189 / 239
第一部 決闘大会編
百八十九話
しおりを挟む
「うおおお!」
俺は、猛ダッシュで二人の後を追いかける。
バンド奴は、魔法使って移動してる。瞬く間にびゅんびゅん進んでって、このままじゃ見失っちまうぞ。
「我が身に宿る風の元素よ。我が身をはやてのごとくせよっ」
俺も、風の魔法を発動する。遥か前方、バンド奴が建物を曲がったのを認めた。――よし、あっちだ!
「とう!」
タン! と地面を蹴りつけて、ロケットスタートを決める。ギューン、とすっ飛ぶ俺に向かって、道行く人々が「うおお?!」「あぶねーなバカ!」と声を上げた。
「すんません!」
タンタンと地面を蹴って、俺は疾走した。校舎をいくつか通り過ぎて、突き当りまで来ると、人気がすっかりなくなっている。
その分、声がよく聞こえてきた。
「――だから、あいつとは手を切れって言ってるだろ?」
「い、いやだ! いくら美門くんのいう事でも」
「盾太! いつから、そんな聞き分けなくなったんだ?」
間違いない、森脇の声だ。
なんか、すげえ言い合ってるみてえだし、マズいんじゃねえか。俺は、声のする方へ走った。
「!」
――いた!
しかも、ピンチだ。
バンド奴が、森脇の前髪を掴んで、壁に押し付けている。俺はカッとなって、二人の間に割り込んだ。
「やめろ!」
「……!?」
バンド奴をドンッとつき飛ばして、森脇を背中に庇う。思いっきり押したのに、でっかい奴だからか、二三歩よろけただけだった。
「よ、よよ吉村くん?!」
「大丈夫か、森脇! やいお前、何してんだ!」
俺は、バンド奴を睨みつけた。バンド奴は一瞬目を見開いて――すぐに怒りにゆがめる。
森脇が、おろおろと俺の肩を掴んだ。俺は、もう何も心配いらないぜ、と笑いかけた。すると、ビリッ! と首に痛みが走る。
「あっづー!」
「吉村くん!」
なんだこの、強めの静電気みたいな――俺はバンド奴を振り返り、さらにぎょっとする。
バンド奴の片目が、ギラギラした緑色に変わってた。しかも――かっぴらいた瞳孔の周りを、銀色のモヤがグルグル回ってて。目の玉から、パチッパチッと紫電が走るように魔力が漏れていた。
何よ、これ。人間発電機?
って思わず、まじまじと見たのが良くなかった。グイ、と胸倉を掴まれて、持ち上げられる。つま先が地面から浮かんで、喉が締まった。
「うぎゅ!」
「お前だ。お前が近づいたせいで――」
「美門くん、やめて!」
激高したバンド奴が、左手を高く振り上げたのが見えた。――ヤバい! 殴られる。森脇の悲痛な声が聞こえた。俺は、なんとか身を捩ろうとして、
――パンッ。
高い、破裂音が響いた。
「わっ」
俺は、地面に尻もちをつく。急に喉が楽になって、けほけほと咳き込んだ。そのくせ、どっこも痛くなくて、きょとんとする。なんだなんだ。無事だぞ、俺。
――ドンッ! バリバリ……
そしたら、すごい破壊音が聞こえてきて、ぎょっとして顔を上げる。
「へえっ!?」
俺は、あんぐりと口を開ける。って言うのも、目の前からバンド奴の姿が消えていた。
かわりに――イノリが舞っていた。
イノリはふわりと着地すると、頭を軽く振った。ぱさぱさと亜麻色の髪が揺れて、隙間から金色の瞳がのぞく。
眠そうなイケメンがゆっくりと俺を振り返って、息を飲む。
「い、いの……」
「ああっ、美門くん!」
森脇が、驚愕の声を上げて、走りだした。その行く手を目で追えば――二十メートル(たぶん、そんくらい)先のでっかい木が、土煙をあげて折れていた。その切断面から、両脚がスケキヨよろしく生えている。
「うおお?!」
少年漫画の敵みてえに、やられとる!
あわわ……とケツで後ずさると、ひょいっとデカい手が脇に差し込まれた。そのまま、ふわりと体を持ち上げられて、地面に足が立った。
「え。わっ」
「へーき?」
ぺたぺたと頬や肩に、でかい手が確かめるみたいに触れる。イノリは眠そうな顔だったけど、薄茶の目には「心配」がいっぱい籠っていた。俺は、ガッツポーズをして見せる。
「おう。無傷!」
「そっかぁ」
イノリは、ちょっぴり目元を和らげた。
すると、ばたばたと足音がたくさんこっちに近づいてくる。
「何の騒ぎだ、桜沢!」
駆けつけたのは、白井さんと風紀の人達だった。
「あ、白井さん。揉めてたんで、とめただけっすよー」
「うわっ。また、派手に……」
「とっさだったので、ついー。いちおう、医務室に連れてきますかー?」
こてんと首を傾げるイノリに、白井さんは額を押さえて呻いた。
「当たり前だ! みんな、運ぶぞ」
「はい!」
白井さんの号令で、風紀の人達がバンド奴に駆け寄った。森脇が助け起こしていたのか、バンド奴は地面に横たえられている。
てきぱきと担架に乗せられて、運ばれていくバンド奴。森脇は、その脇を心配そうな顔で歩いていた。
「美門くん、大丈夫……?」
「……あー。受け身取ったし……」
「そ、そっか……よかった」
……もしかして、あいつら仲良かったりする?
