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第10章 その後の世界 / パーティーとやりたいことの話
リハーサル一日目
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三日後の夜、あの日からイユリちゃんやドーラルさんが急いで手配してくれたおかげで、今度のパーティーのリハーサルを兼ねた特別な夕食を用意することができた。
より「本格的」にするために、お城で働くみんなにも協力をお願いしたんだけど、「それは魔王様が喜ばれますね、ぜひ!」「魔王様のためにそんなことを……もちろん協力します!」「ここ数日の魔王様の顔色は死人のようで見ていられませんので、ぜひ、ぜひぜひ癒して差し上げてください!」と全員快諾してくれた。
魔王さん、部下に慕われているなぁ。
いや、今回に限っては「心配」されているのかも。
「さて、そろそろ時間か……」
最近は俺がお願いしたからどんなに忙しくても晩御飯の時間には俺の部屋に顔を出してくれるけど、今日は……
「魔王さーん、晩御飯の時間だよ」
「ラ、ライト!?」
魔王さんの執務室まで俺が出向いて、半開きのドアから中を覗き込む。
「お腹すいて我慢できないから呼びに来ちゃった」
「あ、そ、そうか、もうそんな時間か! くぅ……わざわざ呼びに来てくれるなんて……かっわいい……かわいいな! ライト!」
魔王さんが疲れの溜まった顔を一瞬で明るくしながら、ものすごい勢いで立ち上がって俺のところまで走ってきてくれる。
思ったよりも喜ばれるな。これ、またしよう。
「ふふっ。今日は、料理長さんたちがお休みだからケータリングだよ」
「あぁ、きいている。今度のパーティーのリハーサルも兼ねると」
「そう。イユリちゃんやドーラルさんがいろいろ手配してくれて……」
魔王さんの腕を引っ張りながら部屋を出る。
廊下を進んで、階段を下りて……
「……部屋に行かないのか?」
「うん。業者さんの都合で、今日は食堂」
「ほぅ……?」
調理場の横にある食堂は、普段はお城勤めの人がご飯を食べる場所だ。
かしこまらない来客との宴会にも使われるから、天井が高くて広くて豪華で……元の世界のヨーロッパの伝統がある学校の寮の食堂、こんな感じじゃなかったかな? ほら、魔法学校の映画にも出てくる……
「魔王様、ライト様、本日はお声がけいただき、ありがとうございます」
食堂の前につくと、イユリちゃんとローズウェルさん、そして、普段お城にはいない青紫色の髪で牛角が生えたバーテンダー風の衣装を着た男性魔族が立っていた。
「お前は確か、ライトとのデートで行った店の……?」
「覚えていてくださいましたか! 左様でございます。本日は、私共が食事を提供させていただきます」
「……そうか! それは楽しみだな」
よし。好感触。でも、もっと喜んでね、魔王さん。
「どうぞ、お席へ」
イユリちゃんとローズウェルさんがドアを開けて、バーテンダーさんが食堂の真ん中、十メートルはある大きなテーブルに一部だけ白いテーブルクロスをかけた席に俺と魔王さんを案内してくれる。
体育館くらい広い食堂の、何十人も座れるテーブルなのに、俺と魔王さんは間隔を空けずに木製の椅子をなるべく近づけて横並びで座った。
「こちら、本日のメニューとなっております」
俺と魔王さんの間に、ノートくらいの大きさで、二つ折りになった紙が置かれる。
「ここの料理はどれも美味かった。楽しみだな……ん?」
メニューを開いた魔王さんが固まった。
「……こんなに、出てくるのか?」
魔王さんが怪訝そうに指さすメニュー表には、約八〇種類の料理名が並ぶ。
「出してもらってもいいけど……今日は、ここから選んで注文できるんだよ」
「選んで……?」
「そう、お店みたいに、今日食べたいものを選んでいいんだよ。足りなかったら追加もしていいよ。そのために、今日は調理場のすぐ横の食堂で食べるんだから」
「……!」
魔王さんの顔が輝いた。
楽しい? 嬉しい?
魔王さん、デートしたときに自分でメニューを選べることに感動していたもんね?
