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第一部 決闘大会編
百三十八話
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「お前、馬鹿じゃないの?」
鳶尾は、俺たちの教室まで来て、やっと足を止めた。
振り返って、開口一番それかい! 俺はむっとした。
「なんだよっ。お前こそ、ここ職員室じゃねえぞ。代田先生のとこ行かなくていいのかよ」
「心底、馬鹿だな。そんなん、方便に決まってるだろ」
「えっ?」
え、呼び出しって嘘だったわけ?何でそんな嘘ついたんだ、こいつ。
思わず、ポカンとしちまう。
鳶尾は、苛立たしげに舌打ちした。
「よくもまあ、恥ずかしげもなく出席できたよね?あんだけ止めてやったって言うのにさ。結局、お前みたいな低能に、何言っても無駄か」
「なっ!」
「あーあ。本当苛々する」
何じゃこいつ! めちゃくちゃ口悪いじゃねえか。俺は、きっと睨みつける。
「俺が、どこに参加したって勝手だろ? ちゃんと「おいで」って言ってくれたんだぞ」
「馬鹿には、社交辞令も通じないみたいだな。言っとくけど、姫岡先輩も、泰我先輩達もお前なんか相手にしてないんだよ」
「うわっ」
ガッ、と肩を掴まれる。
勢いが強くて、腰が机に当たった。ガラガラ、と机が列を乱す。
「ああ、それとも。一縷の望みをかけて、あそこへ行ったわけ? お前、嫌われてるから、どうしようも無いものな」
「いや、なんの話しだよ」
なんか、勝手に合点がいかれても困るぜ。
と、鳶尾は鼻で笑って言う。
「とぼけるなよ。決闘大会で戦ってくれるように、頼むつもりだったんだろう?」
「はぁ?!」
俺はぎょっとする。なんでそんな考えになんだよ。
「白々しく、驚くふりなんかよせ。お前みたいな奴はごまんといるんだよ。あそこに居た、宅見と本原だってそうだ。あいつらもな、決闘大会で「酷い目にあいたくない」って、姫岡先輩に泣きつきにきたんだ」
宅見と本原ってのは、薬学のとき隣で作業してるクラスメイトのことだ。
てか、個人情報じゃね? ぺらぺら話しちゃ駄目だろ。
……それに。
「俺はそんなつもりねえよ。決闘大会は、ガチで闘う。んで、絶対、序列を上げてやるんだ!」
そう言って、拳をギュッと握りしめる。
鳶尾は、目を見開いた。
決闘大会は、序列あげる絶好のチャンス。勝って、イノリと一緒にいられるように――。
「ふざけるな!」
突如、鳶尾が逆上した。ドン! と胸を押され、俺は床に倒れこむ。
「いっだぁ! 何すんだ!」
睨みあげると、鳶尾は米神をひきつらせ、叫んだ。
「思い上がりも甚だしいな! お前なんかが勝てるほど、決闘は甘くないんだよ。つまんないガムみたいに、吐き捨てられるのがオチさ」
断言されて、むっとする。
「そんなん、やってみなきゃわかんねぇ!」
「はあ? 何を図々しい……。蝋燭に火もつけられない。魔力コントロールもてんで下手くその、「黒」のお前が勝てるとでも?」
鳶尾は、せせら笑う。
俺は、憤然と立ち上がった。
「おうとも! ぜってぇ、勝ってみせる!」
完全に、売り言葉に買い言葉ってやつ。
けど、本心だ。
そりゃ俺は落第生で、満足に使える魔法もねぇ。
けど、勝負から逃げたりするもんか!
真っ正面から、鳶尾を睨んでやる。
すると……。
「へえ、」と呟いて。鳶尾は一瞬、能面みたいな顔になった。
「……よくも言ったな、無能の分際で……なら、ボクが相手になってやる」
「……!」
「決闘大会、お前の相手はこのボクだ。それでも、逃げないなんて――勝つなんてほざけるか?」
鳶尾は、俺の胸ぐらを掴んだ。間近にある目が、ギラギラと怒りに燃えている。
俺は腹にグッと力を入れて、叫んだ。
「やってやらぁ!」
渾身の目力で、鳶尾の目を睨み返す。
鳶尾は、フンと顔を歪めて笑った。
「…………なんでお前を嫌うか、だっけ。ただ、ウザくてウザくて、消えて欲しいからだよ。――やっと精々する」
そう言って、やつは教室を出ていった。
俺は、その背に向かって言ってやる。
「だから、やってみなきゃわかんねえつーの!」
鳶尾は、俺たちの教室まで来て、やっと足を止めた。
振り返って、開口一番それかい! 俺はむっとした。
「なんだよっ。お前こそ、ここ職員室じゃねえぞ。代田先生のとこ行かなくていいのかよ」
「心底、馬鹿だな。そんなん、方便に決まってるだろ」
「えっ?」
え、呼び出しって嘘だったわけ?何でそんな嘘ついたんだ、こいつ。
思わず、ポカンとしちまう。
鳶尾は、苛立たしげに舌打ちした。
「よくもまあ、恥ずかしげもなく出席できたよね?あんだけ止めてやったって言うのにさ。結局、お前みたいな低能に、何言っても無駄か」
「なっ!」
「あーあ。本当苛々する」
何じゃこいつ! めちゃくちゃ口悪いじゃねえか。俺は、きっと睨みつける。
「俺が、どこに参加したって勝手だろ? ちゃんと「おいで」って言ってくれたんだぞ」
「馬鹿には、社交辞令も通じないみたいだな。言っとくけど、姫岡先輩も、泰我先輩達もお前なんか相手にしてないんだよ」
「うわっ」
ガッ、と肩を掴まれる。
勢いが強くて、腰が机に当たった。ガラガラ、と机が列を乱す。
「ああ、それとも。一縷の望みをかけて、あそこへ行ったわけ? お前、嫌われてるから、どうしようも無いものな」
「いや、なんの話しだよ」
なんか、勝手に合点がいかれても困るぜ。
と、鳶尾は鼻で笑って言う。
「とぼけるなよ。決闘大会で戦ってくれるように、頼むつもりだったんだろう?」
「はぁ?!」
俺はぎょっとする。なんでそんな考えになんだよ。
「白々しく、驚くふりなんかよせ。お前みたいな奴はごまんといるんだよ。あそこに居た、宅見と本原だってそうだ。あいつらもな、決闘大会で「酷い目にあいたくない」って、姫岡先輩に泣きつきにきたんだ」
宅見と本原ってのは、薬学のとき隣で作業してるクラスメイトのことだ。
てか、個人情報じゃね? ぺらぺら話しちゃ駄目だろ。
……それに。
「俺はそんなつもりねえよ。決闘大会は、ガチで闘う。んで、絶対、序列を上げてやるんだ!」
そう言って、拳をギュッと握りしめる。
鳶尾は、目を見開いた。
決闘大会は、序列あげる絶好のチャンス。勝って、イノリと一緒にいられるように――。
「ふざけるな!」
突如、鳶尾が逆上した。ドン! と胸を押され、俺は床に倒れこむ。
「いっだぁ! 何すんだ!」
睨みあげると、鳶尾は米神をひきつらせ、叫んだ。
「思い上がりも甚だしいな! お前なんかが勝てるほど、決闘は甘くないんだよ。つまんないガムみたいに、吐き捨てられるのがオチさ」
断言されて、むっとする。
「そんなん、やってみなきゃわかんねぇ!」
「はあ? 何を図々しい……。蝋燭に火もつけられない。魔力コントロールもてんで下手くその、「黒」のお前が勝てるとでも?」
鳶尾は、せせら笑う。
俺は、憤然と立ち上がった。
「おうとも! ぜってぇ、勝ってみせる!」
完全に、売り言葉に買い言葉ってやつ。
けど、本心だ。
そりゃ俺は落第生で、満足に使える魔法もねぇ。
けど、勝負から逃げたりするもんか!
真っ正面から、鳶尾を睨んでやる。
すると……。
「へえ、」と呟いて。鳶尾は一瞬、能面みたいな顔になった。
「……よくも言ったな、無能の分際で……なら、ボクが相手になってやる」
「……!」
「決闘大会、お前の相手はこのボクだ。それでも、逃げないなんて――勝つなんてほざけるか?」
鳶尾は、俺の胸ぐらを掴んだ。間近にある目が、ギラギラと怒りに燃えている。
俺は腹にグッと力を入れて、叫んだ。
「やってやらぁ!」
渾身の目力で、鳶尾の目を睨み返す。
鳶尾は、フンと顔を歪めて笑った。
「…………なんでお前を嫌うか、だっけ。ただ、ウザくてウザくて、消えて欲しいからだよ。――やっと精々する」
そう言って、やつは教室を出ていった。
俺は、その背に向かって言ってやる。
「だから、やってみなきゃわかんねえつーの!」
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