ぜってえ絡まれてんだと思ったんだけど、ふつうに友達同士のケンカだったらどうしよう……。嫌な予感にだらだら汗をかいていると、森脇と目が合った。
「よ、よよ吉村くん! ごっごめん。大丈夫?」
「えっ、お、俺は平気だよ! 森脇こそ」
「ぼ、ぼ僕は大丈夫」
びゅん、と駆け寄ってきた森脇は、俺の肩を掴んで涙ぐんだ。
「あの、森脇。もしかして、あいつ友だちだったりした? 俺、勘違いして……」
「えっ?! と、友だちじゃないよっ」
森脇は、ぶんぶんと首を振る。その瞬間、担架の方から「ぐう」と呻き声が聞こえてきた。眠そうな目でそっちを見送っていたイノリが、くるんと森脇を振り返る。
「……なんか、よくわかんないけどー。あいつときみがどんな関係でも、暴力をふるおうとしたのはあいつが良くないからねー」
「あっ、う、うん。ありがとうございました」
森脇が、ペコリと頭を下げた。俺も、イノリの言ったことにハッとなる。たしかに、友達でもなんでも殴って言うこと聞かそうとか、駄目だもんな。
「森脇、なんか困ってたら俺、ちからになるからなっ」
「よ、よ吉村くん、ありがとう」
ぎゅっと手を握ると、森脇は不思議そうに首を傾げつつ、頷いてくれたんだ。
「あー……取り込み中悪いんだが。君達も、聴取に来てもらっていいだろうか」
こほん、と咳ばらいを一つして。白井さんが、ばつが悪そうに切り出した。
俺は、猛ダッシュで二人の後を追いかける。
バンド奴は、魔法使って移動してる。瞬く間にびゅんびゅん進んでって、このままじゃ見失っちまうぞ。
「我が身に宿る風の元素よ。我が身をはやてのごとくせよっ」
俺も、風の魔法を発動する。遥か前方、バンド奴が建物を曲がったのを認めた。――よし、あっちだ!
「とう!」
タン! と地面を蹴りつけて、ロケットスタートを決める。ギューン、とすっ飛ぶ俺に向かって、道行く人々が「うおお?!」「あぶねーなバカ!」と声を上げた。
「すんません!」
タンタンと地面を蹴って、俺は疾走した。校舎をいくつか通り過ぎて、突き当りまで来ると、人気がすっかりなくなっている。
その分、声がよく聞こえてきた。
「――だから、あいつとは手を切れって言ってるだろ?」
「い、いやだ! いくら美門くんのいう事でも」
「盾太! いつから、そんな聞き分けなくなったんだ?」
間違いない、森脇の声だ。
なんか、すげえ言い合ってるみてえだし、マズいんじゃねえか。俺は、声のする方へ走った。
「!」
――いた!
しかも、ピンチだ。
バンド奴が、森脇の前髪を掴んで、壁に押し付けている。俺はカッとなって、二人の間に割り込んだ。
「やめろ!」
「……!?」
バンド奴をドンッとつき飛ばして、森脇を背中に庇う。思いっきり押したのに、でっかい奴だからか、二三歩よろけただけだった。
「よ、よよ吉村くん?!」
「大丈夫か、森脇! やいお前、何してんだ!」
俺は、バンド奴を睨みつけた。バンド奴は一瞬目を見開いて――すぐに怒りにゆがめる。
森脇が、おろおろと俺の肩を掴んだ。俺は、もう何も心配いらないぜ、と笑いかけた。すると、ビリッ! と首に痛みが走る。
「あっづー!」
「吉村くん!」
なんだこの、強めの静電気みたいな――俺はバンド奴を振り返り、さらにぎょっとする。
バンド奴の片目が、ギラギラした緑色に変わってた。しかも――かっぴらいた瞳孔の周りを、銀色のモヤがグルグル回ってて。目の玉から、パチッパチッと紫電が走るように魔力が漏れていた。
何よ、これ。人間発電機?
