(絶対にわざとだ。)

そう思ったが口に出して言えず、仕方なく帰ることにした。

「久堂さん、如月さん、お疲れ様でした。」

「お疲れさん。」
「お疲れ様です。」

二人と挨拶を交わして帰路についた。
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