「だが、このような……俺が頼まなかった料理や食材がもったいないだろう……?」
「それはお城の他の人のご飯になるから大丈夫。みんなの分はパーティーのリハーサルも兼ねて、この食堂にズラーッと並べてビュッフェ形式にするから」
その分、みんなのご飯の時間が遅くなっちゃうんだけど……みんな、魔王さんを優先してくれるし、「ビュッフェ形式なんて親戚の結婚式以来なので楽しみです!」って言ってくれる人も多かった。
……っていうか、魔王さん、俺が来るまでは食が細くてよく残していたから、そっちの方がもったいないのにね。
「では……遠慮なく選ばせてもらおう」
魔王さんが俺にデレデレになっているときとは違う、子供みたいな楽しそうな顔でメニューを眺める。
「うん。あ、俺は鶏肉の山の国風。これは絶対」
「あぁ、以前食べた時に気に入っていたな?」
「そう! 魔王さんとのデートの思い出の味。あと、今回のパーティーでは、来賓のみんなの地元の料理をひとつずつは入れようと思って、このお店に相談したんだ」
「来賓の? わざわざ我が国に来るのだから、地元で食べられる物以外の方がいいと思っていたが……」
「うん。もちろんそうだと思うし、魔王の国の名物はちゃんと料理長さんに作ってもらう。でも、自分の国の料理があると会話が広がるかなと思って。『山の国の料理も美味いな、ライトが気に入っているんだ』って教えてあげてほしいし……食料や農業技術の輸出入の話にもつながるよね」
「あ……あぁ」
これはホスト時代に学んだ。相手との会話のきっかけが作れそうなものはいくらでも仕込んで損はないって。
自分をアピールするのも大事だけど、相手から「引き出せる」ネタは強いって。
「そういえばこの料理……『北の国名物のジャガイモパンケーキ』に欠かせないハーブって九〇パーセントが魔王の国からの輸入なんだよね? お店の人が教えてくれたけど、おもしろいなって」
「あぁ、そうだ。しかし、今年は豊作で余り気味で……」
「美味しい料理に使えるってわかれば他の国も買ってくれるね? 北の国も自国の美味しい料理が広まれば嬉しいんじゃないかな~? ジャガイモの輸出先も探しているみたいだし」
これは一例だけど。
俺がしたいこと、してほしいこと、魔王さんに何となく伝わったかな?
「……!」
「今日のリハーサルでこの八〇種類から半分くらいに絞る予定。どのメニューに決まったか、どんな食材を使ったメニューなのか、イユリちゃんがわかりやすい一覧表を作ってくれるから、楽しみにしておいてね。もちろん、俺も頭に入れておく」
「あ、あぁ……」
魔王さんは俺の言葉を理解するのに時間がかかっているのかしばらく呆然とした様子で俺を見た後……
「ライト……」
「んー?」
「ライト、お前は、なんて……なんて、かわいくて、賢くて、優しくて、かわいく、俺や国民のことを考えてくれ、かわいくて……かわいいんだ!」
「ん、ふふっ」
かわいいが一番多いな。よしよし。
頭も思い切り撫でてもらえて……折角のディナーなのにぼさぼさだな。まぁいいか。
「魔王さんのお仕事の役に立てそう?」
「当然だ!」
「よかった。じゃあ今日のご飯選ぼう?」
「あぁ!」
魔王さんは楽しそうだった笑顔をさらに深くして、デートでお店に行った時と同じくらいたくさんの料理を選んで、食べてくれた。
「はぁ、とても楽しく美味い食事だった」
「よかった。俺もデート気分で楽しかったよ」
いつもの食事時間よりは一時間近く長くなってしまったけど、これだけ食べれば魔力もしっかり回復できるよね?
「名残惜しいが、仕事に戻る」
「なるべく早く切り上げてちゃんと寝てね?」
「あぁ」
「明日の夕食も俺が手配したから楽しみにしていてね?」
「明日も……」
魔王さんの嬉しそうな視線が、俺の顔とテーブルに置かれたままのメニューへ向く。
「楽しみで仕事がはかどる。ありがとう、ライト」
「魔王さんの役に立てて嬉しいよ」
魔王さん、明日も今日と同じ食事ができるって期待しているかな?
ごめんね。
明日は違う。
違うけど……絶対にもっと喜ばせるから楽しみにしていてね。
より「本格的」にするために、お城で働くみんなにも協力をお願いしたんだけど、「それは魔王様が喜ばれますね、ぜひ!」「魔王様のためにそんなことを……もちろん協力します!」「ここ数日の魔王様の顔色は死人のようで見ていられませんので、ぜひ、ぜひぜひ癒して差し上げてください!」と全員快諾してくれた。
魔王さん、部下に慕われているなぁ。
いや、今回に限っては「心配」されているのかも。
「さて、そろそろ時間か……」
最近は俺がお願いしたからどんなに忙しくても晩御飯の時間には俺の部屋に顔を出してくれるけど、今日は……
「魔王さーん、晩御飯の時間だよ」
「ラ、ライト!?」
魔王さんの執務室まで俺が出向いて、半開きのドアから中を覗き込む。
「お腹すいて我慢できないから呼びに来ちゃった」
「あ、そ、そうか、もうそんな時間か! くぅ……わざわざ呼びに来てくれるなんて……かっわいい……かわいいな! ライト!」
魔王さんが疲れの溜まった顔を一瞬で明るくしながら、ものすごい勢いで立ち上がって俺のところまで走ってきてくれる。
思ったよりも喜ばれるな。これ、またしよう。
「ふふっ。今日は、料理長さんたちがお休みだからケータリングだよ」
「あぁ、きいている。今度のパーティーのリハーサルも兼ねると」
「そう。イユリちゃんやドーラルさんがいろいろ手配してくれて……」
魔王さんの腕を引っ張りながら部屋を出る。
廊下を進んで、階段を下りて……
「……部屋に行かないのか?」
「うん。業者さんの都合で、今日は食堂」
「ほぅ……?」
調理場の横にある食堂は、普段はお城勤めの人がご飯を食べる場所だ。
かしこまらない来客との宴会にも使われるから、天井が高くて広くて豪華で……元の世界のヨーロッパの伝統がある学校の寮の食堂、こんな感じじゃなかったかな? ほら、魔法学校の映画にも出てくる……
「魔王様、ライト様、本日はお声がけいただき、ありがとうございます」
食堂の前につくと、イユリちゃんとローズウェルさん、そして、普段お城にはいない青紫色の髪で牛角が生えたバーテンダー風の衣装を着た男性魔族が立っていた。
「お前は確か、ライトとのデートで行った店の……?」
「覚えていてくださいましたか! 左様でございます。本日は、私共が食事を提供させていただきます」
「……そうか! それは楽しみだな」
よし。好感触。でも、もっと喜んでね、魔王さん。
「どうぞ、お席へ」
イユリちゃんとローズウェルさんがドアを開けて、バーテンダーさんが食堂の真ん中、十メートルはある大きなテーブルに一部だけ白いテーブルクロスをかけた席に俺と魔王さんを案内してくれる。
体育館くらい広い食堂の、何十人も座れるテーブルなのに、俺と魔王さんは間隔を空けずに木製の椅子をなるべく近づけて横並びで座った。
「こちら、本日のメニューとなっております」
俺と魔王さんの間に、ノートくらいの大きさで、二つ折りになった紙が置かれる。
「ここの料理はどれも美味かった。楽しみだな……ん?」
メニューを開いた魔王さんが固まった。
「……こんなに、出てくるのか?」
魔王さんが怪訝そうに指さすメニュー表には、約八〇種類の料理名が並ぶ。
「出してもらってもいいけど……今日は、ここから選んで注文できるんだよ」
「選んで……?」
「そう、お店みたいに、今日食べたいものを選んでいいんだよ。足りなかったら追加もしていいよ。そのために、今日は調理場のすぐ横の食堂で食べるんだから」
「……!」
魔王さんの顔が輝いた。
楽しい? 嬉しい?
魔王さん、デートしたときに自分でメニューを選べることに感動していたもんね?
「だが、このような……俺が頼まなかった料理や食材がもったいないだろう……?」
「それはお城の他の人のご飯になるから大丈夫。みんなの分はパーティーのリハーサルも兼ねて、この食堂にズラーッと並べてビュッフェ形式にするから」
その分、みんなのご飯の時間が遅くなっちゃうんだけど……みんな、魔王さんを優先してくれるし、「ビュッフェ形式なんて親戚の結婚式以来なので楽しみです!」って言ってくれる人も多かった。
……っていうか、魔王さん、俺が来るまでは食が細くてよく残していたから、そっちの方がもったいないのにね。
「では……遠慮なく選ばせてもらおう」
魔王さんが俺にデレデレになっているときとは違う、子供みたいな楽しそうな顔でメニューを眺める。
「うん。あ、俺は鶏肉の山の国風。これは絶対」
「あぁ、以前食べた時に気に入っていたな?」
「そう! 魔王さんとのデートの思い出の味。あと、今回のパーティーでは、来賓のみんなの地元の料理をひとつずつは入れようと思って、このお店に相談したんだ」
「来賓の? わざわざ我が国に来るのだから、地元で食べられる物以外の方がいいと思っていたが……」
「うん。もちろんそうだと思うし、魔王の国の名物はちゃんと料理長さんに作ってもらう。でも、自分の国の料理があると会話が広がるかなと思って。『山の国の料理も美味いな、ライトが気に入っているんだ』って教えてあげてほしいし……食料や農業技術の輸出入の話にもつながるよね」
「あ……あぁ」
これはホスト時代に学んだ。相手との会話のきっかけが作れそうなものはいくらでも仕込んで損はないって。
自分をアピールするのも大事だけど、相手から「引き出せる」ネタは強いって。
「そういえばこの料理……『北の国名物のジャガイモパンケーキ』に欠かせないハーブって九〇パーセントが魔王の国からの輸入なんだよね? お店の人が教えてくれたけど、おもしろいなって」
「あぁ、そうだ。しかし、今年は豊作で余り気味で……」
「美味しい料理に使えるってわかれば他の国も買ってくれるね? 北の国も自国の美味しい料理が広まれば嬉しいんじゃないかな~? ジャガイモの輸出先も探しているみたいだし」
これは一例だけど。
俺がしたいこと、してほしいこと、魔王さんに何となく伝わったかな?
「……!」
「今日のリハーサルでこの八〇種類から半分くらいに絞る予定。どのメニューに決まったか、どんな食材を使ったメニューなのか、イユリちゃんがわかりやすい一覧表を作ってくれるから、楽しみにしておいてね。もちろん、俺も頭に入れておく」
「あ、あぁ……」
魔王さんは俺の言葉を理解するのに時間がかかっているのかしばらく呆然とした様子で俺を見た後……
「ライト……」
「んー?」
「ライト、お前は、なんて……なんて、かわいくて、賢くて、優しくて、かわいく、俺や国民のことを考えてくれ、かわいくて……かわいいんだ!」
「ん、ふふっ」
かわいいが一番多いな。よしよし。
頭も思い切り撫でてもらえて……折角のディナーなのにぼさぼさだな。まぁいいか。
「魔王さんのお仕事の役に立てそう?」
「当然だ!」
「よかった。じゃあ今日のご飯選ぼう?」
「あぁ!」
魔王さんは楽しそうだった笑顔をさらに深くして、デートでお店に行った時と同じくらいたくさんの料理を選んで、食べてくれた。
「はぁ、とても楽しく美味い食事だった」
「よかった。俺もデート気分で楽しかったよ」
いつもの食事時間よりは一時間近く長くなってしまったけど、これだけ食べれば魔力もしっかり回復できるよね?
「名残惜しいが、仕事に戻る」
「なるべく早く切り上げてちゃんと寝てね?」
「あぁ」
「明日の夕食も俺が手配したから楽しみにしていてね?」
「明日も……」
魔王さんの嬉しそうな視線が、俺の顔とテーブルに置かれたままのメニューへ向く。
「楽しみで仕事がはかどる。ありがとう、ライト」
「魔王さんの役に立てて嬉しいよ」
魔王さん、明日も今日と同じ食事ができるって期待しているかな?
ごめんね。
明日は違う。
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