って思わず、まじまじと見たのが良くなかった。グイ、と胸倉を掴まれて、持ち上げられる。つま先が地面から浮かんで、喉が締まった。
「うぎゅ!」
「お前だ。お前が近づいたせいで――」
「美門くん、やめて!」
激高したバンド奴が、左手を高く振り上げたのが見えた。――ヤバい! 殴られる。森脇の悲痛な声が聞こえた。俺は、なんとか身を捩ろうとして、
――パンッ。
高い、破裂音が響いた。
「わっ」
俺は、地面に尻もちをつく。急に喉が楽になって、けほけほと咳き込んだ。そのくせ、どっこも痛くなくて、きょとんとする。なんだなんだ。無事だぞ、俺。
――ドンッ! バリバリ……
そしたら、すごい破壊音が聞こえてきて、ぎょっとして顔を上げる。
「へえっ!?」
俺は、あんぐりと口を開ける。って言うのも、目の前からバンド奴の姿が消えていた。
かわりに――イノリが舞っていた。
イノリはふわりと着地すると、頭を軽く振った。ぱさぱさと亜麻色の髪が揺れて、隙間から金色の瞳がのぞく。
眠そうなイケメンがゆっくりと俺を振り返って、息を飲む。
「い、いの……」
「ああっ、美門くん!」
森脇が、驚愕の声を上げて、走りだした。その行く手を目で追えば――二十メートル(たぶん、そんくらい)先のでっかい木が、土煙をあげて折れていた。その切断面から、両脚がスケキヨよろしく生えている。
「うおお?!」
少年漫画の敵みてえに、やられとる!
あわわ……とケツで後ずさると、ひょいっとデカい手が脇に差し込まれた。そのまま、ふわりと体を持ち上げられて、地面に足が立った。
「え。わっ」
「へーき?」
ぺたぺたと頬や肩に、でかい手が確かめるみたいに触れる。イノリは眠そうな顔だったけど、薄茶の目には「心配」がいっぱい籠っていた。俺は、ガッツポーズをして見せる。
「おう。無傷!」
「そっかぁ」
イノリは、ちょっぴり目元を和らげた。
すると、ばたばたと足音がたくさんこっちに近づいてくる。
「何の騒ぎだ、桜沢!」
駆けつけたのは、白井さんと風紀の人達だった。
「あ、白井さん。揉めてたんで、とめただけっすよー」
「うわっ。また、派手に……」
「とっさだったので、ついー。いちおう、医務室に連れてきますかー?」
こてんと首を傾げるイノリに、白井さんは額を押さえて呻いた。
「当たり前だ! みんな、運ぶぞ」
「はい!」
白井さんの号令で、風紀の人達がバンド奴に駆け寄った。森脇が助け起こしていたのか、バンド奴は地面に横たえられている。
てきぱきと担架に乗せられて、運ばれていくバンド奴。森脇は、その脇を心配そうな顔で歩いていた。
「美門くん、大丈夫……?」
「……あー。受け身取ったし……」
「そ、そっか……よかった」
……もしかして、あいつら仲良かったりする?
ぜってえ絡まれてんだと思ったんだけど、ふつうに友達同士のケンカだったらどうしよう……。嫌な予感にだらだら汗をかいていると、森脇と目が合った。
「よ、よよ吉村くん! ごっごめん。大丈夫?」
「えっ、お、俺は平気だよ! 森脇こそ」
「ぼ、ぼ僕は大丈夫」
びゅん、と駆け寄ってきた森脇は、俺の肩を掴んで涙ぐんだ。
「あの、森脇。もしかして、あいつ友だちだったりした? 俺、勘違いして……」
「えっ?! と、友だちじゃないよっ」
森脇は、ぶんぶんと首を振る。その瞬間、担架の方から「ぐう」と呻き声が聞こえてきた。眠そうな目でそっちを見送っていたイノリが、くるんと森脇を振り返る。
「……なんか、よくわかんないけどー。あいつときみがどんな関係でも、暴力をふるおうとしたのはあいつが良くないからねー」
「あっ、う、うん。ありがとうございました」
森脇が、ペコリと頭を下げた。俺も、イノリの言ったことにハッとなる。たしかに、友達でもなんでも殴って言うこと聞かそうとか、駄目だもんな。
「森脇、なんか困ってたら俺、ちからになるからなっ」
「よ、よ吉村くん、ありがとう」
ぎゅっと手を握ると、森脇は不思議そうに首を傾げつつ、頷いてくれたんだ。
「あー……取り込み中悪いんだが。君達も、聴取に来てもらっていいだろうか」
こほん、と咳ばらいを一つして。白井さんが、ばつが悪そうに切り出した。
10
お気に入りに追加
519
あなたにおすすめの小説
いとしの生徒会長さま
もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……!
しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!

【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】

ある日、木から落ちたらしい。どういう状況だったのだろうか。
水鳴諒
BL
目を覚ますとズキリと頭部が痛んだ俺は、自分が記憶喪失だと気づいた。そして風紀委員長に面倒を見てもらうことになった。(風紀委員長攻めです)

俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪
夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト
春音優月
BL
真面目でおとなしい性格の藤村歩夢は、武士と呼ばれているクラスメイトの大谷虎太郎に密かに片想いしている。
クラスではほとんど会話も交わさないのに、なぜか毎晩歩夢の夢に出てくる虎太郎。しかも夢の中での虎太郎は、歩夢を守る騎士で恋人だった。
夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト。夢と現実が交錯する片想いの行方は――。
2024.02.23〜02.27
イラスト:かもねさま
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる